ディズニー武闘派プリンセス列伝──最強の「待たない女」3選

昔々、お姫様の仕事は王子様のキスを待つことでした──なんて、誰が決めたんだよ!

今やディズニー界隈にも“待たない女”は続々登場。
今回はその中でも恋愛要素ゼロ、バトル偏差値高め、そして自己完結型の最強ヒロイン三選をご紹介します。

ロマンス不要。彼女たちは自分の物語を自分で動かし、時代の空気を鋭く切り裂いていく。
そんな“武闘派プリンセス”たちの魅力、遠慮なくどうぞ。

 

 

ラーヤ 『ラーヤと竜の王国』より

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2021年
監督:ドン・ホール、カルロス・ロペス・エストラーダ
主演:ケリー・マリー・トラン、オークワフィナ

究極の近距離パワー型プリンセス

かつて竜と人が共存していた理想郷クマンドラ。だが、ある日“ドゥーン”なる邪悪な霧が世界を分断し、各部族は疑心暗鬼のままバラバラに。主人公ラーヤは、父の遺志を継ぎ、伝説の竜シスーを探して世界を再び一つにする旅へと出る。剣と信頼と裏切りが交錯するロードムービー型ファンタジーだ。

ラーヤがとにかく血の気が多い
ディズニープリンセス史上初の恋愛要素ゼロの剣豪ヒロインだ。ミュージカル要素までゼロ。
しかも武器がガリアンソードって、誰がそのチョイスにGO出したんだ。

敵に対しても基本「話し合い? それって斬ってからでもできるよね?」というスタンスで、もはや戦闘狂の域。
だがラーヤ、ただのバーサーカーでは終わらない。
終盤に信頼と赦しの物語へと舵を切るあたり、涙腺が不意打ちされる
ラーヤは剣を置いて“信じる”という最も難しい戦いに挑むのだ。

公開時期がコロナと被ってしまったのは不運だったが、内容はまさに埋もれた傑作。
ラーヤの剣さばきは、観る者の心までぶった斬る。

 

 

モアナ 『モアナと伝説の海』

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2016年
監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
主演:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン

親の言うこと聞きませ~ん!

南の島モトゥヌイ。
海に選ばれた少女モアナは、部族の掟を無視して大海原へと漕ぎ出す。
目的は、かつて神の心を盗んだ半神マウイを見つけ、世界の崩壊を食い止めること。
「親の言うことを聞かない娘 vs 村の伝統」という構図で始まり、やがて物語は「自分とは何者か」という問いに向かう。

ラーヤほどの剣さばきはないが、ガンコさでは互角。そしてやはり恋愛要素無し。
ココナッツ装甲の海賊団に突っ込むあたりは、もはや南洋版マッドマックス
溶岩怪獣との対峙では武器なしでメンタルだけで殴り合うという、ある意味最も危険な戦法を選択するガッツを見せた。

そしてあの主題歌、「わたしはモーアーナーーー♪」の絶叫。あれはただのエクストリーム自己紹介じゃない。自分の存在を世界に叩きつける、魂の咆哮だ。
「選ばれたから使命を果たす」のではなく、「自分が選ぶから使命になる」。その決意が、モアナをただの“海に選ばれた少女”から、“自分自身を選び取ったヒロイン”へと成長させる。
ディズニーの王道を踏みつつ、しっかりと自分の物語を泳ぎ切った一作。波のCGも泣けるほど美しい。

 

 

エルサ 『アナと雪の女王』より

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2013年
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
主演:イディナ・メンゼル、クリステン・ベル

映画史上最強クラスの氷系能力者

王国アレンデール。戴冠式の日、姉エルサの氷の力が暴走し、国は一瞬で“冬の時代”へ突入。妹アナは姉を追って雪山へ向かい、途中で雪だるまや山男と出会いながら、姉妹の絆を取り戻そうと奮闘する。

よく間違えられるがアナではない。エルサだ
一世を風靡した「ありの~♪」で氷の城を築き、ドレスを変え、髪型まで変える。あれはただの自己解放じゃない。氷系最強プリンセスの覚醒儀式だ。
歌いながら秒で築城する氷パワーは間違いなく映画史上トップ。X-MENのアイスマンがスケートして逃げるレベル。

しかもやっぱり恋愛要素ゼロ。王子様?いらん。エルサは自分の力と向き合い、自分で責任を取る。
二作目ではさらに自分が自分であることの意義を見つけ出し、もはやプリンセスというより北欧の神話的存在に進化した。

ビジュアル勝ち確定の人気ヒロインだが、それ以上に現代のヒロイン像を更新した存在としてエルサは記憶に残る。
氷の力は呪いではなく、選択の象徴。
彼女が築いた氷の城は、孤独の象徴ではなく『自分を貫く意志』の形なのだ

 

 

ディズニー最強ヒロイン列伝でした。
当ブログではディズニープラスで見るべき名作・傑作を独自の視点で解説中。
良ければ他記事もどうぞ!

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