今回は『フォールアウト シーズン2』第7話感想です。

ノーム、どう考えてもさっさと逃げるべきだったでしょ…。
今週のあらすじ

マキシマスとグールは合流し、それぞれ大切な人物に再会するためデスクローの群れを突破する必要に迫られる。
装備を求め一行はいったんニューベガスを離脱するのだった。
一方ルーシーは父ハンクを追い詰めるが、彼の掲げる「人格制御による恒久的な平和」という理想に「ちょっとアリかも…」と倫理観が揺らぐ。
まさかのステファニー

ステファニー。
眼帯&育児放棄の“なんか厭な奴”枠として、これまで視聴者の脳内でずっと「まあモブキャラはどうでもいいや」扱いされてきた彼女が、ここに来て突然重たいバックストーリーを披露。スポットを当てるにしてもまさか過ぎるチョイスのキャラだ。
文明崩壊直前、カナダとアメリカが戦争状態だった。この設定はまあ原作ファン向けの小ネタだと思っていたが…その戦争の火種がステフの人生を地獄に叩き落としていたという事実。
母親をアメリカ人に殺され、その最期の言葉が「あいつらは人間じゃない…アメリカ人よ(だから殺してもノーカン)」。このバイオレンスな遺言をガソリンにして、彼女はアメリカ人に偽装しVaultへ潜入し続けていた──ってわけだ。
その人生の歪み方、悲劇的過ぎる。でもあんまり同情できないのがステフクオリティ。
ついにブチ切れチェット
そしてその流れで、今回最大の笑い(いや、笑っていいのか?)ポイントだったのはチェットの造反シーンだ。
人の赤ちゃん押し付けられて散々逆カッコウ扱いだったチェット。その彼が結婚式という晴れ舞台でついに反旗を翻し、ステフの悪事を暴露!
そして途中までは「ふーん、証拠ないよね」で聴衆にスルーされてたのに「彼女は実はカナダ人なんだ!」の一言で会場がパニックに陥るという、あまりにも偏見フルスロットルな展開。
いやカナダ人嫌われすぎだろ。
アメリカ合衆国なんて物理的に消滅して数百年経ってるのに、残された連中が“本来のアメリカ”を何一つ知らないまま外国人嫌悪だけは一丁前に継承しているという皮肉。
現実でも某大統領がカナダを侮辱する発言を繰り返し両国間のヘイトが燃え上がっている昨今を思うと、フィクションが現実を風刺していたはずなのにいつの間にか現実がフィクションを追い抜いてしまった感すらある。
『キャプテンアメリカ:ブレイブニューワールド』もそうだったが、「こんな世界になったらヤベーよな」という警告としてのフィクションが、公開時には現実の方がもっとヤベー状態になっている──そんな笑えない現象が、ここでもまた起きた。
つまり現実が文明崩壊ルートに寄ってきている。笑えつつも背筋が寒くなるシーンだ…これぞ『フォールアウト』流ブラックユーモア。
ガッツに火がつくマキシマス
ダサカッコイイ!新型パワードスーツ

そして今回の見せ場と言えば、なんと言ってもマキシマスが手に入れたNCR(新カリフォルニア共和国)印のカスタムパワードスーツだろう。
ベガスの住人たちが「NCRが戻ってきた!」と熱狂する姿は、荒廃した世界に残された“希望の残滓”が一瞬だけ光を取り戻したようで胸を打つ。
あんな治安悪そうな人たちにとっても秩序は希望だったんだね…!
Vault-Tec社(というかハンク)によって一方的に虐殺され滅ぼされたNCR。
その亡霊がマキシマスの背中を押し、めぐりめぐって彼がNCR製スーツで戦うことになるというこの“運命の円環”が実にニクい。涙ぐむマキシマスの姿に、こちらも思わず胸が熱くなる。
しかもデスクロー相手に善戦するという、これまでの彼からは想像できない主人公ムーブ。
おいどうした、マキシマス。急に主人公みたいじゃないか。いや主人公だったわ。
ルーシーの覚醒と、あまりにも胸糞な真実
ルーシーも負けていない。
人格制御装置の完成度に一瞬「これで平和になるなら…」と揺らぐものの、ハンクの“相手の信条をくだらないと断じ、自分の都合で人格を上書きする”という暴君ムーブを目の当たりにし正気を取り戻す。
そして中枢ユニットを破壊しようと踏み込んだ先で見たもの──それはPCケースに収まった半導体ではなく、見知らぬおばちゃんの生首だった。
ルーシーは知る由も無いがそのおばちゃん首、文明崩壊前にクーパーが信頼していた善良な政治家の成れの果てだ。
狂人ばっかり出てくるこのドラマにおいて数少ない「まともで利他的な人物」が、死後にまで人格を利用され支配者に都合よく使われていたという胸糞展開。これってつまり「善良な奴ほど支配しやすいよね」というVault-Tec社のご意見の到達点だ。
善意がシステムの一部として使いつぶされるこの構図。地獄にもほどがあるだろウェイストランド。
というわけで、次回はいよいよ最終話。
あと1話で本当に全部片付くのか?という不安はある。というか片付く訳ないのでシーズン3へ続くは必定だが、とりあえず色々決着つけて区切りはつけてほしい!
いずれにせよこの世界の混沌と悪意と希望が、どんな形で収束するのか──その瞬間を見届ける覚悟だけはしっかり整えておきたい。

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