今回は『スターウォーズ:ビジョンズ シーズン3』の感想をお送りします。

観たかったビジョンズが帰ってきた!
再び日本からスターウォーズ

スターウォーズという聖域を日本の腕利きアニメスタジオに放り込んで「好きに暴れて良いよ」と野放しにした実験作。それが『スター・ウォーズ:ビジョンズ』だ。
かなり無茶で見切り発車な企画に当時は思えたが、シーズン1ではその無茶が功を奏し日本アニメの底力が銀河を揺らした。
ところがシーズン2では舞台が海外スタジオに移り、アート性と個性を煮詰めた結果どこか“気取った”香りが出てしまった。
確かに美しい。確かに洗練されている。
でもあの「ぶっ飛び感」が…無い。銀河の果てまで飛んでいきそうな勢いが、どこかで足止めを食らってしまった。
それをディズニーが「あ、コレじゃダメだ」と思った…かどうかは分からないが、再び日本アニメにバトンを投げ寄越したのが今回の『ビジョンズ シーズン3』だ。
期待通り、クレイジーな創造性がカムバック。
コレだよコレ!俺たちの待ち望んだビジョンズが戻ってきた!
と言う訳で今回は、シーズン3で特に印象的だったエピソードを紹介したく。
The Duel:Payback

スターウォーズの原点は時代劇である…と言う有名トリビアに着目し、「じゃあいっそスターウォーズで時代劇をやろうず」と言う逆転の発想に全振りした『The Duel』。
その続編が今回の『Payback』だ。
今回も読めない文字でデカデカとタイトルが表示される謎演出から始まり
「AT-AT賭場」
「虚無僧クローントルーパー」
など、フリーダム過ぎる和風アイデアがほとばしる。
イウォークの異様に高度な技術力も謎かわいい。
これだけだったら「前作でウケた要素をもう一回やっただけ」になってしまうが『Payback』はそこに思想的な要素をぶっ込んで見事に続編としてアップデートされた。
善悪とは何か…と言う、スターウォーズ本編から通底するテーマ。
白黒映画なのにライトセーバーの光だけ鮮やかに色付く映像的演出が、この物語の「善悪」を語る決定的な瞬間に必然として炸裂するアイデアが実に見事だ。
一見するとネタアニメのような装いだが、スターウォーズへの理解と愛情が画面の隅々から滲み出る。
これぞ待ち望んだ“ビジョンズ”だ。
The Ninth Jedi: Child of Hope

『攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS』など硬派な世界観構築に定評のあるProduction I.G。同スタジオは、この『ビジョンズ』にてディズニー側が提示した「お題:短編」を威勢よく無視。「1シリーズ丸ごとやらせてくれなきゃヤダ」とわがまま王者の風格を全開にしてこの『9人目のジェダイ』を生み出した。
本作はその続編だ。
今回も完結させる気ゼロ。
続編と言うより、全13話構成シリーズの第2話か第3話あたりのノリに仕上がっている。
クオリティはさすがの高さなのだが「会話パートはセルアニメ」「戦闘シーンは3Dアニメ」の使い分けが微妙…。若干違和感を感じる印象に。
だが短編であることを放棄した広大な世界観にはやはり見ごたえがある。
ジェダイ狩り組織の存在や、生死不明の残り5人のジェダイ、カーラの成長要素など、今後も話を続ける気マンマン。
どこまで見せてくれるか是非とも注目したい一作だ。

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