Netflixミステリー映画3選 ― 転がる真相、止まらない心理戦【2025年版】

Netflixで何を観るか迷っている方へ。
今回はミステリーやサスペンスの中でも特に素晴らしい3作品を厳選してご紹介します。

ネタバレは無しだから安心して。

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(映画)

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出典:https://www.themoviedb.org/

 制作:2022年
監督:ライアン・ジョンソン
主演:ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、ケイト・ハドソン

IT界の風雲児マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)は、リゾート島に建つガラスの豪邸「グラス・オニオン」へ友人たちを招き、週末の「殺人ミステリー・ゲーム」を企画する。

招かれたのは政治家、科学者、ファッションデザイナーなど、各界で名を馳せる――そして誰もがマイルズの金とコネに依存する――5人の招待客たち。

そこへ招待されていないはずの世界的な名探偵、ベノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が突如として現れる。
そして島で実際に事件が起き、名探偵の推理が再び冴えわたるのだった!

これぞ「見る叙述トリック」

一応『ナイブズアウト』の続編二作目ではあるが、話は完全に独立しているので本作からでもOK!

前作のゴシック趣味な屋敷から打って変わって、本作の舞台はギラつく南国。
そして登場人物は全員、SNSのフォロワー数で脳みそが埋まってるような俗物オンリー。口を開けば出てくるのは「イノベーション」だの「自己ブランディング」だの、しょうもない自己啓発ワードばかり。
そんな熟年パリピの巣窟でこそ、名探偵ベノワ・ブランの冷静さが光る。

前作から続投の監督ライアン・ジョンソンは、今回も観客の目に正面から挑む。さりげなく、でも印象に残る伏線の張り方はもはや名人芸だ。「謎を解くヒントを観客はすでに『見て』いる…」という「見る叙述トリック」を完璧に体現している。

そして前作から引き続き、超がつくほどの豪華共演陣も見どころだ。
彼らが演じる「薄っぺらい成功者」たちの滑稽さは、イヤな奴感よりむしろ面白さが際立つ。これぞキャスティングの妙。

豪華でコミカルで、それでいて本格ミステリ。
「続編」という枠を超え、エンターテイメントとして完璧なムーブだ。

  

  

ザ ギルティ(映画)

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出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2021年
監督:アントワン・フークア
主演:ジェイク・ギレンホール

やる気のない元刑事、ジョー。彼は通報オペレーターとしての仕事をだらだらこなしていた。
ある夜、彼は一本の切迫した通報を受ける。それは誘拐されたらしい女性からのSOSだった。
ジョーは見えない犯人を、耳から入る断片的な情報と手元のコンピュータ、そして自身の刑事の勘だけを頼りに追跡する!

電話越しの窮地を顔芸で乗り切る男

画面に映るのは、99.9%がジェイク・ギレンホール演じるジョーの顔
通報電話を受けるだけの仕事――と聞けば緊張感ゼロのデスクワークを想像するが、本作はそれを音声だけの密室劇に仕立て上げた。
もはや聴覚型シネマとでも呼ぶべき異色の体験である。

主人公は終始、怒りと苛立ち、そして自身の抱える「過去の罪悪感」に苛まれている。その感情のジェットコースターが表情筋の一人芝居となって炸裂する。ギレンホール好きにはたまらない特濃ギレンホールタイムだ。

事件の真相が露わになる瞬間のカタルシスと、それによってジョー自身の過去がシンクロしていく展開には度肝を抜かれる。まさに理想的などんでん返し。
リメイク元である北欧版の持つ静かな恐怖とは一線を画し、このアメリカ版はスリル面が大幅に強化されており緊張感は発狂レベルだ。

ただのワンシチュエーション・スリラーとして消費するには、あまりにもヘヴィな一作。
これは「我々は断片的な情報だけで一体何を判断できるのか?」という、現代社会に対する痛烈な問いかけでもある。

 

  

汚れなき子(ドラマシリーズ)

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出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023年
監督:イザベル・クラウフ
主演:キム・リム、ナイラ・シュナイダー、ハンス・ローヴィッツ

森の中で事故に遭った女性と少女が保護される。
病院に運ばれた彼女たちの証言から、二人が長期間監禁されていたことが明らかになる。彼女たちは誘拐被害者だったのだ。警察は急ぎ捜査を開始する。
一方家族は再会を喜ぶが、13年前の未解決事件との奇妙な符合、そして女性の正体をめぐる新たな疑念が生まれ、物語は“解決”ではなく”始まり”へと転がっていく。

本物の「二転三転」が見たいか?

推理小説を読みながら「あ、犯人分かっちゃったかも」と悦に入った途端、別の謎が出現して作者に鼻で笑われるあの感覚。あれがとことん味わえるのがこの作品だ。しかもその意地悪な転がし方は緻密な脚本と心理描写でがっちり支えられている。
ただの二転三転系ではなく心理劇として見ごたえ抜群なのが、『汚れなき子』が他作と一線を画す点なのだ。

物語開始時点で本作の登場人物たちは皆、何かを隠している。
観る者は展開を予想しつつ「こいつ怪しい…。でも…何が?何がそんなに引っかかるんだ?」という疑心暗鬼のループに閉じ込められる。
地味な作品ではあるが、静謐さが逆に不穏さを増幅させ緊張感を生む。

そして極めつけは、誘拐された少女ハンナの存在感。
無垢さと不気味さを併せ持つ雰囲気は、いったい何が本当のことなのかと観る者を混乱に陥れる。彼女の一言一言が、事件の真相よりも恐ろしい“人間の闇”を照らし出す。

日本での知名度は限りなくゼロに近いが、これは間違いなく見つけた者勝ちの傑作。

  

 

ミステリー以外もいろいろお勧め作品を紹介中。
Netflix好きなら是非みていってね。

  

  

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