Netflixで何を観ようか迷っている方へ。
今回は、ファミリーでも安心して楽しめる、でも“大人も刺さる”アニメ映画を3本ご紹介します。

『ミッチェル家』の凄さをとにかく世に広めたい。
ミッチェル家とマシンの反乱

制作:2021年
監督:マイケル・リアンダ、ジェフ・ロウ
主演:アビー・ジェイコブソン、ダニー・マクブライド、マヤ・ルドルフ
映像オタクの娘ケイティが映画学校に進学する前、ミッチェル家は最後の思い出作りにと一緒に旅行へ出る。しかし旅の途中で突如AIが世界中で暴走。スマホも冷蔵庫もロボットも、すべてが人類を敵とみなし捕獲モードに突入する。
クセ強めなミッチェル一家は、成り行きで人類最後の希望に!?
90年代ノスタルジー、暴走!
王道の“家族の絆”を軸にしつつ、90年代ノスタルジーが画面を埋め尽くす謎テンションのCGムービー。
「恋のマイヤヒ」や「ファービー」など、そんなのあったね感がとてつもない密度で襲いかかってくる。ファミリー向けと言うかむしろ親世代の脳内フェス。
しかしテンション任せだけの映画では決してない。
ケイティの内面とグラフィックアート調の映像演出が緻密にリンクする演出は、青春映画の切り口として独創性抜群。ノリでごまかしてるようでストーリーの勢いが本気なのだ。
海外評価は圧倒的な一方、日本ではまったく話題にならず配信の海に沈んだ。
だが是非とも広めたい凄い映画である。
ウルトラマンライジング

制作:2024年
監督:シャノン・ティンドル
主演:クリストファー・ショーン、ケイ・ホンダ、ゲディ・ワタナベ
まさかのウルトラ育児
ウルトラマンが赤ん坊怪獣を育てる物語──この時点でツッコミ待ちの構えの一作だ。
しかも本作のウルトラマン、シルエットが妙にキモい。顔が無機質なうえ、肩幅広いのに胴体が虫みたいに細い。いかにも育児に向いてなさそうな造形だ。
だがその違和感こそが、ウルトラマンの再定義を促す。主人公は自身の父との確執を抱えたまま、怪獣の育児を通して“守る”という行為の意味を再発見していくのだ。
戦いと育児が並走する展開は、ギャグに見えて意外と王道。
特撮ファンには賛否あるかもしれないが、単発映画として見れば演出も構成もかなり練られておりKA-I-JU-へのこだわりも十分だ。ちゃんとウルトラマンらしく、あの必殺技も出る。
尖ったビジュアルと育児テーマの融合──これは新しいウルトラマンの可能性を示す、アグレッシブな再出発だ。
ニモーナ

制作:2023年
監督:ニック・ブルーノ、トロイ・クアン
主演:クロエ・グレース・モレッツ、リズ・アーメッド
中世の騎士制度とサイバーパンクが同居する世界で、英雄がハメられ突如反逆者にされる。
彼の前に現れるのが、変身能力を持つ破天荒な少女ニモーナ。
社会から拒絶された者同士が手を組み、秩序に風穴を開ける!
自分であることゆえの孤独に、反逆!
あらすじは、いかにも”ポリコレ仕様”な印象だが、実際はテンポと演出で押し切るエンターテイメント全振り映画。
グラフィティ調の色彩と疾走感あるカット割りは、素人目にも計算し尽くされていることが判る。この映像的快楽の前に説教臭さは秒で吹き飛び、気づけば「楽しい!」が圧勝している。
メインキャラが同性愛者というだけで拒否感を示す人にこそ、むしろこの作品の語り方を見てほしい。
わざわざ多様性を叫ばず、生きているキャラたちがただ画面を駆け抜ける。
これは反逆の物語であり、同時に生き方の肯定の物語でもある。

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Netflix好きなら是非みていってね。

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