怒涛の展開と衝撃のラストで幕を下ろした『ストレンジャー・シングス』ファイナルシーズン前編。
「じゃ、続き1か月後で」
はぁ?1か月も待てるか!!!
と言う訳で今回は興奮冷めやらぬ今こそ、これまでの伏線を振り返って考察してみたい!

思いっきりネタバレしてるので、ファイナルシーズン第4話までご覧になってから読んでください!
絶対ですよ!!
考察① カーリーの再登場は何を意味するか
埋もれキャラ、まさかの復活

シーズン2で「主人公の姉」という黄金のポジションで登場しながら、特に人気が出るでもなく以降は完全に消息不明。そのまま視聴者どころか劇中の登場人物達からもスルーされ続けたカーリーが、ここに来てまさかの復活だ。
「シーズン3~4の数年間はどこで何してたの問題」も、「軍に捕まって対能力者兵器”クリプトナイト”の素体にされてました」という残酷極まりない設定でクリア。ちゃんと物語上の必然性があるところが渋い。
そんなカーリーは、余すところあと4話となったこのストシン・サーガでどんな役割を与えられるのだろうか。
期待高まる「蜘蛛能力」
もともとかつての研究所所長「パパ」の言いなりだったことに屈辱を覚えていたカーリーは、自由を手にしてからはその反骨精神を剥きだしにしてアウトロー街道まっしぐらだった。
そんなカーリーがまた軍に捕まって実験動物扱いを受けたら、さぞや人間不信がブーストされた事だろう。ホッパーとイレブンによって救出されたからと言って、急に仲間キャラになると考えるのは少し躊躇する…。
だが興味深いのは彼女の幻覚能力が、ことごとくヴェクナ御用達の「蜘蛛グロ系」に偏っている点だ。
蜘蛛は裏側世界の象徴であり、ヴェクナの精神世界そのもの。カーリーの幻覚が蜘蛛を突破口にヴェクナの精神領域をハッキングする…とかの可能性は十分あり得る。
埋もれていたカーリーが都合の良い仲間キャラではなく、必然性をもってヴェクナの脅威となる展開なら胸熱だ。
不人気キャラなめんなよ!!
考察② マックスのいる世界は何なのか
主観・時代に囚われない混沌世界

シーズン4で脳死状態に陥ったマックス。
…と見せかけて実は死んではおらず、「記憶世界」に堕ちてそこから出られなくなっていたとシーズン5で判明。言わば生きても死んでもいない状態だ。
そこは多くの人間・多彩な時代の記憶が混然となった世界。
マックス本人はもちろん、なぜか若かりし頃のジョイスやイレブンの記憶まで合体している。そしてなんと、ヴェクナの記憶さえもリンクしている。
なんなんだこの世界は?
表側版の集合無意識=ハイヴマインドなのか?
ヴェクナが恐れる「あの場所」は一体…?
そして極めつけは、常に自信満々&ノリノリの悪役口調で話すヴェクナですら恐れて寄り付かない領域の存在だ。
あの悪役が「ここは怖いからイヤです」と顔に出してしまう時点で、何かとてつもない秘密が潜んでいるのは間違いない。マックスがそこをアジトにしているというのも示唆的だ(ごはんとかどうしてるかは不明)。
この世界から脱出する前に、ぜひともヴェクナが何に怯えているのかを調べてお土産にしてほしい。その恐怖の源泉こそが最終決戦のキーアイテムになることは、もう火を見るよりも明らかである。
考察③ ウィルは何に目覚めたのか
激燃え過ぎる…それしか言葉が見つからない

第4話ラストで、あまりにも衝撃的な覚醒を果たしたウィル。
長年、裏側の世界の集合意識「ハイヴマインド」に接続され続けた背景…。
ロビンの言葉に触発されて自分――すなわち同性愛者であることを親友に隠し、恐怖に支配され続けている弱い自分――を受け入れたこと…。
そして「ウィル」として積み上げてきた全ての美しい思い出たち…。
これらが渾然一体となり、劇中の誰もが…そして視聴者の誰もが予想しなかった超激アツ能力発現に至った。
そのパワーは圧倒的で、デモゴルゴン3体(うち1体は推定3kmくらいの遠距離)を一瞬で絶命させるほど。しかも殺し方が「念力で空中に持ち上げて全身の骨を砕く」というヴェクナのやり口を想起させるもの。ウィルらしくない残忍なフィニッシュムーブが、逆に能力の異質さを際立たせる。
イレブンのアイコニックな「鼻血拭い」をビッ!とキメる姿には魂が震えた。
これほど熱い覚醒シーンがあっただろうか。
個人的には『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスで、キャップがムジョルニアを引き寄せて映画館の観客席が沸いたあの瞬間を思い出した。
この能力の正体は!?
ウィルの能力の詳細は未知数。
だがイレブンの力とは似て非なるものと予想される。
恐らくウィルの力はハイヴマインドへの管理者権限だろう。つまりヴェクナの力の一部を乗っ取った形だ。殺し方がヴェクナに似るのも符合する。
第4話では「もう定時だから帰るわ」くらいのあっさり具合で裏側世界に帰って行ったヴェクナ。その直後にウィルが超厄介な能力を発現させて自分の力の一部をハックされたとあっては、悔しさ倍増に違いない。ざまぁ見ろである。
だがウィルを殺そうと思えばいつでも殺せたのに、そうしてこなかった点は引っかかる。ヴェクナは何らかの素体にするために「精神面でも肉体面でも弱い子供」を意図的に選んで誘拐しており、その第一弾がウィルだったと公言している。
ならばウィルがヴェクナにとって計画に欠かせないファクターである可能性は高い。
「殺さなかった」ではなく「殺したくても殺せない理由があった」→そうこうしているうちにウィル自身がヴェクナにとっても予想外の覚醒を遂げた。
そう言うことではないだろうか。

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コメント
ヴェクナが恐れる洞窟はストシンの劇に登場した、彼が超能力を得るきっかけになった場所だと思います。なんならあの劇自体シーズン5に出てきているようですし…
精神面でも肉体面でも弱い子供、に共通するのは強い想像力(創造)を持つことだと思います。誘拐された彼ら全員何かを「想像、創造」することに長けています。ウィルは上手な絵を描き、ホーリーは絵やネックレス、他の子供たちも同様で、なんなら研究所脱出前にマインドフルネス的な事もしてましたね。ヴェクナは彼らの記憶や想像力で、ウィルが描いたあの三又ドラゴン(デモゴルゴン?)を創造しようとしている、と思います。
ダファー兄弟は何かを創りあげる力に強い信頼、ある意味での盲信をしているようにも見えますね
コメントありがとうございます。
鋭い考察で目から鱗です。「創造性」がターゲットなら、ヴェクナが自力で補えない=わざわざ子供を誘拐してくる必要がある…って事情とも合致しますね。
ただ不勉強で恐縮なのですが、「ストシンの劇」と言うのは何のことでしょう?