『ジョン・ウイック』アクション映画の歴史を塗り替えた伝説シリーズの幕開け

今回は今更『ジョン・ウィック』1作目を紹介してみます。

冷静に考えるとあの序盤、いくら不意打ちでもMr.ウィックがチンピラ相手にボコボコにされる訳ないのよね…。

評価 :4/5。

 あらすじ

出典:TMDB

制作:2014年
監督:チャド・スタエルスキ
主演:キアヌ・リーブス、ウィレム・デフォー、マイケル・ニクヴィスト


元殺し屋ジョン・ウィックは、愛する妻を病で亡くし、彼女が遺した一匹の子犬と静かな余生を送っていた。
だがある日、ロシアンマフィアの若造がウィックの愛車を狙って家に押し入り、犬を殺してしまう

ジョンは封印していた殺し屋スキルを解禁。
かつて“ババ・ヤガ”と恐れられた伝説の殺し屋は、マフィア相手に壮絶な報復戦を開始する。

 

現代の「アクション映画」を定義する

誰が考え出したか、カンフー×ガンファイトで「ガンフー」。
この銃と格闘術の融合という厨二病全開のコンセプトが、主演キアヌ・リーブスと監督チャド・スタルスキの手にかかると“美”に昇華される。

銃を撃ちながら「殴る・投げる・関節をキめる」の格闘技。
しかも敵が“撃たれ損”にならないよう胸に一発・頭に一発できっちりとトドメを刺す、殺し屋なりの思いやり精神まで発揮。
リロードの一回一回までもが伝統芸能のような様式美を発揮する。
まるでバレエ。血まみれバレエ

 

 

おもしろ世界観

そしてこの映画、世界観の作り込みが異常に濃い
なにしろ殺し屋専用ホテル「コンチネンタル」が当然のように存在する。なお当ホテル内での殺し屋同士の殺しは厳禁。ルールを破れば即制裁…そんな制約も、いかにも厨二っぽくてステキ。
掃業者も殺し屋専用で、死体の処理は“金貨”で支払う。この金貨がまたどこで鋳造してるのか謎すぎる殺し屋専用コインなのだ。

殺し屋社会がまるで秘密結社のように整然と機能しており非常に楽しい。
観ているうちに「俺も入ろっかな」と思ってしまう。まあ入ったらロクなことにならないけど。
 

 

伝説の始まり

キアヌ・リーブスの演技は感情を直接表現するのではなく、銃を持った瞬間に殺意が溢れるという新しい演技法を確立している。
愛犬を殺された男の怒りを、まさしく物理的に表現している。
当時『マトリックス』以来珍作への出演が続き存在感を希薄化させていたキアヌ、その華麗すぎる復活だ。

総じて『ジョン・ウィック』は、アクション映画の再定義を果たした作品だ。
銃撃戦の美学、殺し屋社会のロジック、そしてキアヌ・リーブスの怒りのガンフー。
どれを取ってもただの復讐劇、あるいは平凡なアクション映画では終わらない。

大好評ゆえにその世界観(ユニバース化)は拡大の一途をたどっており、ドラマ版やスピンオフ『バレリーナ』もリリース。キアヌ自身も正当続編を作る気マンマン
ガンフー自体も進化を続け、続編が出るたびに

ショットガン・フー
うま・フー
本・フー

とバリエーションを増やし続けている。
そんな伝説の始まりとして、今でこそ見返す価値のある大傑作だ。

 

 

 

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