2021年、世界はコロナ禍の余波に揺れながらも、少しずつ再起動を始めました。
東京五輪が無観客で開催され、SNSでは“イカゲーム”が世界を席巻。
今回は当ブログ激推しの2021年NetflixオリジナルTOP5をご紹介します。
🥇1位 アーケイン（アニメシリーズ シーズン１）
出典：https://www.themoviedb.org/
制作：2021年
監督：パスカル・シャリエ
主演：ヘイリー・スタインフェルド、エラ・パーネル、ケヴィン・アレクサンダー
映像・脚本、すべてが特濃
魔法と科学が共存する都市ピルトーヴァーと、その地下に広がるスラム・ゾウン。姉妹ヴァイとジンクスは、ある事件をきっかけに引き裂かれ、それぞれ異なる道を歩むことになる。
分断。階級闘争。そして個人の狂気と信念。複数の思惑が入り乱れ物語は加速する。
主人公（の一人）ジンクスはゲーム版の“ヤバかわハーレクイン”から一転、“心の闇を抱えたメンタルギリギリ爆弾娘”と化しており完全に別人。だがその違和感も映像の圧にねじ伏せられ「これはこれで！」と納得させられる。
とにかく映像への凝り具合がアニメという枠組みを超越しており、すべてのシーンが額縁に入れて飾りたいレベル。もはや動く絵画。
イマジンドラゴンズのオープニングが流れた瞬間、脳が「あ、これは特別なやつだ」と切り替わる。
アニメの皮をかぶった、実質ハイファンタジー叙事詩。
キャラの造形も脚本、すべてが濃い。そしてその濃さが中毒性を生む。1位以外あり得ない。
🥈2位 ミッチェル家とマシンの反乱（映画）
出典：https://www.themoviedb.org/
制作：2021年
監督：マイケル・リアンダ、ジェフ・ロウ
主演：アビー・ジェイコブソン、ダニー・マクブライド、マヤ・ルドルフ
90年代ネタ、爆発！
映像クリエイター志望の少女ケイティが、家族と共に最後の“絆旅行”に出かけた矢先、AI企業の暴走によって世界が機械に支配される（冷蔵庫からスマホまで敵！）。一家は人類最後の希望として、成り行きでマシン軍団に立ち向かう羽目に。
ファービー。とにかくファービーですよこの映画。
令和に「我らの怒りを知れ」と叫びながら降臨するその姿は、ノスタルジーと悪夢の完璧な融合。
映像は『スパイダーバース』譲りの多層構造で圧巻。
ギャグは90年代カルチャーを爆撃のように投下して、例のモルスァで笑いがほとばしる。
家族映画×ハイテンションカオス。笑いながら泣ける、そして泣きながら「この絵作り、マジで天才」と唸る。
🥉3位 パワー・オブ・ザ・ドッグ（映画）
出典：https://www.themoviedb.org/
制作：2021年
監督：ジェーン・カンピオン
主演：ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス
エクストリームよめいびり
1920年代モンタナ。
牧場を営む兄弟のもとに、弟の新妻とその息子が転がり込む。粗野で支配的な兄フィルは、彼らに冷たい態度を取り続けるが、その裏には複雑な感情と過去が潜んでいる。
カンバーバッチのネチネチ嫁いびりが芸術の域。言葉の刃よりも沈黙の圧が強い。
男らしさの仮面を被った繊細さ、支配欲と羨望が同居する視線。そのすべてが、乾いた風景と共鳴して不穏な美を生む。
観る者の考察欲を刺激する、これぞ文芸って呼ぶべき重厚な一作。
4位 ハーダー・ゼイ・フォール（映画）
出典：https://www.themoviedb.org/
制作：2021年
監督：ジェームズ・サミュエル
主演：ジョナサン・メジャース、イドリス・エルバ、ザジー・ビーツ
音楽×映像=ブラック西部劇
復讐に燃えるアウトロー、ナット・ラヴが「ギャング狩りギャング」の仲間を集め、宿敵ルーファス・バックと対決する。
西部劇の皮をかぶった音楽PV×スタイリッシュ殺陣の祭典。
銃を抜く前にカメラが踊り、殴る前に色彩が爆発する。痛快さ全振りの演出はもはやゲームのボス戦バトル。
伝統なんて知らん、俺たちは俺たちのやり方で撃つ。
ジャンルの再定義というより、ジャンルへの挑発。「俺が考えた最強の西部劇」の境地だ。
5位 イカゲーム（ドラマシリーズ シーズン１）
出典：https://www.themoviedb.org/
制作：2021年
監督：ファン・ドンヒョク
主演：イ・ジョンジェ、パク・ヘス、チョン・ホヨン
デスゲーム新時代
借金まみれの中年男が謎の招待状に釣られて向かった先は、ジャージ姿の参加者たちが命を賭けて“だるまさんがころんだ”をする異常な世界。参加者たちは賞金目当てに血と涙と倫理観を投げ捨て、失敗即死の「こどもあそび」に挑む！
題材としては“またか”のデスゲームだが、演出のキレと俳優陣の鬼気迫る顔芸が既視感を粉砕してくる。Netflixという土壌でこそ成立したバイオレンス温故知新だ。
特に「ビー玉ゲーム」の回は、感情の摩擦熱で画面が発火寸前。ただのデスゲームで終わらない深さを見せつけた。
血と涙とバズを煮詰めたような、2021年を代表する一作。新しさより「極め方」で勝負してきた姿勢には妙な頼り甲斐を感じる。
2021年のNetflixは、ただイカをバズらせただけではありませんでした。
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