フォールアウトとは

『フォールアウト』は、核戦争で文明が崩壊した世界のドラマシリーズ。殺伐とした設定なのにどこか陽気さ漂う独特の雰囲気が魅力だ。
同名ゲームが原作だが、踏襲しているのは世界観のみでストーリーは完全オリジナル。新規勢大歓迎の嬉しい仕様だ。
そんな訳で今回は、そんなドラマ版『フォールアウト』に登場する3人の主人公を紹介してみたい!
ルーシー・マクレーン

箱入り娘の純情な感情
文明崩壊後の地下シェルター「Vault 33」で、汚染ゼロの清潔な水と「平和のための教育」だけで育った筋金入りのお嬢様。それが3人の主人公筆頭、ルーシーだ。
「みんなで仲良くすれば、きっと世界は良くなる」―という幼稚園児みたいな甘い理想を真顔で信じている頭ハッピーセット娘。
しかしそんなお嬢も誘拐された父親を追って危険な外界”ウェイストランド”へ。
くじけない『善』

そして案の定、秒で無法地帯の洗礼を受けて酷い目に。裏切られ、重傷を負い、そして自分を守るため殺人まで犯すハメに。
そんなグダグダな無法地帯っぷりに揉まれ「自分の理想は絵空事だった」と痛感するルーシー。
だが彼女は自身の信念を捨てない。そこが彼女の主人公たる所以だ。
自分を散々な目に遭わせてきた仇敵グールを敢えて助け出す、清々しいほどの愚直さ。この純粋でかたくなな信念こそが、殺伐としたウェイストランドに投げかけられる一筋の『善』の光であり、物語のエンジンになっている。
キャスト:エラ・パーネル

『アーミー・オブ・ザ・デッド』の、ワガママ放題の眼デカ娘が記憶に残る。ワガママ過ぎて何人か味方キャラが死ぬが、可愛いので許される。
マキシマス

心豆粒サイズの小悪党
自警組織”B.O.S.”の新米志願兵、マキシマス。
気が弱く、能力的には凡庸。同僚からのイジメに耐える日々だが、その内面ではドス黒い「いつか見返してやる欲」がにえたぎる。
目的のためなら親友を騙して重傷を負わせ、上司の「ナイト」も見殺し。弱いくせに名誉欲だけは天下一品の危険人物だ。
そのまま極悪非道ロードを順調に歩むかと思いきや、ピンチのルーシーを見捨てられず危機に飛び込むという極めて中途半端なイイ奴ムーブもかます。
弱さという『悪』
要するにマキシマスは悪に徹する度胸も、正義を貫く信念も持ち合わせていない、あらゆる意味で「弱い」人間なのだ。己の欲望を満たすためだけに場当たり的な行動を繰り返す、まさに心豆粒サイズ野郎。
だがウェイストランドにおいては、弱さこそが悪徳である。
シーズン1のラストで、彼は成り行きとラッキーで英雄扱いとなる。だがそんな安いメッキは、荒野の風でたやすく剥がれるだろう。
マキシマスの『悪』が、ルーシーの『善』にどう影響するのか。あるいは逆にどう影響されるのか。彼の不安定さが、物語に緊張感を生み出す。
キャスト:アーロン・モーテン
正直初めて見た。知らない俳優。
マキシマスみたいな視聴者から好かれない系キャラを、どうにかこうにか魅力的に演じる見事な綱渡り芸を見せてくれる。
グール / クーパー・ハワード

不老不死の凄腕ガンマン
200年以上を生きる孤高の賞金稼ぎ、グール。
その正体は核戦争前の元ハリウッド俳優、クーパー・ハワードだ。
核被曝により肉体が変容。
不老不死、かつ定期的に薬を飲まないと正気を失ってバケモノと化すというロックな体質に。
どこかに囚われ冷凍睡眠中の家族を探して荒野を旅し続ける姿は、まさにハードボイルド西部劇野郎。
人類皆殺しキャンペーン
戦前に彼が持ちネタとしていた「サムズアップ」のポーズは、「核爆発の雲を親指で測る」という意味を持つVault-tec社の「人類皆殺しキャンペーン」の象徴だった。
自分がその広告塔として利用されていたことを知り愕然とするクーパー。
Vault-tec社への憎悪は、彼がグールと化し200年の時を経た今も一切風化していない。
文明崩壊の『現実』を象徴
戦闘力・精神力、そして倫理観すべてにおいて一般的な人間を超越しているグール。
彼はルーシーの『善』ともマキシマスの『悪』とも異質の、言わば善悪の線引きをブッちぎった場所に立っている。
文明崩壊後という『現実』を背負うキャラと言える。
キャスト:ウォルトン・ゴギンズ

クセ強め子悪党役の常連。
『ジャンゴ 繋がれざる者』、『ヘイトフル・エイト』、『アントマン&ワスプ』とかでそのクセ強っぷりをいかんなく発揮している。
観ようぜ『フォールアウト』

Vaultから出てきた純粋無垢な『善』、劣等感に苛まれる『悪』、そして200年分の苦渋の『現実』。
この三人の歪なトリオがウェイストランドを旅することで、『フォールアウト』は単なるゲーム原作のドラマに留まらない、現代社会の鏡像のようなシニカルな群像劇へと昇華されている。
『ザ・ボーイズ』など暴力度高めのオリジナル企画を次々成功させているAmazonプライムビデオにとって、まさしく新たな顔になり得る看板作品だ。
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