『お嬢さん』あらゆる意味で女性が弱者だった時代…美と知恵ですべてを覆せ!

今回は『お嬢さん』をご紹介します。
個人的にパク・チャヌクの最高傑作。

カタコト日本語の下ネタワードが笑っちゃう。

評価 :5/5。

あらすじ

出典:TMDB

制作:2016年
監督:パク・チャヌク
主演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ

1939年、植民地時代の朝鮮半島。
日本語を話す令嬢ヒデコは、叔父の広大な屋敷で書物に囲まれて暮らしていた。

そこへ新たに雇われたメイド、スッキがやってくる。
だがこのスッキ、実は詐欺師の一味。ヒデコの莫大な財産を狙うために送り込まれた刺客だったのだ。

 

 

エロと策略、騙す騙される

ジャンルは一応サスペンス…ということになるだろうこの映画。
だが実態はエロと変態のだまし絵映画である。

凄惨な復讐ムービーの専門家めいていたパク・チャヌク監督は、今回はその暴力路線を(ある程度)抑えて耽美路線に全振り。
結果、階段の手すりひとつまでもがエロいという異様な世界観が誕生した。

本作の核である「朗読会」は、実は儀式めいた性的パフォーマンス。
ヒデコが読むエロ小説。それを聞く変態紳士。更にそれを見るスッキ。
彼女たちの真意が絶妙に“読めない”。この“読まれること”と“読むこと”の倒錯が、物語の根幹にある。

 

 

パワーあふれる女性賛歌

ときに笑えるほど露骨な性描写も物語の駆動力となっており、単なる“お色気”では終わらない。むしろ性が権力の象徴であり、同時に解放の手段でもあるという二面性がこの映画のテーマだ。
まあそうは言ってもハ・ジョンウがたどたどしい日本語で下ネタワードを述べるシーンは正直笑う。

SNSでたびたび出現しては、アニメっぽい女性イラストに全身全霊で文句つけまくる「自称フェミニスト」の謎勢力。
あの方たちにも是非観て頂きたい、真のフェミニスト映画
美しさと知略が手を組んで迫って来る、手に汗握る傑作である。

 

 

 

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