『アクアマン』ジェームズ・ガンによって「無かったこと」にされたが、完成度はピカイチ

今回は『アクアマン』の紹介です。
『ピースメイカー シーズン2』の歴史改変により現DCユニバースにおいて「無かったこと」にされてしまった不遇の『アクアマン』。通称モモアマン。

不遇でも面白いものは面白い!

評価 :4/5。

あらすじ

出典:TMDB

制作:2018年
監督:ジェームズ・ワン
主演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード

二つの世界の血を引く男アーサー・カリー。
彼は人間の父と海底王国アトランティスの女王の間に生まれた“ハーフ王族”でありながら、普段は田舎の漁港でガハハとビールを煽る日々を送っている。
だがある日、海底世界で勃発した王位争いと地上への侵攻計画に巻き込まれ、彼は否応なく“王としての責務”に目覚めていく。
 

 

スピードアクション×ちょっぴりホラー

本作を撮ったジェームズ・ワンと言えば、『SAW』や『死霊館』で恐怖表現の最前線を開拓し続けてきたホラー映画の巨匠だ。しかし一方で『ワイルドスピード』シリーズを手掛けても、やたらキレのあるアクションが撮れてしまう芸達者。

そんなワン監督が、自分のやりたいことをとことん詰め込んだのがこの『アクアマン』だ。
全編に渡って水中版ワイルドスピードと呼べるほどのスピード感が炸裂。
特に冒頭のニコール・キッドマン無双や、中盤のイタリアでの屋根上チェイスではその自由奔放極まるカメラワークが楽しめる。どうやって撮ったの!?の連続だ。

その一方で後半に登場する深海暗黒領域のホラー味はまさに「ギョッ」とする切れ味。
ワンがそつなく自分の作風を込めており、それは『死霊館』の呪い人形アナベルちゃんが海底に沈むゴミとして一瞬映ることからも見て取れる。

ワン、やりたい放題。
だがそれがいい!

 

 

陽キャ王族、無双!

そして何より、ジェイソン・モモア演じるアーサーの“陽キャ感”が存在感ある。
王族なのに気取らず、豪放磊落。
そのノリは「俺、海のことよく知らんけど、やるしかねえっしょ?」だ。
高潔でもなければ完璧でもない。ただいっちょやるか感だけで突き進む。

この“近所の兄ちゃんが王になっちゃった”感が、DC映画の中でも異彩を放っている。
陽キャ王族ヒーローと言えばマーベル映画のソーが思い出されるが、こちらはソーよりも荘厳さダウン&気さくさアップの路線だ。

アンバー・ハード演じるメラとの掛け合いも、ロマンスというより“海底版バディムービー”の趣があり、軽妙でテンポが良い。
「水」が鍵で開く古代遺跡の扉を、メラが優雅に魔法で開ける。それを見たモモアマンが「おしっこでいいじゃん」←めっちゃ軽蔑の眼差しで見返すメラ。このくだりがツボだった。

 

『ピースメイカー シーズン2』の描写のせいで、ただの「以前の世界観での過去作」ではなく完全に「無かったこと」にされてしまった不遇の作品。
だが気さくな王族が壮大な世界観で戦う神話的ストーリーは今見てもグッド。モモアマンの雄姿は、ガン版スーパーマンが空を駆けるようになっても忘れないでおきたい。

 

 

 

 

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