当ブログでは管理人が独断と偏愛で選出した様々な映画ランキングを紹介中です。
今回のテーマはホラー映画。
管理人が涙目にさせられた数々の最恐映画を紹介します。
鑑賞は自己責任でよろしく!


あの映画観てから、ずっと背中に何かの気配を感じるんだけど…。
1位 オーディション
1999年 日本
監督:三池崇史
出演:石橋凌、椎名英姫

度を越した地雷系女子を描くサイコスリラー。
再婚相手を探す中年男が運命の女性に出会うが、彼女のことを知るほどに不穏な事実が明らかになっていく…。やがて男は驚愕の真相にたどり着き、恐怖のどん底を味わうことになる。
映画前半はスローテンポかつ起伏が乏しく、正直言って若干退屈。
しかしとあるシーンで、部屋の片隅においてあったズタ袋が突然勝手に大回転してからはノンストップの悪夢フルコース。現実と悪夢が境界を失い、語り草となったラストのアレ切断シーンに至っていく。
タランティーノも絶賛したという逸話があるが、そんな外野の評価などどうでもいい。
トラウマ製造機として世界遺産級の、ザ・閲覧注意ムービー。
2位 ヘレディタリー/継承
2018年 アメリカ
監督:アリ・アスター
出演:トニ・コレット、アレックス・ウルフ

アリ・アスターという謎の(ほんとに正体不明の)監督が、流星のようにそのデビューを飾った「観る事故物件」。
家族の不穏な空気をじわじわ描きながら、あるシーンを境に恐怖のエンジンが爆音で始動。以降、観客はトニ・コレットの怖すぎる顔芸と共に地獄のジェットコースターに乗る羽目になる。
物語は説明的な描写を排しつつ、幽霊系・虫系・切断描写など幅広いショック描写の連打で彩られる。
現代ホラーの転換点として語られることも多い名作だ。
ふんわりした紹介文になってしまったが、とにかく多くを話せない映画。最大級の恐怖を味わいたいなら予備知識ゼロで観るのが正解だ。
トニ・コレットの顔だけでもう怖さお腹いっぱい。
3位 ミスト
2007年 アメリカ
監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン

町は突然霧に覆われた。そして霧の中から現れた異形の怪物が次々に人間を殺し始める。
スーパーマーケットにたまたま来ていた買い物客達は帰るに帰れなくなり、やむを得ず店内に立て籠もり生活する。
しかし待てども事態は改善せず、絶望が広がる生存者達の間で次第に異様なカルト集団が台頭してくる…。
「後味悪い映画」として伝説と化した驚異のラストシーン。
「自分は正しい」と信じた者に下される裁きの鉄槌は、観客の心を容赦なく粉砕する。
絶望とはこういうものだと懇切丁寧に教えてくれる、問答無用のトラウマシーンだ。
個人的には二度と観たくない映画の頂点。でも観たことを後悔はしていない。これはまごうことなき、映画史に残る傑作なのだ。
4位 呪詛

制作:2022年
監督:クー・チェンウェイ
主演:ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、カオ・インシュアン
山間の集落で起きた禁忌の儀式。そこに足を踏み入れた女性リ・ローナは、呪いを背負ったまま都市部へ逃げ延びる。
だが娘ドゥオドゥオの周囲で不可解な現象が頻発し、母娘は再び“あの場所”へと引き戻される。
POV(1人称視点)という定番手法のホラーでありながら、オカルト・スプラッタ・虫系・病気系などの多彩な要素を容赦なくぶち込んでくるホラー映画の超新星爆発。
それだけで既に怖いが、本作はそこへさらに「配信作品ならでは」の要素が加わる。視聴者は自分が「映画を見ている」のではなく「実はこの映画の一部だった」と知ることになる。
観るというより、呪いを体験する映画だ。
5位 ロングレッグス

