Netflix2023年ベスト――最強と矜持のTOP5

2023年は、ChatGPT旋風やジャニーズ問題が社会の空気を揺らした一年でした。
本記事ではそんな2023年における、当ブログの推すNetflixオリジナル作品TOP5をご紹介します。

🥇1位 ザ・キラー(映画)

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023
監督:デヴィッド・フィンチャー
主演:マイケル・ファスベンダー、ティルダ・スウィントン、アーリス・ハワード

任務に失敗した暗殺者が、自らの雇い主を相手に復讐の旅へ出る。
彼は感情を排し、ルーティンを守り、ただ“仕事”として殺しを遂行していく…。

フィンチャー節炸裂の「殺しの哲学」

よくある殺し屋の復讐映画…と見せかけて実は人間という存在を問う哲学映画

ファスベンダーの無表情と謎モノローグが観る者の思考を侵食する。一見殺しの美学がストイックに描かれるが、その美学は実は矛盾だらけ
プロの殺し屋のくせに、あまりに不完全であまりに人間らしい姿が浮き彫りになる。

なんだこの映画、殺し屋映画なのに地味過ぎ! ジョン・ウィック連れてこい!
…もっともな意見だ。
だがこれは「人間って何?」を突き詰めた映画的体験の極北なのだ。

当代最強のクリエイターであるデヴィッド・フィンチャーが、Netflixと言うフリーダムな土壌で「ぼくの考えた最強の映画」を勝手気ままにぶっ放した―――。そうとしか思えない、あまりにも「らし」過ぎる映画。
こんなの堂々の1位だろ。

 

 

🥈2位 ニモーナ(映画)

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出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023
監督:ニック・ブルーノ、トロイ・クエイン
主演:クロエ・グレース・モレッツ、リズ・アーメッド、ユージン・リー・ヤン

ぬれぎぬを着せられた騎士バリスターは、変身能力を持つ破天荒な少女ニモーナと手を組み真犯人を追う。
ありそうで無かったサイバーパンク中世王国で、大冒険の幕開けだ!

ポリコレアレルギーに鉄槌!

一見ファミリー向けアニメ映画だが、実際は楽しくて深い人間讃歌
主人公(の一人)ニモーナは変身しまくるわ暴れまくるわで、ルールも城壁もぶっ壊しながら「自分であるゆえの孤独」に真正面から突っ込んでいく。

「主役がホモじゃん! キモ! ポリコレ!」
みたいな幼稚な拒否反応を叩き潰すエンタメの鉄槌
多様性とか受容とか、そんな説教くさい言葉を使わずに“それでも生きていい”を描き切った、モンスター映画×魂の救済譚だ。

 

 

🥉3位 終わらない週末(映画)

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023
監督:サム・エスマイル
主演:ジュリア・ロバーツ、マハーシャラ・アリ、イーサン・ホーク

ロングアイランドの別荘にやってきた一家。
楽しい休日を過ごすはずが、原因不明のサイバー不調で文明の恩恵を一気に剥奪される。
最初は「まあ、そのうち元に戻るだろ…」とのんびり構えていた一家だったが、やがて自分たちが世界の終わりに今まさに立ち会っている事に気付いていく…。

新ジャンル「プレ」ポストアプカリプス

人類文明の終焉を描いた映画なのに、隕石もゾンビも出てこない。代わりに出るのは……いや、何も出ない。そこが怖い

原因不明の世界崩壊に右往左往する登場人物たちを眺めながら、観客は“情報のない恐怖”という現代病に感染していく。そんな恐怖の果てでラストシーンに唐突に現れる「救済」のあまりに皮肉なことよ。

ディザスター映画の姿を借りた、現代社会の不安の鏡像。文明崩壊の“前夜”を描いたことで、むしろ終末自体よりも怖い何かが浮かび上がる。
何が起きてるのか結局分からず終いのモヤっとする不快さこそが、この映画の真骨頂だ。

 

 

4位 ブルーアイ・サムライ(アニメシリーズ シーズン1)

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023
監督:ジェーン・ウー
主演:マヤ・アースキン、マシ・オカ、ケネス・ブラナー

17世紀・鎖国下の日本。白人との混血児として生まれた剣士ミズは、差別と迫害の果てに、父かもしれない4人の白人密輸業者を探して旅に出る。自分という呪われた存在をこの世に送り出した落とし前をつけさせるためだ。

その旅に関わっていくことになる、知的にも身体的にもハンディキャップのある料理人、傲慢な剣士、そしてわがままな姫。誰もが自分の宿命に抗いながら、血と誇りを賭けて戦い続ける。

反逆の碧眼サムライ

殺陣のキレがとにかくハンパじゃない。アニメならではの自在さを存分に活かした、新世代のアクション神作画だ。
殺陣もさることながら絵柄の奇抜さ、セリフの重さ、そして物語の繊細さ…すべてが濃い。

ミズの青い瞳が映すのは、ただの復讐ではなく自分自身の存在証明。運命を切り開くってのはこういうことなのだと思い知らされる。
日本での知名度は2ミリくらいだが、埋もれるには惜しすぎる魂の叛逆譚。

 

 

5位 タイラー・レイク -命の奪還-2(映画)

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2023
監督:サム・ハーグレイブ
主演:クリス・ヘムズワース、ゴルシフテ・ファラハニ、イドリス・エルバ

死の淵から生還した元傭兵タイラー・レイクが、今度はギャングの妻子を刑務所から救い出すという無理ゲーに挑む。
仲間とともに潜入した刑務所は、当然のように地獄絵図へと変貌する!

伝説の長回しが帰って来た!

前作で話題をさらった“ワンカット超絶長回し”は、今回でさらに進化。刑務所脱出からカーチェイス、列車バトルまでをまさかの一本撮りでぶち抜く。

ヘムズワースは今回も筋肉ギャグを封印し、無表情で敵を粉砕!
イドリス・エルバやオルガ・キュリレンコといった“出番一瞬の大物”も画面を引き締める。

肉体とカメラの限界に挑む、撮影自体がアクション映画という壮絶メタアクション。
「こんなクソガキもう放っておこうぜ…」と言いたくなるシーンもあるが、正直ストーリーは爆発の合間に一瞬思い出せば十分だ。

  

  

 

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