通勤中でも家事中でも、本の世界に浸れるのがオーディブルの魅力。
本屋で「ぶ厚い…」と尻込みする大作も耳ならすっと入れるし、定額だから普段読まないジャンルにも挑戦できる。
耳から届く物語は、日常のすき間時間を小さな読書空間に変えてくれます。
今回紹介するのはSFというジャンルの歴史的転換点にもなった傑作『三体』です。

長いけど没頭させられるわ。
あらすじ
制作:2006年(中国初版)
著者:リュウ・ジキン
物語の幕開けは、文化大革命の嵐が吹き荒れる中国。
科学者イエ・ウェンジエは、父を公開処刑されるというトラウマを背負いながら軍の極秘プロジェクト「紅岸基地」に配属される。
ここで彼女は、地球外知的生命体との通信に成功してしまう。そう、成功して「しまう」のだ。
人類の叡智が宇宙に届いた瞬間、返ってきたのは「来訪者」の返答。しかもその文明がかなり一筋縄ではいかない連中だった。
時は流れ、現代。
ナノ材料の研究者ワン・ミャオは、物理法則が崩壊するという奇怪な現象に巻き込まれる。
彼の周囲では科学者たちが次々と自殺し、謎のVRゲーム「三体」が彼を導く。
現実とゲーム世界が交錯するなか、謎の地球外文明による地球侵略計画が徐々に明らかになっていく。
すべてを変えた超絶ヒット作
『三体』は、SFというジャンルの限界突破を地で行く作品だ。
文化大革命という国家的トラウマを起点に、地球外文明とのファーストコンタクト、そして全宇宙規模の知的戦争へと展開していく。
最初は「物理法則が崩れる?なんかヤバそう」程度だったのが、気づけば宇宙の終焉に関わる話になっている。読者の脳内も三体問題のカオスに突入だ。
本作最大の魅力は科学的リアリズムと哲学的絶望の絶妙なブレンドだ。
三体人は地球人より進んだ文明を持ちながら、母星の不安定な環境に苦しみ続けている。その合理主義は冷酷でありながら、どこか哀愁を帯びる。
一方で地球側も「そもそも人類は救われるべきか?」という問いに直面し、科学者たちが精神的に追い詰められていく。
三部作のなかで、個人的には二部作目『黒暗森林』が至高。
ロマンティックで壮大で、サイバーパンクの香りを漂わせつつ一昔前のセカイ系のような切なさもある。
人類防衛戦略が究極のシニシズムに行き着くあたり、この作品の中では絶望すらエンタメに昇華されてしまう。つまり、最強。
オーディブルでこそ体験してほしい
『三体』は映像化も進んでいるが、複雑な権利関係をめぐりNetflix版とテンセント版が同時進行という珍事が発生している。
しかもどちらも原作と微妙に違う。文化大革命の描写が薄まっていたり、舞台が変わっていたり。つまり、原作の「人類の罪と知性の限界」というテーマがぼやけてしまうのだ。
なので映像化作品の話はまあ、ここではやめておきたい。
代わりに推したいのがオーディブル版のイケてる点だ。
紙媒体で三部作全5冊を揃えると、ハードカバーなら一万円超え。財布が三体崩壊を起こすうえ、本棚のスペースも侵略される。
しかしオーディブルなら月額1500円。無料体験を使えばさらにお得だ。
心理的ハードルが低いのもグッド。
紙媒体の三体は電話帳サイズで、見た瞬間に「これは無理」となる人も多いだろう(私もそう)。
だがオーディブルなら通勤中でも洗濯物を干しながらでも、三体人の陰謀に浸れる。
ナレーションでの科学用語もすっと耳に入り、登場人物の感情も声色で伝わる。紙では味わえない没入感がある。
結論として、私は『三体』三部作はオーディブルでの体験を強く推す。
耳から始まる宇宙規模の物語。これは是非おすすめだ。

オーディブルまだ使ってない人はラッキーね。
初回無料だから。
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