SFホラーの金字塔『エイリアン』の前日譚として登場した『プロメテウス』。
人類の起源を探る壮大な旅路に、AIと人間、創造者と被造物、叡智と愚かさといった哲学的対立軸がこれでもかと盛り込まれた”考えるSF”の傑作だ。
…と言いたいところだが、いざ蓋を開けてみるとこのうち「愚かさ」だけにフィーチャーしまくった内容に啞然とさせられる。
主人公たちが終始「え、今それやる?」を繰り返す、宇宙の珍行動コレクションだ。
今回はそんな”プロメテウス式ズッコケ行動”を厳選してお届けしたい。
マスク即脱ぎ部隊:ホロウェイと乗組員一同
異星を探検して「大気組成が地球と同じだ!」と喜ぶのはまだ分かる。
だが「地球よりクリーンだ!」と根拠ゼロ断言からの、宇宙服脱ぎ捨て深呼吸。これはどうなの。
感染症対策は?
微粒子とかウイルスとか、誰も気にしないの?
「マスク取ってスッキリ顔」でドヤる乗組員たちの姿に観客は困惑するしかない。
そして数人が未知の何かに感染してモンスター化。
おいやっぱりダメじゃん!
コロナ禍を経た今だからこそ「マスク外すな」の教訓が身に沁みる。
へびフレンドリー:ミルバーン(生物学者)
未知の惑星で遭遇したヘビ型エイリアンに、なぜかテンション爆上げのミルバーン。
「おいで〜」「いい子だね〜」と、まるでペットショップの店員ばりのフレンドリー対応を披露する。
どう考えても死亡フラグだが案の定、直後に締め上げ→骨折→体内侵入という即死コンボを食らって退場。
IQ迷子のまま宇宙に放たれたこの男が”人類代表の生物学者”という事実に、2090年代の教育制度が心配になる。
直進ドーナツ圧死:シャーリーズ・セロン
クライマックスで墜落する巨大ドーナツ型宇宙船。
地面に激突しゴロゴロ横転してくる。
その迫る巨体に対しシャーリーズ・セロンは、なぜかドーナツの進行方向に直進逃走。
横に避ければいいのに、ひたすら前へ前へ。
何か考えがあるのかと思ったら何のひねりもなく圧死。え、ほんとになんで横に逃げなかったの?
次点:「愚かさ」の博覧会
他にも『プロメテウス』には観客の「えー…」を誘う珍シーンが満載。
・質問しただけで異星人に張り倒されるジジイ(会社の偉い人)
・ヤケにエロい触手責めに遭う白塗り大男
・地図作成担当が真っ先に遭難して死亡(地図とは?)
だが不思議なことに、これらのズッコケが積み重なることで
「人類の愚かさこそが最大のホラー」という、妙に納得できる着地点にたどり着く。
珍作でもそれなりに貫禄をもって成立させるところがリドリー爺の巨匠たる所以なのかも知れない(遠い目)。

ブログ主がエイリアン愛をぶちまけてるわ。
めんどくさい奴ね。

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