『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』トムクルの肉体を脚本化し、シリーズ最高傑作が爆誕

今回は『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の紹介です。

上腕二頭筋リロードは定期的にマネしたくなるよね。

評価 :5/5。

あらすじ 

出典:TMDB

制作:2018年
監督:クリストファー・マッカリー
主演:トム・クルーズ、レベッカ・ファーガソン、ヘンリー・カヴィル

主人公イーサン・ハントが任務に失敗し、危険なテロ組織がプルトニウムを手に入れるという結果に。
CIAはイーサンの単独行動を危険視し、スーパーマン…ではなくてオーガスト・ウォーカーという、上腕二頭筋が異様に発達した監視役をパートナーとして送り込んでくる。
組織と個人が複雑に絡み合い、誰が味方なのか敵なのか判然としない極限のミッションが始まる。

 

 

上腕二頭筋装填!(→でもダメでした)

トム・クルーズが「こんなスタントやりたい」と先に提案し、そのシーンを実際に撮り「さて、どうやって物語と辻帳を合わせるか」と後から捻り出すという、映画史上類を見ない『トムのわくわくスタントチャレンジ会場』と化したシリーズ。その路線を極限まで押し進めたのがこのシリーズ第6弾である。

全編が見せ場と言っても過言ではない。
前作から続投のマッカリー監督+トムクルのタッグは、キレの良いアクションシーンを景気よく連発する。
だが中でも素晴らしいのは、やはり序盤のトイレ格闘シーンだろう。

いつも通り緻密な作戦を立てて実行に移すイーサンだったが、今回は序盤の序盤でいきなり「想定外の強敵」につまづく。
ミッション途中で難なく倒せるはずだった名もなきザコBおじさんに異様に手こずるのだ。

このザコBおじさんの異様なタフネスは、観客のシリーズ定石に対する安心感を一瞬で粉砕する。
「え、ここで!?」という意外性と、トムクルとカヴィルの二人がかりでも敵わないという話の流れをガン無視した異常な強さが、作品に得体の知れない緊張感をもたらすのだ。

さらにカヴィルが、のちにネットミームと化した「上腕二頭筋リロード」を発動するも結局返り討ちにあうという、笑いとシリアスが激突する奇跡の瞬間が拝めるのだからもう最高である。

 

 

トムクルの肉体=脚本

マッカリー監督は、バイク、カーチェイス、スカイダイビング、そしてヘリコプター追跡という、ハリウッドの総合格闘技をイーサンに課す。というよりどんどん好きにやらせる。
トムクルはトムクルで、足を骨折しながらもスタントをこなし続ける。この映画の全てが「どこまでやるんだ、この男は」という観客の驚愕を引き出すためだけに存在している。

だがこの作品の真の魅力は、その肉体的な暴力性だけではない。
過去作の登場人物、特にイーサンの元妻ジュリアを再登場させ、彼の「一人の命と世界の運命、どちらを選ぶか」という根源的なテーマに踏み込む展開は、シリーズの集大成と言っても過言ではない熱量を生み出している。

『ミッション:インポッシブル』と言えば、以前は監督が変わるたびにガラッと雰囲気が変わるのが”味”だった。しかしマッカリー監督の登場で「トム・クルーズの身体」がこのシリーズの唯一の脚本であることが証明された。

過去の因縁を全て燃料に変え、エモーショナルかつハードなミッションを完遂させたその手腕は、素直に最高だと叫ぶしかない。
個人的にシリーズ最高傑作「だった」が、マッカリー&トムクルのタッグが次作『デッド・レコニング』で更に凄いものを出してきたから最高傑作も更新ー。まったくとんでもない二人だぜ。

 

 

 

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