『イクサガミ』第3話感想 圧倒的狙撃スキルのカムイコチャ無双!だがこの改変には戸惑う…

『イクサガミ』第3話感想です。

財閥連中が蟲毒ギャンブルし始めて、イカゲームかと思っちゃった。

あらすじ

心を通わせ始めた愁二郎と双葉。
愁二郎は人斬りとしての過去を双葉に語る。そして流派「京八流」がかつて8人の弟子が殺し合うバトルロワイアル流派であったこと、そして自身がその継承戦から逃げ出した過去に思いを馳せる。

一方、大久保利通はデスゲーム主催者への調査を進め、その驚くべき真相に近付くのだった。

 

 

歩み始めたNetflix版独自路線

京八流奥義、ナシ!

出典:https://x.com/NetflixJP

今回明らかになった最大の改変、それは愁二郎の流派「京八流」のシステムが原作とは似て非なるものになっていた点だ。

原作では愁二郎の習得した京八流は、文字通り八つの奥義を持つ神秘的な流派。
その奥義とは360°全方位を見渡す「北辰」とか一時的に全攻撃を無効化する「貧狼」とか、リアリティラインを威勢よくぶっちぎる能力ばかり。そんなちょっと荒唐無稽な要素が、ハードな時代劇にジョジョっぽい能力バトル感を付加してたわけだ。

しかも京八流継承戦は、弟子同士が戦って勝った方が負けた方の奥義を吸収できるというロックマンみたいな設定。残った最後の一人が全奥義習得という、納得しやすいバトロワの必然性があった。

だがNetflix版は「奥義ナシ! 強い奴が勝つ!」というストイック極まりないシステムに簡略化。要するに8人の弟子はそれぞれが強い剣士で、最後に残った1人が「一番強い京八流の継承者」という身も蓋もないシンプルな結論に落ち着いている。

正直この改変には困惑が隠せない。「一時的に超人的なパワーを得る」という分かりやすいフックこそが、原作が持つエンタメの爆発力を担保していた部分ではなかったか。

まあNetflix様が「奥義を吸収してスーパー剣士って、何それ幕末カンフーパンダ?」とでもツッコんだのかもしれないが、結果として物語のテンポと引き換えに一番ロックな要素を切り捨ててしまった感が否めない。

特にラスボス枠たる岡部幻刀斎への対抗策として奥義の組み合わせが重要だった原作終盤を考えると、Netflix版がどうやって絶望的な戦力差を埋めるのかガチで興味津々だ。

 

政治要素もどんどん行くよ!

そしてもう一つの重要ポイントは、大久保利通によるデスゲームの首謀者調査パートが原作から前倒してガシガシ進んでいる点だろう。これはNetflix版『イクサガミ』を単なる血みどろのバトルロワイアルで終わらせない、思想的な奥行きを示す重要な導入だ。

悪趣味な殺戮ゲームに見える「蟲毒」の陰には、明治維新という巨大な政変を背景にした冷徹な政治的陰謀が横たわっている。デスゲームを単なるエンタメとしてでなく、歴史の転換期における「必要悪」と位置づけようとする悪役側の思想構造。これを前面に押し出す意図は明確だ。
大久保利通が影の主人公感出してるので、ぜひとも長生きしてほしい。

 

 

原作テイストに忠実な痛快アクション

切れ味抜群!森チェイス

出典:https://x.com/NetflixJP

奥義の有無はさておき、愁二郎の剣術魂は今回のアクションシーンでも十二分に炸裂していた。
鈴鹿峠の森チェイスはスピード感、カメラワーク、すべてにおいて切れ味抜群。木々の間を落ち葉を舞い上げながら滑走する愁二郎の身のこなしには、原作における自らのスピードを爆速に高める奥義「武曲」のテイストが確かに宿っていた。

また追っ手に背後から放たれた矢を、振り返ることなく横に躱すシーン。あれは奥義「北辰」の全方向視界を改変後のリアルなアクションに巧妙に落とし込んだ…と見えなくもない。制作陣の原作への愛と理解はしっかり息づいている。

 

アイヌカッコイイよアイヌ!

そして、極めつけはカムイコチャ(染谷将太)だ。
あの超絶的な狙撃スキルときたら、これぞ映像化の醍醐味と呼ぶべき非の打ちどころのないクールさだ。

攻撃する意思は無いとのたまうカムイコチャに対し「信用できない」と返す彩八。すかさず早撃ちして、彩八の背後に迫る敵にトドメを刺すあのシーン。
「殺るつもりならとっくに殺ってる。信用しろ」と、無言のまま狙撃の腕で示すカッコよさに震える。

これだよ、これ!
単なる剣戟じゃなくて、理屈を超えた「異能」のカッコよさ!これが見たかったんだ!
染谷将太の圧倒的な存在感も相まって、彼のパートだけまるで別の映画を観ているような感覚に陥る。『ゴールデンカムイ』とも違う…なんかこう、格調高い系映画を。

一方今のところ響陣は胡散臭い握手兄ちゃんなだけで、その真の戦闘スキルはあまり描かれていない。
次エピソードあたりに期待だ。

 

奥義という大ネタを削るという大胆な改変に踏み切ったにもかかわらず、今回は愁二郎の業の深さとアクションのキレ、そして大久保利通の調査パートという政治サスペンスの三層構造を見事に成立させていた。
いよいよNetflix版独自路線を進み始めた本作…ますます期待しかない。

 

次話感想はこちらです。

 

 

Netflixで観る作品を探してるなら、この記事がおすすめよ。

 

 

当ブログの『イクサガミ』まとめはこちらです。

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