今回は『デス・ウィッシュ』の紹介です。

監督からして「実はホラー」丸出しね。
あらすじ

制作:2018年
監督:イーライ・ロス
主演:ブルース・ウィリス、ヴィンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー
シカゴの救急医療の最前線で活躍する外科医ポール・カージー。彼は患者の命を救うことに人生を捧げていた。
だがある日、強盗に襲われ妻は殺害、娘は重傷を負って昏睡状態に。警察の捜査は進展せず、正義は沈黙したまま。
失意の底でカージーの心に、暗く激しい復讐の炎が灯るのだった…!
残虐監督、往年の名作をリメイクの巻
イーライ・ロスと言えば『ホステル』などの拷問系残虐映画で鳴らした生粋のホラー監督。そんなイーライが往年の復讐アクション『狼よさらば』を手掛けて、ただのアクション映画が出力される訳はないのだった。
これはもう“復讐劇”ではなく“人体解剖ショー”である。
中盤、カージーが悪党を拷問する場面はザ・ホラー映画。
外科医という設定がここで炸裂し「どこをどうすれば一番痛いか」を熟知した手際の良さがマジで怖い。
悪党の悲鳴も、ただの「ぎゃー」では済まない。白目を剥き、泡を吹き、正気を失う。これが医療監修済みの地獄絵図だ。
突き抜けた暴力が痛快さを生む
カージーを演じるブルース・ウィリスは、かつての“ダイ・ハード”のヒロイックさを威勢よく投げ捨て、“静かな怒り”を纏った復讐者に徹する。
セリフは少なめ、表情も硬め。
そしてYoutubeで銃の使い方を学ぶという現代的なアップデート付き。そんなんで大丈夫かと思ったら案の定、撃ち方を間違えて反動で自分が怪我を負う。
YouTube解説で分かった気になる危険性を視聴者に教えてくれる親切設計だ。
旧作『狼よさらば』のリメイクでありながらテイストはかなり異なり、原作の陰鬱さよりもやり過ぎの快感に振り切っている。
だがラストシーンだけはしっかりとオマージュ。そこに“あの頃の洋画劇場”をほのかに感じられる。懐かしさと新しさが血まみれで握手だ。
復讐映画の皮を被ったスプラッタ・アクションの怪作だ。
倫理観は棚に上げ、メスを銃に持ち替えた男が悪党を“治療”していく様はもはやバイオレンス医療ドラマ。
だがその突き抜けた暴力性こそが観客の鬱憤を晴らすカタルシスになっている。
正義が眠るなら、怒りが目を覚ませばいい。

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