『デアデビル シーズン2』パニッシャー参戦!でも要らない恋愛要素が水を差す…

今回は旧Netflixマーベルの傑作『デアデビル』のシーズン2を紹介します。

依然超ハイクオリティだけど、中だるみは否定できないわね。

評価 :4/5。

アメコミ界のブッコロ系、参戦!

気に入らない奴は即SA-TSU-GA-I

出典:TMDB

シーズン2の目玉は何といってもパニッシャーの登場だ。

アメコミ界では「ヒーローは人を殺さない」という倫理規定が常識。バットマンもデアデビルも「不殺」を信条にしている。
だがフランク・キャッスルにはそんな生ぬるい風潮は通用しない。悪と決めたら即ブッコロ。情け無用の私刑人。ここでは「ブッコロ系」と呼んでおこう。

過去に何度も映画化されながら、評価は常に低空飛行(好きだけど)。
2004年版の珍演出――アイスキャンディーのくだり――は、むしろカルト扱いされる始末だ。
そんな経緯もあって、映像化のハードルがかなり高いダークヒーロー…それがパニッシャー。

 

個性派!ジョン・バーンサル大爆発

そんな“いわくつき”のパニッシャーを演じるのが、個性的な御面相の持ち主ジョン・バーンサル御大だ。

モスクワで芸術を学び、一時はプロ野球選手だったという異色すぎる経歴を持つ男。

フィルモグラフィも顔つきの悪さを活かした特徴的なラインナップだ。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のヤク売人、『ボーダーライン』の汚職警官、そして『フューリー』のド畜生(しかも役名が”バカ”)。みんなガラ悪い
特に『フューリー』の目玉焼きベロベロは、映画史に残る最悪の「おいしくなあれ♥」として語り継がれるべきだろう(そしてその目玉焼きを美味しくいただくブラピ)。

そんな彼が粗野なだけでは務まらないパニッシャーをどう演じて大丈夫か?
結論から言えば大成功だ。

 

 

強いぞパニッシャー!そして衝撃の幕開け

いきなりガチ喧嘩

出典:TMDB

「不殺」という信念のデアデビルと、悪人を躊躇なくブッコロすパニッシャー。両者の激突は第1話から即ガチバトル開始という、もったいぶらない展開の早さ!

しかもパニッシャーがあっさり圧勝。衝撃の幕開けである。
あげく「殺せたが今回は警告に留める」という余裕付き。尋常ならざるパニッシャーの強さが、たった数分で脳裏に焼き付く。

トレードマークのドクロが、まさかのレントゲン写真という意外な形で画面に登場するのもオツな演出である。

 

宿敵同士の激渋の友情

信念が真っ向から対立するデアデビルとパニッシャー。
しかし事件が進むに連れ、二人の間には奇妙な絆が芽生え始める。

弁護士でもあるマット・マードックは正義の限界に直面し、物語終盤でついに揺らぐ。「今回だけは、もう悪い奴を殺して終わりにしよう。これ以上犠牲者を出さないためにはそうするしかない…!」とパニッシャーに持ち掛けるシーンの重さよ。

これに対しパニッシャーは「ようやく俺の方が正しいと理解できたか!」とドヤ顔するかと思いきや、逆にすげぇつまらなそうな表情で返す。
「やめとけ。今回だけなんて理屈は通用しない。お前が一線を超えてしまったらもう後戻りはできないんだ。」

自分が人の道を踏み外したことを理解しているからこそ、デアデビルには踏みとどまってほしいと願う。狂気の処刑人に見えて、実は筋の通った友情がある。
これぞ宿敵同士の絆。
あっしはこういうのに弱いんでヤンス!!

 

 

元カノと性欲と、ぼんやりした話の輪郭

なんなのこの縦穴…

パニッシャーと入れ替わるように話の主軸になってくるのが、やんちゃな元カノ・エレクトラだ。
哀しいかな、ここから話が散漫になる。

久しく連絡を絶っていたエレクトラがマットの前に現れた理由が「ブラックスカイ」の追跡らしいが、この『ブラックスカイ』、武器なのか、技術なのか、プロジェクト名なのか、それともアベンジャーズの新作タイトルなのか、最後までまったく明かされない。

さらに「手がかりを掴んだぞ!」と思いきや見つかったのは、石を投げ入れても底につく音がしない尋常ならざる深さの縦穴。
何かを掘り起こしたのか、逆に何かを埋めるためなのか。例によって視聴者には全くわからない。そしてそのまま投げっぱなしで終了。なんだこの超絶意味深なムーディスポットは!?

 

チャラさ爆発マードック

そして、マット・マードックの性欲が大爆発しているのも良くない。

S1ではストイックだったのに、S2に入って気持ちの余裕が出てきたのか途端にチャラくなった。
職場の同僚カレンとねんごろになったかと思えば、数日後には元カノ・エレクトラにムラムラし、合間で看護師のクレアにも色目を使うという大活躍(主に股間が)。
そして案の定、痴話喧嘩に発展して「あのさーそれどころじゃねぇだろ!」と言いたくなる。

2004年のベン・アフレック版『デアデビル』で披露した「体臭を辿って美女をナンパ」という伝説のテクニックを思い出せば、マットはもともとチャラ設定なのかもしれない…。だがそうだったとて、要素詰め込み過ぎの感あるシーズン2でこの恋はデリケート劇場は蛇足だったと言わざるを得ない。
おかげでますます、どれが話の本題か分かりづらくなった。

 

 

依然高クオリティなアクション

シーズン1が大傑作だった半面、シーズン2はエピソードをうまくまとめきれず散漫になった印象は否めない。

しかし、だからと言って失敗作では断じてない。
むしろ語り草となった階段大乱戦など、アクションシーンは依然として冴え渡っておりキレ味は健在だ。

陰謀に痴話喧嘩に友情と盛り込みすぎて少々散らかったが、それでもヒーロードラマとしての熱量は健在。ブッコロ系パニッシャーの鮮烈な登場と宿敵同士の奇妙な絆は、間違いなく見どころとして心に残る。

 

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