Netflixで何を観ようか迷っているあなたへ。
今回は数ある作品の中でも特に語り継がれるであろう名作――そんな“殿堂入り”の超定番を3本厳選しました。
「Netflixと言えば！？」への回答として、自信をもって選んだわ。
ストレンジャー・シングス（ドラマシリーズ）
制作：2016年〜
監督：ダファー兄弟（シリーズ構成）
主演：ミリー・ボビー・ブラウン、フィン・ウルフハード、ノア・シュナップ
1980年代の田舎町ホーキンス。
少年ウィルが失踪したことをきっかけに、仲間たちは異世界“裏側の世界”の存在を知る。そして物語のカギを握る超能力少女、イレブンに出会うのだった…。
視聴者も共に歩む成長の道のり
政府の陰謀、異形の襲来、友情と家族の絆――ジャンルをまたぐ物語は、シーズンを重ねるごとにスケールと深みを増していく。
最初は自転車で走り回っていた少年たちも、やがて世界の命運を背負う青年へと成長。なおウィルの髪型だけは時空の狭間に取り残された。
本作の魅力は、物語と登場人物がリアルタイムで成長していく体験にある。
視聴者はただの観察者ではなく彼らと共に時間を重ね、変化を受け入れていく。このエモさは他のどんなコンテンツも真似できない。例えるならばホラー寄りになったハリー・ポッターだ。
視聴開始時に”ストレンジャー・シングス専用のNetflixロゴ”が出ることからも分かる通り、名実ともにNetflixの顔。
「ネトフリと言えば？」という問いに対する、絶対的な唯一解だ。
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ（映画）
制作：2022年
監督：ギレルモ・デル・トロ、マーク・グスタフソン
主演：グレゴリー・マン、ユアン・マクレガー、デヴィッド・ブラッドリー
第二次世界大戦下のイタリア。
息子を亡くした老人が松の木から人形を彫り、命を吹き込む。
そうして生まれたピノッキオは無邪気に世界を駆け回るが、ファシズムと戦争の影が容赦なく彼を飲み込んでいくのだった…。
鬼気迫る執念の人間讃歌
木から生まれた少年が「人間になりたい」と願う物語はディズニー版でおなじみだが、こちらはギレルモ・デル・トロ製。つまり、人間になりたい＝人間の業を全部背負うという意味になる。
10年越しの制作地獄を経て完成したストップモーションアニメは、もはや映画というより呪術的工芸品の域。画面の隅々にまで「絶対に完成させてやる…！」という怨念がほとばしり、手仕事のスゴみが視聴者を圧倒する。
ピノッキオは無垢でありながら、世界の残酷さに晒され続ける。
だがその過程で「人間とは何か」という問いが浮かび上がる。デル・トロが半生をかけて追い続けたこのテーマが、ここに結実したと言っていい。
まさに”圧倒的”と呼ぶのにふさわしい超絶完成度の一作。だがディズニー版とまったく異なる、可愛くないを通り越してちょっと怖い＆グロいピノッキオのビジュアルは見る人を選ぶ…かも。
こんなSNSでバズりようがない、何一つ華やかさの無い作品に威勢よくカネを出したNetflixは本当にえらい。
マリッジ・ストーリー（映画）
制作：2019
監督：ノア・バームバック
主演：スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、ローラ・ダーン
泥沼離婚劇を超えて
チャーリーとニコールは、ニューヨークの演劇業界で愛を育んだ二人。
しかし物語は彼らの、結婚生活の破綻で幕を開ける。
離婚という誰もが避けたい人生の泥沼を、ノア・バームバックは精密に描き出す。
離婚裁判に勝つためならかつて愛した相手のすべてを破壊するしかない――。
あまりにも気まずいテーマだ。
中盤、ガレージの扉を互いに閉めるシーンがある。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの目が一瞬だけ合う。まるで二人が「もう終わりにしよう」と無言で確認し合っているかのようだ。
心の距離は果てしなく遠いのに同じゴールを目指す皮肉な共犯関係――離婚劇におけるこのメタファーの切なさよ。
愛の終わりを描きながら、同時に愛そのものを肯定する。
人間の愚かさと美しさを同時に抱きしめる、そんな贅沢な2時間だ。これぞ究極の映画体験。
このブログではNetflixのおすすめ作品をいろいろ紹介してるみたい。
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