様々な切り口でNetflixの作品を紹介しているこのブログ、
今回はアニメ作品を「映像美」を主眼に3本厳選しました。
驚異のビジュアルとそれが描き出す圧倒的世界観。
ぜひお楽しみ下さい。

『復讐のレクイエム』、続編ないのかな?
機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム
制作:2024年
監督:エラスマス・ブロスダウ
出演:森なな子、 石毛翔弥、大塚剛央
地球から最も遠い位置にあるスペースコロニー群「サイド3」がジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争をしかけてから11か月が経過した。
地球、ヨーロッパ戦線。ジオン軍の一団は、地球連邦軍から味方基地を奪還するために増援部隊を派遣する。
激戦のすえイリヤ・ソラリ率いるレッド・ウルフ隊の活躍によって基地は奪還される。しかしその晩、基地は連邦陸軍の最新鋭モビルスーツ「ガンダム」の奇襲を受けて壊滅状態となるのだった…。
僕らが求めた戦争映画だ!
とにかくCGが超リアル。
CGアニメはここまで来たかと唸らされる。
登場人物らはいわゆる「不気味の谷」を超えないように、敢えて写実的なタッチは避けてアニメっぽい造形を保っている。
だが巨大ロボット、モビルスーツはどうか。これがもうフォトリアル全振りで「巨大ロボが実際に戦争に投入されたらどうなるか」の存在感を説得力抜群に描き出している。
敵キャラ「ガンダム」の存在も圧倒的。
こちらの攻撃をまったく意に介さずズシンズシンと近づいてきて、ビームサーベル一閃で味方キャラを真っ二つ。その姿はもはやホラー映画の殺人鬼のそれだ。
従来の正義のヒーロー感を捨てたガイコツっぽい造形も印象的で、まさに白い悪魔の名にふさわしい。
戦争の虚しさを描くのに全振りしたストーリーはビターな味わいが強く、近年のガンダムヒット作『水星の魔女』や『ジークアクス』のようなカタルシスには乏しい。
しかしだからこそ戦争映画として見応えがある。その意味ではガンダムミリ知ら勢にもおすすめできる、大人な一本だ。
アーケイン
制作:2021
監督:パスカル・シャルル、アルク・パーキンス
主演:エラ・パーネル、ヘイリー・スタインフェルド、ケヴィン・アレハンドロ
蒸気と歯車が軋む都市ピルトーヴァーと、その地下に広がる陰鬱なスラム街ゾウン。
ゾウンに住む幼い姉妹ヴァイとジンクスは、地下世界の仲間たちと共にピルトーヴァーで小さな盗みを働く。しかしそのことが遠因となり、小さないたずらは街同士の壮絶な抗争へと発展。姉妹は離れ離れになってしまう。
やがて時は流れ、二人はそれぞれ異なる立場で再会の時を迎える。
愛、憎悪、政治、科学─多彩な人物たちの思惑が絡み合い、群像劇として物語は加速していく。
全ての要素が一級品
世界で最もプレイされているゲームの一つ『リーグ・オブ・レジェンド』の映像化作。
しかしゲームのアニメシリーズ化と言うより、むしろ設定を流用した別作品だ。なので原作ミリ知ら勢も安心。
むしろ下手に知ってると主役ジンクスのあまりの痛々しいキャラ改変に心折られるかも。原作では陽気なカオスっ娘なジンクスだが、『アーケイン』ではメンタルギリギリ病みテロリストなのだ。
物語はそのジンクスと実姉ヴァイの愛憎入り乱れる家族ドラマを中心に据えつつ、奥深い世界観を展開させていく。長い歴史を持つゲームだからこその強みが最大限に発揮されている。
なにより凄いのは映像表現のレベルの高さ。「イラストをイラストのまま動かす」というコンセプトに徹底的にこだわり抜いた脅威のビジュアルだ。
噂によれば、このビジュアルを実現するのに天文学的な予算をぶち込み続け、結果「大ヒットしたのに赤字」という惨事を招いたとか…。
だがその甲斐はあったと断言するべき、狂気じみた執念の結晶である。
イマジンドラゴンズやスティングなど超豪華なメンツとタイアップした楽曲も必聴。
群像劇の厚み、キャラの心理描写、そして美術と音楽の暴力的な融合。
どこを切っても濃厚で、最高に贅沢な一作だ。
ラブ、デス&ロボット
制作:2019
監督:いろいろ(デヴィッド・フィンチャーやティム・ミラーら大物も名を連ねる)
主演:いろいろ
血とSFの映像実験室
近未来の戦場でAI兵器が暴走したり、宇宙船の遭難者が異形の存在と遭遇したり、冷蔵庫の奥で文明が興亡を繰り返したり──そんな物語を詰め込みまくった一話完結の短編集。
それが『ラブ、デス&ロボット』だ。
舞台は地球から外宇宙、果ては人間の脳内まで縦横無尽。
登場人物も兵士、宇宙飛行士、ロボット、吸血鬼、そして時には人間ですらない何か。ホラーは容赦なく人体破壊、コメディでは宇宙規模の下ネタ、SFでは哲学が爆発。
とにかく、何から何までフリーダム過ぎる。
特に第1シーズンは悪ノリと職人芸の境界線上を爆走するような勢いが最高。
シリーズが進むにつれ内省的な作風も増えたが、それはそれで熟成の証。デヴィッド・フィンチャーらビックネームもしれっとエピソード監督してるし。
アニメーションという表現形式の可能性を、愛と死とロボットという三つ巴でぶん回した祝祭。短編ゆえの密度と、作り手の遊び心が同居する尖った逸品である。
と言う訳で映像美アニメ3選でした。
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