2020年、コロナ禍が世界を覆い、外出もイベントも自粛の嵐。
そんな中でもNetflixは粛々と作品を配信し、空前の”巣ごもりブーム”をプロデュースしました。
今回はそんな激動の2020年に配信されたNetflixオリジナル作品の中から、当ブログ厳選のTOP5をご紹介します。
🥇1位 クイーンズギャンビット(ドラマシリーズ)

制作:2020年
監督:スコット・フランク
主演:アニャ・テイラー・ジョイ、トーマス・ブロディ=サングスター、ハリー・メリング
1960年代アメリカ。
孤児院育ちの少女ベスは情緒不安定かつ薬物依存。そして天才的なチェスの才能を有していた。
舞台は冷戦下の国際舞台へと広がり、盤上の戦いが彼女の内面とリンクしていく…。
チェス未経験者歓迎!
対局シーンはもはや心理戦のアクション映画。チェスのルールはよく知らないけど、スリリングさだけはビリビリと伝わる。本作をきっかけにチェス始めたって人が爆増したのも頷けるクールさだ。
当時ブレイク前夜だったアニャ・テイラー・ジョイの眼光が鋭い。盤面よりも視聴者のハートにチェックメイト。可愛すぎるしカッコよすぎる。
女性賛歌を掲げつつ、説教臭さやポリコレの押し付けは皆無。
キャラと物語の魅力が問答無用でその価値を証明する、パワー溢れる一作。文句なしの2020年ベスト。
🥈2位 ザ・ファイブ・ブラッズ(映画)

制作:2020年
監督:スパイク・リー
主演:デルロイ・リンドー、ジョナサン・メジャース、チャドウィック・ボーズマン
ベトナム戦争で戦った黒人兵士たちが、数十年後に戦友の遺骨と埋蔵金を探しに現地へ戻る。
それと並行し、過酷な戦場だったベトナム戦争最前線の回想が綴られていく…。
黒人視点で紐解く血まみれ近代史
黒人の老兵士が主人公…ってことでありがちな「黒人=被害者」テンプレかと思いきや、社会派映画の巨匠スパイク・リーはそんな安直なアイデアを一蹴。
政府も軍も歴史も、誰もが加害者であり被害者であるというテーマには恐れ入った。
その中でティチャラ陛下ことチャドウィック・ボーズマンが、神話的存在感で物語を超越するのがズルい。あの気高さと圧倒的な「人として正しい」オーラは、彼にしか出せなかっただろう。
あとジャン・レノの変わり果てた姿も衝撃的。
戦争映画であり、歴史ものであり、濃厚な人間ドラマでもある。
ボーズマンが本当に早世し、トランプは二期目に突入。その点で予言書みたいな映画になってしまったが、だからこそ今こそ見直すべき一作。
🥉3位 オクトパスの神秘 海の賢者は語る(映画)

制作:2020年
監督:クレイグ・フォスター
主演:クレイグ・フォスター、タコ(無名だが圧倒的)
タコ礼賛!
南アフリカの海中に潜る男が、毎日同じタコに会いに行くドキュメンタリー。
ある日タコが人間に心を開き、奇妙な友情が芽生える。物語は一年間の観察記録を軸に、自然との対話を描く。
「タコと友情ww?キモwww」と侮ってると、タコが岩陰からスッと登場し「あらそう?」とクールに一瞥してくる。
実際なにを考えているかは勿論分からないが、確かな知性を感じることだけは確かだ。
ナショナルジオグラフィックの迫力あふれる自然ドキュメンタリーとは若干異なる切り口の、“海の哲学者”との対話録。
タコを通して見えてくるのは、人間の孤独と自然への畏敬なのだ。
4位 ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから(映画)

制作:2020年
監督:アリス・ウー
主演:リア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・レミール
田舎町の高校で、成績優秀な陰キャ女子エリーが、筋肉童貞ポールのラブレター代筆を引き受ける。ところがその相手は、エリー自身が密かに想いを寄せる美少女アスターだった。
物語は三角関係ならぬ“片想い×代筆×友情”の奇妙なトライアングルを展開させていく。
陰キャ女子と童貞坊やとリア充と
「好きって言えよ!」と叫びたくなる場面の連続なのに、誰も言わない。言えない。言ったら終わるから。
移民、LGBTQ、田舎の閉塞感…。テーマは重めなのに、雰囲気は軽やかで笑いもちゃんとある。文芸映画としての骨格を持ちつつ、実はラブコメの熱いハートをも持った一作。
“恋愛”というより“理解”の物語。誰かを好きになるって、相手を知ることじゃなくて自分を知ることなのかもしれない…そんな感じ。
5位 ミッドナイト・ゴスペル(アニメシリーズ)

制作:2020年
監督:ペンドルトン・ウォード
主演:ダンカン・トラッセル、フィル・ヘンドリー、ジョニー・パイヴォニー
観るドラッグ
異次元ポッドキャスターのクランシーが、壊れかけの宇宙シミュレーターで死にかけの惑星に飛び込み、住人と哲学的対話を繰り広げる変なアニメ。
まず画面がうるさい。脳が処理を諦めるレベルでうるさい。
あげく例の装置なんて形状が完全に18禁。下品下品!
なのに会話は妙に真面目で、死とは何か、存在とは何かなど哲学的なテーマが延々と語られる。
ふざけてるのか真剣なのかほんとに判断不能。だがそんなサイケデリックな雰囲気こそ『ミッドナイト・ゴスペル』の異端の魅力だ。
“観るドラッグ”って見出し付けちゃったけど、実際は“観る瞑想”に近いかも知れない。
わけわからんのに、なぜか感心してしまう。

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Netflix好きなら是非みていってね。


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