『エイリアン:アース』第6話感想 とうとう犠牲者が…!物語は大詰めへ 

『エイリアン:アース』第6話感想です。

ゼノ、『4』の時みたいに自分の血で壁を溶かせば脱出できるんじゃない?

 

出典:https://www.themoviedb.org/

結末に向かってエンジン始動

今週のあらすじ

『エイリアン:アース』第5話感想 エイリアンの管理、テキトー過ぎだろ!突然の前日譚
17日前にさかのぼり、なぜマジノ号が地球に墜落する羽目になったのかを描く前日譚。ホラー要素強めで、1作目『エイリアン』へのオマージュが強い。だが乗組員が全員バカ過ぎてちょっとどうなの!

↑前話の感想はこちら

 

マジノ号墜落の黒幕はカヴァリエだった。
自分で墜落させておいて、被害者ヅラのフルコース。今週も悪役の教科書に載せたいレベルのクソ野郎っぷりだ。足の裏汚いし。

カヴァリエの自作自演を知りつつも、ユタニ社は「標本」を人質に取られ手も足も出ない。
ブチ切れ寸前のユタニは直接攻撃を検討し始める。
この世界では国家の代わりに企業が幅を利かせている…企業同士のケンカはつまり戦争だぜ

一方、深刻な情緒不安定に直面していたニブスは、上層部の「いいこと考えた!都合の悪い記憶は全部消そうぜ!」という決定に基づき無慈悲に記憶消去。一応の危機は去る。

だがこの人権意識ゼロのムーブにウェンディは反発し、プロディジー社との信頼関係はガタガタに。
逆に彼女と成体ゼノモーフとの絆は急速に深まっていく。
そしてまるで「あんな人間よりゼノの方が純粋じゃない?」とでも言いたげな目をし始めるのだった…。

 

 

メンタルがたがたのハイブリッドたち

どこまで行くつもりだウェンディ!

という訳でそのウェンディ。
先週まで「ゼノモーフ飼っていい?」と言い出すのではと冷や汗をかいていたが、むしろその一歩先を行った。ゼノとの意思疎通だ

某ベストセラー『サピエンス全史』でも語られていたが、人間と機械が融合したらそれは両者の特徴を足し算した存在ではなく、全く別の“第三の何か”になるという。
ウェンディはその仮説をゼノモーフ相手に実地検証中だ。

問題はこの“第三の何か”が、シリーズの長年の禁忌である「ゼノとの対話」に踏み込んでいること。
これまでのシリーズが築き上げた「ゼノは理解不能」という暗黙のルールを、ウェンディは軽やかに踏み越えていく。

現状それが良い結果を生む兆しはない。むしろゼノの“純粋さ”に惹かれるウェンディの姿は、観客に「おいおい、そっち側かYO」と言わせる危うさを孕んでいる。

この展開、もしや“人間の敵は人間”という古典的真理をゼノモーフを媒介に再提示するつもりかも知れない。
だとしたら、ウェンディはその象徴的存在になるだろう。

 

大人になるってのは大変なんだよ!

カヴァリエはこれまで、ハイブリッドに移植する意識を子供に限定してきた。
理由は「成長の伸びしろ」と「柔軟な発想力」を維持するためだ。だが今週、その副作用が一気に噴出した。

スライトリーは警戒心ゼロでいいように操られる。
ニブスはアイデンティティがガタガタで自己崩壊。
トゥートルズは自己評価だけが文字通り死ぬほど高い。
カーリーは対抗心の塊。
スミーは…まあバカ。
そしてウェンディは人類超越(?)の領域へ。

ウェンディ以外全員、大人への経験値をすっ飛ばした弊害でみなぎっている。

 

第1話でウェンディが「走るとオッパイが揺れて困る」と言っていたシーンがあった。
ウェンディの意識の元となった少女マーシーは第二次性徴前で、突然成熟した肉体に放り込まれた違和感を一言で表していたシーンだ。あの時は笑える小ネタだったが、今や深刻なテーマの伏線だ

人間の成長は肉体と心の双方向的作用で進む。だがハイブリッドは成長しない。大人たちの都合で“大人になったことにされた”存在だ。
これは逆に『永遠に子ども』という呪いに等しい

この危うさを理解していたのは開発主任アーサーだけだ。
しかし企業は彼を冷遇し続け、今回ついにクビ。

残ったデイムはニブスの抱える問題に向き合うことなく「無かったこと」にして問題解決したつもりに。現実の親にもありがちな、子供のメンタル問題を先送りにして壊滅的な結果を招く奴である。

そうして物語は、子供のままの心を持つ時限爆弾たちが暴走する未来へと加速していく。

 

 

終わりの始まり

血の雨が降る準備は整った。

ホラー映画で真っ先に死ぬのはいちゃつくカップルだが、その次に死ぬのは人が好い奴と相場が決まっている。
バカップル枠が無い本作では、トゥートルズとアーサーが最初の犠牲者枠に適任だったもよう。実にピッタリと収まった。
二人とも「エイリアンシリーズに登場する科学者」のお約束的なポンコツっぷりを存分に発揮した最期でした…。六つの学位が泣いているぜ。

そしてその一部始終を監視カメラ越しに見ていたカーシュは、誰にも報告せず「あ、問題ないっす」みたいな顔。
スライトリーの裏切りを知りながら放置してきた過去もあり、彼がカヴァリエの味方でないことは確定だ。

だがユタニ社の手先でもないもよう。
カーシュは、この愚行の行く末を見守る“観察者”であろうとしている。いい奴だと思っていたのにアーサーを見殺しにするあたり、やはりシンセは信用ならない(差別発言)。

次回、血の雨は本降りになるのか、それともゼノモーフが傘を差し出すのか。
どちらにせよもう後戻りはできない。
物語は終わりの始まりに足を踏み入れた。

 

ブログ主のエイリアン愛が爆発みたい。

よかったら見てって。

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