『WEAPONS/ウェポンズ』レビュー 午前2時17分に少年少女が一斉失踪…一体何が起きた!?(※ネタバレ無し)

今回は『WEAPONS』のレビューです

顔面破壊の残虐描写が念入りで素敵。

当記事の30秒要約ショートです。

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『WEAPONS/ウェポンズ』あらすじ

出典:TMDB

制作:2025年
監督:ザック・クレッガー
主演:ジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、オールデン・エアエンライク

郊外の町で深夜2時17分、同じクラスに属する17人の子どもが一斉に姿を消す。
クラスの担任教師のジャスティン先生は町中から疑惑の目を向けられる。
納得いかないジャスティンは独自に捜査を開始。しかしそれは更なる恐怖の始まりに過ぎなかった…。

 

 

まず語りたい『バーバリアン』の思い出

出典:https://www.themoviedb.org/

『WEAPONS』を語る前に、監督ザック・クレッガーの前作『バーバリアン』にぜひ触れたい。

採用面接でデトロイトにやって来た若い女性テスが、深夜にネット予約した民泊に到着する。しかしそこにはすでにキースという見知らぬ青年が滞在していた。手違いによるダブルブッキングのようだ。
外は嵐、他に泊まる場所もない。仕方なく一晩限りの同居を決めた二人だが…。

…という導入で始まる『バーバリアン』。

当然、この導入部を観て誰もが
「はいはい、この男が実は殺人鬼で」
「主人公の女性がめくるめく恐怖を味わう」
という展開を予想する。平凡なホラー映画だったらその薄っぺらい予想通りに話が進んでいただろう。

ところが『バーバリアン』はそうはならない。と言うより、物語は全観客の浅はかな予想をブッちぎったおぞましい方向へ爆走する。そこが同作の面白さであり、ある種の知的な悪意を感じさせる部分だ。

これは「ありきたり」への明確な反逆、そして「なんか展開読めちゃったんですけど」勢への明確な中指立てである。ファスト映画を有難がって、ミステリーでさえ「で犯人は?」をすぐ求める現代人の傲慢さへの鉄槌なのだ。
その巧妙かつ精密なミスリーディングの迷宮こそが『バーバリアン』の真髄だった。

そして『WEAPONS』も、その路線を明確に引き継いでいる。
張り巡らされた伏線。
観客の予想を裏切り続けるトリッキーな語り口。
唐突に差し挟まれる謎の笑い要素

クレッガー監督の芸風はすでに完璧なまでに確立している。
そしてネタバレ厳禁映画ゆえ内容を紹介しにくい点までばっちり踏襲。映画ブロガー的には「語りたいのに語れない」というジレンマを抱えさせる、実に罪深い作品だ。

 

 

何も話せねぇ!

出典:TMDB

物語は17人の子どもの失踪から始まる。
主人公は犯人扱いされてるジャスティン先生だ。

観客は「最初から疑われてるなら先生は逆に無罪だろ」と推測する。
そして「いやそう見せかけてやっぱり先生が黒幕かも」と予想を巡らせる。

そんな観客をあざ笑うように、物語の視点は唐突にジャスティン先生から別のキャラクターに移る。そしてさらに別のキャラクターへと主観が次々変わって行き、事件はまったく思いがけない真相に至っていく…。

これ以上言えないのがほんと哀しいところだ。
何せ『WEAPONS』はネタバレ無し…を通り越して予備知識一切ナシで、まっさらな状態で観るのが一番楽しいから。

ただ一つ安心材料として言えるのは、この作品が謎をばらまくだけばらまいて一切回収しない、気取ったアート系ホラーでは全然ないこと(例:『ロングレッグス』あれはあれで良いけど)。

多くの謎や伏線が残りはするが、ちゃんと一本筋の通った”真相”が提示される
観客を翻弄し尽くしたあげく、最後はドヤ顔でオチをつけてくれる。ある種の親切さがそこにはある。

そんなこんなで『WEAPONS/ウェポンズ』は、「何も話せねぇ!」と嘆きつつも「ぜひ自分の目で確かめて!」と胸を張っておすすめできる傑作だ。
展開の妙だけでなく、残虐描写も冴えわたってるのが気が利いている。エンドロールの異様さも印象的(ここもちょっと『ロングレッグス』を想起させるところ)。

恐怖と謎と笑いの交錯、その混沌に身を委ねられる快感をぜひ!

 

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