『エイリアン:アース』第7話感想です。
予想通り、いや予想以上の急展開でした。

↑前話感想はこちら。

最近カーリーが影薄い…。
もっとギラついて!対抗心燃やして!
想像以上に血の土砂降り
トゥートルズの死を契機に、ウェンディはハーミットと共に島を脱出する決意を固める。
その隙を作るため、彼女はなんとゼノモーフの檻を開放。施設は阿鼻叫喚の地獄絵図に。
アーサーは誘拐の途中でチェストバスターが腹から飛び出て死亡。
モローはユタニ社の特殊部隊と共にプロディジー社へ突入するが、カーシュの待ち伏せにより拘束されるのだった。
アーサーの貴重な出産シーン
今週の『エイリアン:アース』は血と臓物と倫理崩壊の三拍子が揃った、まさに“地獄のフルコース”だった。
ウェンディがゼノモーフを解き放つという暴挙は、もはや脱出ではなく破滅への片道切符。やっちまった!!という視聴者のOMG感を引き出す。
そしてアーサーの死により、この陰鬱な物語の唯一の良心枠が消失。
死の直前に、スライトリーとスミーへ真心のこもった愛情を示したのが悲劇性をさらに高める。なにもこんな死に方しなくっても…。
全体的に、今週は“誰も報われない”というテーマが貫かれていた。いや、ほんとに誰も。
イカレポンチだらけのプロディジー社
相変わらずのカヴァリエ
トゥートルズ殺害の黒幕が“目玉タコ”だと見抜くカヴァリエ。
そして円周率テストで知能を測るという、理系オタクの文化祭ノリで大興奮する。
しかしあーた。異星生物と数学で通じ合うのはロマンだが、手のひらメモ一枚で10進法を共有できるって、設定のハードル低すぎないか。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』での数学的コミュニケーションの難航っぷりとかと比べると、あまりのスピード感に笑うしかない。
さらに彼は「羊でこの知能なら、人間ならもっとすごいはず」という発想に飛びつきターゲットをハーミットに選定。相変わらずのマッドサイエンティストぶりだ。
ハーミットは常に全方位から狙われてて思わず笑ってしまう。
と言うかカヴァリエ、お前が自分の眼で試せばいいだろ!
カーシュの冷徹過ぎる眼差し
人造人間のカーシュは、今週はこれまでに以上に冷徹だった。
てっきり「裏切りフラグ立ってるな〜」と思ってたらまさかの忠誠心全開。モローの突入をスライトリー経由で読み切り、完璧な待ち伏せを敢行するのだった。
プロディジー社のためにかいがいしく働く姿勢はもはや社畜の鏡。
ただしその待ち伏せの代償として、アーサーとトゥートルズが死亡している。
倫理的には完全アウトだし、費用対効果も悪すぎる。
カーシュの行動は「任務遂行」と言うより「犠牲を出すこと」自体が目的のようにも思える。つまりまだ何か隠してそうな雰囲気。
デヴィッド系の“シンセの反逆哲学”が裏にあるのか、それともただの冷血マシーンなのか。
いずれにせよ今週のカーシュは「人間らしくない存在」として、物語の不気味さを一段階引き上げた。
人間としての外殻が崩壊したウェンディ
完結しようがないだろコレ!?
なんと、あと1話。いやいや、無理でしょこのペース。
この伏線の山をあと50分で片付けるなんて、引っ越し前夜の段ボール詰めより無謀だ。
『エイリアン:アース』はリミテッドシリーズだと思ってたのに「つづく!」で終わる未来しか見えない。
ぷじゃけるなよ!!
とはいえ、物語は確実に山場へ向かっている。
特にウェンディ。彼女は「人間でも機械でもない第3の何か」への進化を遂げつつある。
これは「新人類」への覚醒なのか
ウェンディの見せた変化のうち、特にゼノモーフとの絆が圧巻。もはや意思疎通を超えてヤツを手足のように扱う領域に至っている。「ゼノモーフ飼っていい?」どころではない。
自分たちが助かるためなら施設の職員が何人死のうが、ユタニ社の兵士が何人真っ二つになろうが、ウェンディは眉ひとつ動かさない。これにはハーミットもドン引きだ。
そして自分の墓を見て動揺するニブスに対して、ウェンディは「それは別人だ」と言い放つ。冷静に切り捨てるその姿は、もはや人間の感情を超越している。
「『病気の子供Aが死ぬ→記憶や個性を受け継いだ機械Bが生まれる』さてAとBは同一か?」というこのシリーズのテーマに対し、ウェンディは「同一ではない」とついに明言した形だ。
ウェンディは既に自分を人間とみなしていない。
人間性の喪失、会社への反旗、家族(ハーミット)との決裂。
その全てが同時進行で進む中、彼女はゼノモーフに近い“人間以上”の存在へと歩みを進めている。
ウェンディの顛末があと1話で描き切れるとは到底思えないが、ひとまず最終話の配信を待つしかない。

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