制作:2024年
監督:オズ・パーキンス
主演:ニコラス・ケイジ、マイカ・モンロー、アリシア・ウィット
FBI捜査官のリー・ヘラーが連続殺人事件を追う。しかし犯人“ロングレッグス”と自分との間に奇妙な絆があることが徐々に判明し…。
恐怖の空気が特濃すぎる。
終始不穏な音楽と、左右対称の構図を多用した不穏さが全編を支配する。
画面は静かなのにどこか高熱のときに見る夢のような、問答無用で不安を煽る雰囲気が貫かれている。
極めつけに、殺人鬼役のニコラス・ケイジ。近年ますますネタ俳優化しているニコケイだが、本作においては人間なのに人間やめてる造形でガチンコの恐怖を叩き込んでくる。
あとポスターでも一目瞭然だが、主演のマイカ・モンローのビビり演技も素晴らしすぎ。
異様過ぎるエンドロールも含めて観客の心に恐怖の爪痕を残す、最先端のホラー。
6位 ブラックスワン
2010年 アメリカ
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン、ミラ・クニス

演舞の役作りに悩む若き女性バレリーナ。
彼女は舞台へのプレッシャーから徐々に正気を失い始める…。
みんな大好きナタリー・ポートマンが、バレエに打ちこみ過ぎておかしくなっていくお話。
現実と妄想の境界が溶けていく構成は、ナタポーと一緒に自分も正気を失いつつあるのではと錯覚させる怖さがある。
心理系ホラーながら、ウィノナ・ライダーが自分の顔をメッタ刺しにするシーンなどショック描写も充実。
ホラーというより、精神崩壊の美を血で彩った文学的な一作だ。
怖いけど美しい。
7位 死霊館
2013年 アメリカ
監督:ジェームズ・ワン
出演:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン

平和で平凡な一家を襲う怪奇現象の数々。
一家は心霊現象の専門家ウォーレン夫妻(実在の人物)に助けを求めるが…。
ジェームズ・ワンの演出は視線誘導とタイミングの鬼。
かくれんぼのシーンなんて、もはや恐怖の美術と呼べる完成度。
そして怖いけどしっかり面白く、エンターテイメントとしての完成度が高い。
楽しいホラー映画とは何かを体現した傑作だ。
続編も全部面白い(ただしスピンオフの数々、テメーらはダメだ)。
8位 スペル
2009年 アメリカ
監督:サム・ライミ
出演:アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング

不気味な老婆の逆恨みを受け、呪いをかけられてしまった女性銀行員のクリスティン。
以来、クリスティンの身に次々と怪奇現象が襲い掛かる…!
スプラッタホラーの開祖にして真打サム・ライミが、自分自身の趣味を全開にして撮った悪趣味の祭典。
鼻血が噴水のように噴き出し、目玉が美女の口にホールインワン。
もはやホラーというより人体破壊ギャグだ。
だが演出のキレは本物で、笑いながらも本気でビックリするシーンが景気よく連打される。「怖いけど笑える」から「笑えるけど怖い」へと、観客の感情を二周させてくる怪作だ。
9位 回路
2001年 日本
監督:黒沢清
出演:加藤晴彦、麻生久美子

「幽霊に会いたいですか?」という問いかけから始まる、インターネット×死後世界の不条理ホラー。
ネット黎明期にこの発想をひねり出した黒沢清、やっぱり頭おかしい(褒め言葉)。
『リング』のような“ワーッと出てくる系”ではなく、画面の隅で誰かが飛び降りてたり、背景にいつの間にか人影が立ってたりする“静かな絶望”が真髄。
哲学とホラーが手を組んだらこうなる、という理想的な見本だ。
今観ても古びないどころか、むしろ現代の”情報過多の孤独”に刺さる。黒沢清はやっぱりオンリーワンだ。
10位 イット・フォローズ
2015年 アメリカ
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:マイカ・モンロー、キーア・グルクリスト

セックスで感染する“何か”を背負わされた女子高生。以後、女子高生へ「それ」がまとわりつくようになる。
「それ」はただ歩いてくるだけ。正体不明、目的不明、ただこらちに向かって歩いてくる。女子高生は逃げるが、それはどこまでも追ってくるのだった…。
『リング』の“呪いを感染させて他人に押し付ける”構造を継承しつつ、青春の甘酸っぱさと死の予感を絶妙にブレンドした斬新な一作。
ホラーなのにどこか詩的で格調高い。ドストエフスキーとか引用したりして知的な雰囲気も芳醇。でも怖さ自体が超ハイレベル。
ラストの余韻も秀逸で、「結局どうなったの?」と考え続けてしまう。制作陣の思うつぼ。
ホラーの新しい形を提示した、静かなる怪作だ。

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