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『クロール 凶暴領域』感想 ワニワニパニック(本気)

そのむかし、アレクサンドル・アジャという映画監督がおってな。

超残虐ホラー『ハイテンション』で全世界に衝撃を与えたアジャは、その後も『ヒルズ・ハブ・アイズ』や『P2』などの秀作でホラー界隈を席捲し続けたんじゃ。

 

ピラニア (字幕版)

 

そして2010年にアジャはついに歴史的傑作を撮った。それが『ピラニア』じゃ。
これが単なるモンスターホラーに留まらない、それはそれはウィットに富んだ残虐ホラーでのう。

ピラニアに生きたまま食い散らされる水着美女…。
爆ぜたワイヤーで体が縦真っ二つにされる水着美女…。
モーターボートのスクリューに巻き込まれて生皮剥がされる水着美女…。

とにかく全編にわたって水着美女がえらい目に遭う、珠玉の大傑作だったんじゃ。
当然、三度の飯より血とおっぱいが好き系の映画ファンは『ピラニア』に"食い"ついた。そして『ピラニア』はカルト的な人気を誇る伝説に昇華されたんじゃ。

アジャはホラー映画の天下を獲ったのじゃよ。

 

その後もアジャは傑作を連発しおった。
『ホーンズ』ではコメディ路線にチャレンジし、
『ルイの9番目の人生』では心理サスペンスに挑んだんじゃ。
常に進化を続けおるアジャは、いま最もアブラの乗ったホラー監督と言っても過言ではないじゃろうなあ。

そんなアレクサンドル・アジャの、新たな代表作と呼ぶべき傑作がついにAmazonプライムビデオで配信開始となりおった。
それが、今回紹介する『クロール 凶暴領域』なのじゃ。

 

 

クロール 凶暴領域

2019年 アメリカ
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:カヤ・スコデラーリオ、バリー・ペッパー

クロール ー凶暴領域ー (字幕版)

-あらすじ-
家のなか ワニがいっぱい もうダメだ

 

評価 A

 

巨大なハリケーンが迫るフロリダ。
電話がつながらない父の安否を確かめに、女子大生のヘイリーは嵐のなか久しぶりに実家に戻る。

しかし嵐で水位が上がったことで、実家およびそのご近所は狂暴な肉食ワニが跋扈する地獄になり果てていた。
果たしてヘイリーは父親を見つけ、この地獄を脱出することが出来るのか!?

 

…というお話です『クロール 狂暴領域』。

もうね、一言で言って素晴らしかったです。
間違いなくアレクサンドル・アジャの最高傑作です

もうサメは古い。これからはワニ。ワニです。
シャークネードもクロコダイルネードに路線変更するべきです。

 

超マッシヴなワニさん。
人間の四肢を食いちぎるなど造作もありません。

 

冗談はさておき、本作は本当に完成度が高い。
その面白さを支えているのは、限定空間に凶悪モンスターと閉じ込められるというホラー要素と、長年の確執で分かたれていた父親と娘が絆を取り戻すという家族ドラマ要素がしっかり"噛み"合っているという点に尽きます。

 

映画が始まって10分でヘイリーとその父親は絶体絶命のピンチに陥ります。
地下室に閉じ込められ、周囲はワニだらけ。
あげく嵐のせいで地下室が浸水し、刻一刻と水位が上がってくる。
食われて死ぬかおぼれて死ぬか…いずれにせよ万にひとつも生存の望みがない極限状態です。

 

私ならここで
「そんなに悪くない人生だったな\(^o^)/オワタ」
と戦意喪失してしまうところですが、ヘイリーとその父親は違う。
彼女らはお互いを励まし合いながら、猛然と事態に挑んでいきます。

次から次へと襲いくる危機にヘイリーたちは幾度もへこたれる。
ちょくちょくワニに噛まれるので、肉体的ダメージも深刻なレベルで蓄積。

 

しかしそれでも決してあきらめないのは、一人じゃなくて二人だから。
「こいつだけは絶ッ対に死なせるわけにはいかない!」
という相手=家族と一緒だからこそ、不屈の精神力が湧いてくるです。

要するに、主人公たちの危機脱出に家族ドラマという理由付けを配することで、物語が盤石の説得力を持つように工夫されているのです。
このどっしりした構成はどうだ。素晴らしいの一言に尽きる!

 

問われる親子の絆(似てない)。

 

ベテランホラー監督ならではの鋭い演出もステキ。
88分という短めの上映時間の中に、一切無駄がなく恐怖が詰め込まれています。もうキレッキレです。

たとえばドッキリ描写。

本作は、近年流行りの『It』や『死霊館』のような
タメてタメて…突然ショッキングなモノが大写し!!
というホラーの定石を敢えて排し、逆に観客の予期せぬタイミングでいきなり恐怖が襲ってくる系の演出が徹底されています。

1秒後には何が起きているか、まったく見当つかない。
いつどんな危機が襲い来るか、まったく予想できない。
この凄まじい緊張感が本作をして純粋に恐い映画たらしめています。

予測不能のタイミングで敵が襲ってくる作風は明らかに『ジョーズ』の系譜ですが…それを言ったら『ジョーズ』の影響を受けていないホラー映画など皆無なので言うだけ野暮ってもんですよね。
なお『ジョーズ』へのリスペクトは、ヘイリーのワゴンに載ってたサメのマスコットで提示済み。こういう細やかな気遣いにこだわるところがベテランの風格ですよねアレクサンドル・アジャ。

 

狭い一軒家だけで話が展開するのに、二転三転する状況変化で退屈を感じさせない構成も見事。
特に、いよいよ水位が上がって町全体が水没してからの描写がスゴい。
日常を送るための場がワニという非日常に浸食される恐怖もさることながら、家の中がモンスターホラーの舞台として完璧に機能しているのがステキすぎます。

出色なのは、予告編でも印象的だったシャワールームのシーン。
あんな狭い場所にワニと閉じ込められたらMK5(マジで食われる5秒前)としか言いようがありません。
絶体絶命感をあおる俯瞰視点もクールで、本作最強の名シーンだと思います。

 

シャワールームに追い詰められるヘイリー。
このあとアイデアとスリルに満ちた最高の脱出シーンが!
すべてが完璧すぎます!

 

リアルワニワニパニック状態から、親子の絆を武器に脱出を図る極限状態ホラー『クロール -狂暴領域-』。
とりあえず泳げると生存率が上がることは分かったので、週末は市民プールに泳ぎに行ってきます。久々に。
あと発煙筒のストックを確認しておきます。

 

 

ハイテンション(字幕版)

アジャ監督の初期の名作。
いきなり生首に〇〇するシーンから始まる狂気の逸品です。

 

 

ホーンズ 容疑者と告白の角(吹替版)

ハリポタを主演に据えコメディに挑んだ異色作。
得意の残虐描写は抑え気味だけど、ラストのブッ殺しはなかなインパクト大。

 

 

言わずと知れた伝説の傑作。
バックトゥザフューチャーのドクも出るよ。ほとんどドクのまんまのキャラで。

 

 

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