『ピースメイカー シーズン2』第7話感想 平行世界脱出! だが代償は重すぎた…

『ピースメイカー シーズン2』第7話の感想です。

ヴィジランテが今シーズン初めて無双したね。
中身はアレだけど、やっぱカッコイイよねヴィジランテ!

 

今週のあらすじ

出典:TMDB

ピースメイカーは理想郷への移住を決意するが、そこは星条旗とカギ十字が悪魔合体を果たしたレイシストディストピアだった。
彼はハーコートと共に脱出を試みるも暴力の泥沼に突入し、事態は流血の惨劇へ至ってしまう。

一方ジュードーマスターは久々に合流し、プール電撃で暴徒を一掃。
シーズン1から通算してほぼ初めてのちゃんとした戦果を挙げた。

なおレックス・ルーサーは、話の展開的には一話限りで退場のもよう。
ゴミ箱に躓いてそのまま消えたリック・フラッグJrと同じで「豪華なゲストキャラ」扱いだった。もっと暴れてほしかったッス
 

 

行く先々で血の雨が降るピースメイカー

逃げた先に楽園なんか無い

ピースメイカーが「理想郷」に逃げ込んだ時点で、視聴者はすでに「いやそれ絶対地獄の裏口だろ」と心の中でツッコミを入れていたはずだ。
案の定、待っていたのはピースメイカーでさえドン引きするディストピア。ようやく彼は正気に戻る。

ハーコートと二人、バイクで逃げるシーンは泥臭くも美しい。
血と汗にまみれた逃避行の中で、ふと「ハーコートってこんなに近くにいたんだ」と気付く表情を見せる。
失って初めて気付く存在感、あるいは触れ直して再認識する温度感。痛々しくて不格好だが、王道の自己再発見ドラマだ。

 

血の代償──「おかしいのは俺だった」

しかし、自己再発見の代償はあまりに重かった。
ヴィジランテ(しかも二人)やアデバヨが暴れ回った結果、地元警察は殉職者続出。さらに平行世界のオーギーが死に、キースは瀕死。

二度目の家族の死を目の当たりにしたピースメイカーは、ついに悟る。「おかしいのは世界じゃない、俺だった」と。
視聴者的には「いや最初からそうだろ」と突っ込みたくなるが、彼にとっては血の海を泳ぎ切った末の到達点なのだ。
自分が触れる者はみんな不幸になる。あるいは死ぬ。
どうしてこんなに上手くいかないんだ?→全部俺のせいでした。だ。

平行世界に逃げ込んで、その世界の自分をブッ殺して成り替わろうとした男が無罪放免になるはずもない。
だが予想以上に代価が大きく「ここまで何もかも失うのか」と呆然とするほどのビターさだ。

なお平行世界の警察官はフィッツ刑事。
シーズン1であっさり退場した良キャラがまさかの復活。小さなサラプライズだ。
かなりシリアス&ビターな今回エピソードの中で、ほんの一瞬だけ差し込む「ワーイ」だった。

 

 

あと1話しかないぞ!?

罪を背負う男の諦観

本来の次元に戻り、11thストリートキッズの罪を一手に被って逮捕されるピースメイカー。
その眼からは生気が失われ、ただ「もう誰でもいいから俺を罰してくれ」と言わんばかりの諦めが滲む。仲間を庇ったのは確かに友情の証だろうが、それ以上に「もう疲れた」という心情が透けて見える。
徹底的に追い詰められたヒーロー像が痛々しい。

 

最終話前にして最終話

第7話の終わり方は、まるでシーズン2の最終話だった。
ここで「シーズン3に続く!」と出ても違和感はなかっただろう。だが、まだ丸々1話残っている

ここからどうあがいてもピースメイカーの哀れな運命が覆るとは思えない。
だがこれまでもジェームズ・ガンは観客の予想を軽々と凌駕してきた。

リック(父)が量子ゲートをどう扱うのか。
復讐に燃える平行世界のキースがこちらに乗り込んでくるのか。
展開は予想がつかない。

物語は「偽りの救済」ではなく「受け容れること」に向かって収束しつつある。
何にせよ、あと1話。もはや待つしかない。

来週! 早く来週!!

 

 

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