Netflixで何を観るか迷っているあなたへ。
今回はただ面白いだけじゃない「観たあとに何かが残る」アニメを3本厳選しました。

『ヴァイオレット~』は全てが尊い。
サイバーパンクエッジランナーズ

制作:2022
監督:今石洋之
主演:KENN、悠木碧
荒廃した未来都市ナイトシティ。
貧困と暴力が日常茶飯事のこの街で、少年デイビッドは母の死をきっかけに違法なサイバーウェアを身にまとい裏社会へと足を踏み入れる。
出会いと別れ、希望と絶望が交錯する中、彼はエッジランナーとして疾走する――命を削りながら。
電子の街で命燃やし尽くす
前半は「若さって無敵!」路線の勢いと熱量。TRIGGER節全開の躍動感あふれるアニメーションが、観る者の脳に直接アドレナリンを注入してくる。
だが後半は楽観的なテンションが急降下。現実が冷や水のように降ってくる雰囲気は、死神が「そろそろ”返して”もらおうか」と静かに迫って来るかのようだ。
このアンハッピーさはTRIGGER「らしくない」と言えば確かにそうだ。だがむしろ、このビターな終着点こそがこのスタジオの新境地と言えるだろう。
美しく燃え尽きる若者たちの姿は痛々しく、そして忘れがたい。ナイトシティの闇にきらめく流星のような青春譚。
デビルマンクライベイビー

制作:2018
監督:湯浅政明
主演:内山昂輝、村瀬歩
泣き虫の少年アキラが、親友リョウの導きで悪魔と融合し“デビルマン”となる。人間と悪魔の抗争が激化する中、彼は暴力と悲劇の渦に飲み込まれていく。
MANGAの頂点をあまりにも大胆に再構築
原作『デビルマン』の骨格はそのままに、湯浅監督は抽象と暴力のアクセルを同時に踏み抜いた。
湯浅作品にありがちな“ゆるふわ抽象美”はここにはない。代わりにあるのは、血と肉と絶望の奔流。ヒロインの顛末に至っては原作ファンでさえ「そこまでやるか」と膝から崩れ落ちるレベル。しかもその後に待っているのは、原作でもやらなかった鬱の向こう側。
もはや映像で殴ってくる文学作品だ。
神も人も否定される世界で、それでも泣きながら走るアキラの姿は観る者の心を容赦なくえぐる。
神話の再構築というより、もう再爆発だ。
ヴァイオレットエヴァーガーデン

制作:2018
監督:イシドウタエ
主演:ユイ・タカハシ、ショウ・キムラ、ミナ・ハヤシ
戦場で殺人兵器として育てられた少女ヴァイオレットが戦後、「自動手記人形」として手紙を代筆する仕事に就く。
感情を知らずに育った彼女は依頼人たちの思いに触れながら、少しずつ「人間」なっていく。
涙腺1000本ノック
「感動させようとしてるのが見え見えだと冷める」なんて言ってる人にこそ是非観て頂きたい一作。
光の粒子、風の揺らぎ、表情の機微――すべてがエモい。そのくせ押しつけがましくないという理想的な映像美が、全話において極限まで丁寧に実践されている。
その美しき映像で綴られる、さらに美しき人間賛歌。これはもう涙腺への物理攻撃だ。
一話ごとに眼から水分を搾り取られるのに、次の話を観ずにはいられない。
それはヴァイオレットが人間に近付いていく物語が、観る者自身の「自分にこんな気持ちがあったなんて…」という感情の再発見にもなっているからだろう。
美しすぎて泣く――そんな体験を提供してくれる名作中の名作。京都アニメーションの集大成にして、日本アニメ史の到達点。

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Netflix好きなら是非みていってね。

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