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『グレイテスト・ショーマン』感想 人間の本質は見た目はじゃない!生き方だ!(※ただしイケメンに限る)

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■■■■■□□□□□ 5点

【あらすじ】
1800年代アメリカ。バーナムは貧乏生活からの脱出を懸けて、奇形児や身体障害者を集めたフリークショーを開催する。
批判を集めつつも人気を博したショーは、バーナムにとってやがて大切な存在となっていく。


ヒュー・ジャックマンがその達者過ぎる歌と踊りを披露し話題を集めた『グレイテスト・ショーマン』がついに配信解禁!
絶対映画館で観たいと思ってたけどたまたま忙しくて見送っちゃったんですよねコレ。よーし早速観るぞー!
………
……
えー、うん。面白かったです。歌も踊りも良かったし。
でもこれ、すごく薄っぺらくないですか?


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トランプ大統領が爆誕して以来、アメリカの文化は差別主義路線・格差肯定路線に猛烈に逆行しました。残念ながら。
そんな風潮へのカウンターとして、黒人やLGBTなどいわゆるマイノリティへの注目を促す映画が近年続々登場しました。
ホラー映画界からは『ゲット・アウト』が。
ヒーロー映画界からは『ブラックパンサー』が。
怪獣映画界からは『シェイプ・オブ・ウォーター』が登場し、特に同作は高評価を得てアカデミー賞作品賞に輝きました。
「マイノリティ」はここ数年のハリウッドの合言葉なのです。
そしてミュージカル映画界から生まれたのがこの『グレイテスト・ショーマン』という訳です。

シェイプ・オブ・ウォーター (字幕版)



でも薄っぺらい

そんなこんなでこの『グレイテスト・ショーマン』は、世間から疎まれ迫害されてきた障害者らが主人公のもと一致団結するというお話で、まさしく最近の時流に乗った旬な題材の物語と言えます。しかもその主人公を演じるのが『レ・ミゼラブル』で確かな歌唱力を披露したヒュー・ジャックマンことヒュー様と来たらもう絶対面白くなるに決まってるのでした!


…と言いたかった所ですが。
実際に映画を観ると、ドラマ部分があまりに貧弱過ぎてめちゃくちゃ薄っぺらいシロモノに仕上がってます。
例えるなら堀江貴文が熱唱する『世界で一つだけの花』みたいな…。言ってることは正しくてもうさんくさ過ぎて逆に嘘っぽい。そんな感じです。

グレイテスト・ショーマン (字幕版)
髭がモジャモジャに生えてるおばちゃんや身長が80cmくらいしかない中年男性など、本作では様々な「フリークス」が登場します。が、揃いもそろってみんな善人。心優しい弱者。キャラクターに掘り下げが無く、何を考えているのかよく分からない「ただの良い人たち」です。まるで弱者イコール善人と決めつけるかのような浅はかさです。


サーカス団員を非難・差別する大衆も出てきますがキャラクターと呼べるような悪役は一人も居らず、差別や迫害は漠然とした風潮として描かれるだけです。バーナム夫人の実父や辛口の劇評論家など「イヤな奴」は一応出てきますが、そんな彼らも「実はイイ人でした」的なエピソードが後半に用意されており徹底的に優しい世界観になっています。これがまたうさん臭くて話の薄っぺらさを助長しています。
とにかく登場人物たちの背景に一切ドラマが無い。被差別者を描くなら当然差別そのものを描かなきゃ片手落ちですが、本作と来たらそう語るべき部分が「みんな違ってみんな良い!よし解散!」くらいの軽いノリで終わってしまうので、すごく主張の弱い映画になってしまっています。

あげく「人間の価値は見た目じゃない!」というスタンスを散々謳い上げておいてラストを飾るのがザック・エフロン×ゼンデイヤという美男美女カップルという点もズッコケさせられます。いわゆる一つのただしイケメンに限るですねこれは。
重さを排した作風が「軽快さ」になっていれば良かったのですが「薄さ」にしかなっていない印象でした…。


バーナムの甘ったれ人生

あとバーナムの家族が恵まれ過ぎてて何のスリルも無いのもドラマの退屈さに拍車を掛けています。
一家の大黒柱にとって一番恐ろしいのは、自分の不甲斐なさのせいで妻や子供を貧しい境遇に陥らせることです。自分自身の社会的評価や仕事の成功うんぬんよりも家族の幸せが大事…そう考えるのが万国境通のコンセンサスだからこそ、映画の中で家族愛というテーマが成立するというものです。
ところが本作の主人公バーナムと来たら、実家に帰れば妻も娘も超裕福な生活が送れるという究極のセーフティーネット付き人生。何をどう失敗しても家族の衣食住は保証されている超勝ち組です。リスクがリスクになっておらず、バーナムのチャレンジが劇中での扱いに反して全然冒険になってません。ヘソで茶が沸きます。
なので興業に失敗して「あぁ~俺はすべてを失ってしまった~」とバーナムが嘆いても甘ったれた泣き言にしか見えず、全然ドラマチックじゃない。自分がどれだけ恵まれてると思ってるんだYO!
現に奥さんも、借金まみれになって失職したバーナムをあっさり見限って実家に帰ります。「苦しい今こそ夫婦で助け合うとき!」という発想は無かったらしく、あれほど反発していた実父に甘えまくっての贅沢生活。まあその後に夫婦がヨリを戻す予定調和な展開にはなるけれど、夫婦甲斐の無い人達だなあ…という印象しか抱けませんでした。
『グレイテスト・ショーマン』、面白そうなのにIMDbの評論家評がやけに低くいので妙だと思ってたけど、観てみて納得してしまいました(-_-;)



ミュージカル部分は見応えあり!

という訳でダメな部分が山ほどある本作ですが、それでも嫌いになれないのはミュージカルシーンが半端じゃないクオリティだからでしょう。
なにしろ開始0秒でフルスロットルのミュージカルシーンを見せてくれるという心得たサービスっぷり。かの『ラ・ラ・ランド』の立役者、ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールらによるテーマ曲がインパクト絶大で、イントロの「ウォーオーオーオー♪」の力強いコーラスを聴けば誰でも強制的に気持ちがアガってしまうでしょう。
音楽経験豊かな主演俳優らも文句なしに上手く、どのシーンも最高です。
一番好きなのはバーでヒュー様がザック・エフロンをスカウトするくだり。ショットグラスや椅子などの小道具の使い方もオシャレで大変素敵でした。バーナムとフィリップのブロマンスぶりにもドキドキしますねゲヘヘ(●´ω`●)

と言うかすべてのシーンでヒュー・ジャックマンがとにかく楽しそうに演じているので、バーナムが『ローガン』で壮絶な最期を遂げたウルヴァリンの生まれ変わりに見えてきてそれだけで泣ける。「良かったねローガン、ついに笑顔に満ちた人生を手に入れたね」みたいな。

↑映画そのものよりもサウンドトラックの方が一つの作品として素晴らしい! これは本当に必聴の一枚。

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