『エイリアン:アース』第4話感想 箸休め回だが不穏さみなぎる

ひつじ、かわいそう。

出典:https://www.themoviedb.org/

水面下に潜む不穏の爆弾

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全8話構成なら第4話で一息つくのが定石──なので案の定、今回は箸休め回だった。
急展開はない。しかし状況が整理され、登場人物たちの“ヤバさ”が輪郭を持ち始めた。

スライトリーはモローの策略により徐々に倫理の境界線を踏み越える。
ニブスは死への恐怖から自己同一性の崩壊を始める。
そしてウェンディはゼノモーフとの精神的合体をさらに進め、その距離を縮めていく。

既に複数方面で事態は制御不能の域に突入中。
物語は大きな展開を控えつつ、登場人物の内面と関係性がじわじわと煮詰まっていく。

 

二人の「アイザック」

小ネタとしては「アイザック」二連発が秀逸だ。
伝説的SF作家のアイザック・アシモフと、近代物理学の祖であるアイザック・ニュートン。
『SFの魔法』と『科学』の象徴を並べて「その狭間にある物語」を浮かび上がらせるウィット。こういう小技、嫌いじゃないぜ。

 

 

さらに揺らぐ人間の定義

『病気の子供Aが死ぬ→記憶や個性を受け継いだ機械Bが生まれる』
この構造においてAとBは同一なのか違う存在なのかは『エイリアン:アース』の哲学的側面を貫く縦軸だ。
そして今回はかなり直接的にこの問題が掘り下げられた。

 

ハーミットの“同一視”という逃避

ハーミットが妹マーシーとウェンディを重ねる描写は、単なる兄妹愛ではなく自己弁護に近い。死に瀕する妹に向き合えず軍務に逃げた過去──その罪悪感を、ウェンディという“代替存在”に投影することで帳消しにしようとしている。

だがウェンディはマーシーではない。
記憶も性格も同じだが「違う存在」であることはハーミットだって重々承知。それでも「あれは妹だ」と言い張るハーミットの姿は哀しくもあり、同時に人間らしさの極致でもある。

ハーミットには幸せになって貰いたい…だってスゲーいい奴だろこいつ。
でも毎回死亡フラグ最前線なアニキは、今回も「ゼノの犠牲者」を求めるスライトリーの熱い視線に晒されるのだった。

 

カヴァリエの“約束”という支配

一方でウェンディが、そんな兄への便宜を図るためカヴァリエに取引を持ち掛け「約束よ」と小指を立てるシーン。
普通なら指を絡めるところを、カヴァリエはその指を握る

この微細なジェスチャーが、彼の支配欲と人間否定を見事に象徴している。「約束は守るが、それは俺のルールでな」というメッセージだ。ウェンディを“人間”として扱う気なんかさらさら無い。この姿はハーミットとは真逆の像を結ぶ。

カヴァリエの鼻持ちならないクソガキっぷりが今後どう暴走するか。楽しみでもあり、恐怖でもある。

 

 

もはや一触即発

今回は物語のバネを縮める“静の回”──だがその分、不穏要素が整理され爆発寸前の地雷原が完成した。

ウェンディはゼノとの融合を進め「チェストバスターをヨシヨシする」というシリーズの定石を地平線の彼方に吹き飛ばすウルトラCを断行。

スライトリーは倫理を放棄し、ハーミットはフェイスハガーの生贄候補に。

カーシュは“父親ポジション”から徐々に“観察者”へと変貌。果たしてデヴィッドのような「人間の言うこと聞くのやーめた」モードに移行するのか…。スライトリーのヤバさを知ってて止めないのも既に不穏。

そしてニブスは、もはや「人間かどうか」以前に「殺すかどうか」のフェーズに突入。人間の定義を脅かし得る点で、ある意味ゼノモーフより危険な存在になりつつある。

話数構成的には次回も“バネ縮め回”かもしれないが、もはや誰が爆発してもおかしくない。固唾を飲んで見守るしかない。

 

 

ブログ主の中でエイリアン愛が暴走中よ。

こっちも良かったら見て行って。

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