壮絶な展開で幕を閉じた『フォールアウト シーズン2』。
文明崩壊モノらしいシニカルさと笑いが詰め込まれた良きシリーズでした。
だが散々謎をブチ撒けておいて「シーズン3へ続く!」という強気な姿勢はいかがなものか!?
今回の記事はここらで一発、散らばったキャップを拾い集めるように情報を整理しておこうじゃないか…というコンセプトでお送りします。

盛大にネタバレしてるので注意!
ルーシーは何を選んだのか?
平和を捨てて自由を選ぶ

シーズン2最終話、主人公ルーシーは善良な人格を強制上書きする装置(生首おばちゃん)をバールで粉砕した。
生首おばちゃんは見た目こそグロいが、実際は文明崩壊前の善良さの象徴。それを物理的にブチ壊すことは、Vault-Tec流のお行儀の良いディストピアへの決別に他ならない。それは同時に、ウェイストランドの混沌を持続させる加害者ポジションを引き受けることも意味する。
ルーシーは善良な被害者をやめ、自らの意志で汚れた世界の住人になったのだ。それは最終話ラスト、ハンクに「Vaultには戻らない」と告げるシーンでも明らかである。
最後の”善い人”
ルーシーの選択は本当に正しかったのか…。これはそういう評価軸の話ではない。
この物語は正解を探すピクニックではなく、ルーシーが予測不能なカオス――すなわち人間性そのものを受け容れる通過儀礼なのだ。
彼女は崩壊後の世界で最も希少な資源である“善良さ”を持つ最後の人類。
だからこそ彼女の選択は常に痛みを伴う。シーズン3でも更なる修羅の道が待ち受けていることだろう。
頑張れルーシー!「よし、やるか」の精神だ!
エンクレイヴとは?
悪の秘密結社!
ついに正体を現し始めたエンクレイヴ。ゲーム版ファンなら「またお前らか!」と中指を立てたくなる黒幕だ。
その正体は戦前アメリカ政府の影の支配層。
自分たちだけを純粋な人間と定義し、地上で生き延びた人々を汚物として駆除対象にする選民思想の塊みたいな連中である。
ドラマ版『フォールアウト』の制作陣は、本作がゲーム版と世界観を共有していることを明言している。パラレルワールドではないらしい。
つまりこのエンクレイヴは、毎回プレイヤーにボコられて壊滅してきたもののしぶとく生き残った再編エンクレイヴと見るのべきだろう。しつこさラッドローチ並み…。
本来のエンクレイヴではなくその残党…と考えれば、人類全体に影響力を持つ組織の割には本拠地がイオンモールぐらいのサイズなのも納得ではある。
フェーズ2とは?
ゲーム版ではラスボス枠として登場してプレイヤーに粉砕されるのが伝統行事だが、その目的はどのシリーズでも同じ。自分たち以外の全人類の抹殺と、完璧な管理社会の実現だ。
人類を救う気なんて毛ほどもない。あるのは「ぼくの考えた最強の理想郷」への異常な執着だけ。似た思想のハンクが心酔したのは必然と言える。
そして彼らの“最終段階”がフェーズ2。
世界を再び更地にする目的のロクでもない計画なのは火を見るより明らか…。だがその具体的な内容は一切不明で、それが大変不気味だ。
何回出てきても迷惑極まりない、地獄の暗黒エリート集団である。
リバティ・プライムとは?

空にそびえる黒鉄の城(狂気ver)
ポストクレジットでチラ見せされた巨大ロボ、リバティ・プライム。
見た目はレトロフューチャーなブリキの玩具だが、中身は人類の科学力の粋を結集した歩く最終兵器だ。
ゲーム『フォールアウト3』ではラストバトルで一応味方側として登場したもんだ。
「民主主義バンザイ!」「共産主義者は皆殺し!」と叫びながらレーザーで周囲を焼き尽くすその姿は、アメリカの過剰な愛国心を極限まで煮詰めた狂気の象徴。
あらゆる主義主張がとっくに滅びた荒野で、存在しない敵に向かってギャンギャン吠える鉄巨人…。滑稽を通り越して清々しいまでの地獄絵図だ。
ヤケクソB.O.S.がベガスにブチ込むのか?
B.O.S.はマキシマスのせいで泥沼の内紛状態。
本来リーダーになるはずだった(と本人だけ思ってる)クイントスは、ヤケクソでリバティ・プライムを復活させようとしている。
シーズン3でこの闇堕ちアイアンジャイアントが降臨するのはほぼ確定だ。
巨大ロボが「共産主義者は死ね!」と叫びながら実際には共産主義者でもなんでもない誰かをビームで灰にする光景は、まさにこのシリーズの象徴的な一幕になることだろう。
「この世界は現実じゃない」の意味は?

この世界は人間モルモットの箱庭
ハンクが吐き捨てた「この世界は現実じゃない」という言葉は、実はVR世界でした~!的なオチではもちろんない。
それはウェイストランド全体が、エンクレイヴという神様気取りのエリート共にとっての広大な実験場に過ぎないという冷酷な通告だ。
エンクレイヴと繋がりの深いハンクはそれを知っていた。
だからこそ彼はエンクレイヴの抹殺思想とは違う、実験モルモットが仲良く暮らす理想郷を作ろうとしていたのだろう。ここだけはちょっとハンクに同調できる部分だ。
気に入らない世界は「現実」じゃない
エンクレイヴにとっての「現実」とは、自分たちが設計・制御できる完璧な世界のこと。
それ以外の混沌…たとえば意見が異なる他者は、消去すべきノイズでしかない。だからこそ彼らは、自分たちの理想通りに世界を書き換えるために”フェーズ2″とやらを発動しようとしているのだ。
返す返すも、このフェーズ2が何を意味するのか全く不明なのが怖い…。
それでもこのウェイストランドで生きていく

シーズン2は善良さの意味を問う物語だった。そう総括できそうだ。
- ハンク:善良さを効率よく搾取する技術者
- ルーシー:善良さを自分の意志で選び取った人間
- マキシマス:善良さは空っぽだが、執念だけで突き進む本能野郎
- グール:善良さを捨てて自由を掴んだ存在
ハンクは退場したが、主人公3人の運命はまだ分からない。
ただ当ブログ的に一番注目しているのはマキシマスだ。
毎回後先を考えずにノリで動いているだけなのに、結果的には周囲から良い人扱いされる彼。ここにドラマ版『フォールアウト』の真理が見て取れる。
すなわち「カオスこそが人間性なんだから、マキシマスみたいに場当たり的に生きるのもアリだろ?」という主張だ。
リージョンとNCRの戦争が予感されるラストは、自由を得た人類は真っ先に殺し合いを選ぶという絶望を示している。
だがマキシマスが吐いた「それがウェイストランドだ」というセリフには、救いようのない愚かさを含めて、自分もまたその人類の一員であることを引き受けていく…という微かな希望が宿っている。

長いのに読んでくれてありがとう!
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