
DC映画が目当てだと、U-NEXTしか選択肢が無いんだよね。
次世代DCの狼煙を上げたのは、「負け犬が力を合わせて大逆転」映画作らせたら三国無双のジェームズ・ガン。
その手による『スーパーマン』は、もはや傑作という言葉が安く感じるほどの一撃でした。
そこでDC映画に興味を持った方へ、今回はU-NEXTで観られるおすすめ3作品をご紹介します。痛快でちょっと苦め。DCならではの世界をぜひ味わってみてください。
ちなみに、日本でDC映画を観ようとすると、ほぼU-NEXT一択という現実があります。
マーベルがディズニープラスに囲われてるのと同じ構造。悲しき。
ジャスティスリーグ スナイダーカット(映画)
制作:2021
監督:ザック・スナイダー
主演:ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、ガル・ガドット
神話×ヒーロー 旧DCへの鎮魂歌
地球に危機が迫る。
スーパーマンの不在を埋めるべくしバットマンは仲間集めに奔走し、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグらが集結!
4時間。上映時間4時間である。
しかも、ただ長いだけじゃない。スローモーションの洪水、重厚な音楽、そして全員が何かを背負ってる顔。
超重量級である。
ジョス・ウェドン版の軽妙さに「コレジャナーイ」と叫んだスナイダーが、私財を投じて神話路線を再構築した結果、画面のほぼ全てが『荘厳』で構成される前代未聞のヒーロー映画が爆誕した。
フラッシュのアホ面さえも神々の戦いの一部に見えてくる。と言うか実際そう。
そして完結しない。
サーガは途中で途切れ、続編は(大人の事情で)永遠に出ない。
でもそれがいい。未完の神話って、完成された物語よりもずっと記憶に残る。
スナイダーカットは、ヒーロー映画というよりほんと神話に近い。信じる者だけが、4時間の試練を越えて辿り着けるのだ。
クリーチャーコマンドーズ(アニメシリーズ)
制作:2024年
監督:ジェームズ・ガン
主演:フランク・グリロ、デヴィッド・ハーバー、インディラ・ヴァルマ
人外部隊、出撃!
アメリカ政府がこっそり編成したのは、見た目も中身も規格外な『非人間(=メタヒューマン)』たちによる特殊部隊。
死体から作られたブライド、放射能ガイコツのドクター・フォスフォラス、半魚人のニナ、軍用ロボのG.I.ロボット、毛玉の狂犬ウィーゼル、そして彼らを取りまとめる歴戦の軍人リック・フラッグSr.だ。
彼らが王女護衛という名目で送り込まれた異国で、当然のように事態は大炎上!
語り口は安心のジェームズ・ガン節全開。
負け犬たちが罵り合いながらもなぜかチームになっていく様は、まるで『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』の裏面だ。
しかも今回はアニメ。つまり実写では予算が爆散するような連中が、遠慮なく大暴れする姿が楽しめる。まさに脳みそは飛び散るためにあるような世界観で、暴力も性描写も遠慮ゼロ。そうして叩きつけられるように描かれるドラマは非常に人間くさい。いや、人外くさい。
DCUの新章を飾るにしてはあまりに異形で、あまりに痛快。
だがそれこそがガンの真骨頂。ちょっとビターな終わり方も含めて万人受けはしない。だが刺さる人には深く刺さり、そして抜けない。
ピースメイカー(ドラマシリーズ)
制作:2022年
監督:ジェームズ・ガン
主演:ジョン・シナ、ジェニファー・ホランド、フレディ・ストローマ
平和を邪魔する奴は皆殺しだ!
銀ピカヘルメットをかぶった筋肉の塊、ピースメイカーが、スーサイドスクワッドの後日譚として田舎町に舞い降りる。
政府の極秘任務に駆り出された彼は、クセ者揃いのチームと共に地球侵略を目論む“何か”と対峙する羽目に。
『スーサイドスクワッド』のスピンオフで、誰がこんな銀ピカ便器野郎の話を求めてるんだ誰得だろ!ハーレクインを連れてこい!…そう思っていた時期が私にもありました。
これが意外と沁みるのです。
銀ピカ便器野郎が、ただのギャグ要員じゃない。ジョン・シナの演技が筋肉で感情を殴るフェーズから、筋肉で想いを表現するフェーズに進化していて、見てるこっちが「あれ?」と戸惑う。
R-18指定の暴力描写も容赦なし。だがその流血の中に人生の後戻りできなさと、誰かに認められたいという切実さが滲む。ハーレイクインでは描けない『中年の悲哀』がここにはある。
ピースメイカーは誰得どころか「今のDCに必要な毒とユーモアのバランス」だった。
銀ピカ便器野郎、見直したぞ。やっぱりお前じゃないと。
DC映画の魅力は、ただの勧善懲悪では語りきれません。U-NEXTなら、そんな複雑で痛快な作品たちにすぐアクセスできます。気になる方は、他の記事でさらに深い沼をご案内していますので、ぜひそちらもご覧ください。


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