ディズニープラスで「何か面白い映画ないかな…」と探しているあなたへ。
今回は笑って癒されるコメディ映画を3本、厳選してご紹介します。
『チップとデール』のちょっとどうかしてる面白さは是非広めたいわ。
チップとデールの大作戦 レスキューレンジャーズ
制作：2022年
監督：アキバ・シャファー
主演：ジョン・ムレイニー、アンディ・サムバーグ、ウィル・アーネット
1980年代の人気アニメ『チップとデールの大作戦』のその後を描く…という設定の本作。
チップは保険営業マンとして地味に生き延び、デールはCG整形で過去の栄光にすがる日々。そんな二人が旧友の失踪事件をきっかけに、再び”レスキューレンジャーズ”として行動を共にする。
まさかのディズニー版デッドプール
タイトルは『チップとデール』だが、愉快なシマリス二人組が冒険する話ではない。
いや、してるんだけどそれがメインじゃない。これは業界ネタとメタギャグが威勢よく詰め込まれたカオスの極致なのだ。
マーベルをイジり、ピクサーをディスり、しまいには歯並びが完璧すぎてボツになった幻の映画版ソニックまで登場する。
やりたい放題過ぎてもはやディズニー版のデッドプールだ。
ディズニーが自社IPをここまで自虐的に扱うことに驚愕を禁じ得ない。色んなシーンで「これディズニー的にセーフなのか？」と二度見すること請け合い。
とはいえ毒の中にもしっかりとした芯がある。過去の栄光にすがる男たちが、喧嘩しながらも再び手を取り合う姿は切なくそして熱い。王道のバディムービーとして十分に質量がある。
日本ではほぼ話題にならず配信の海にひっそりと沈んだ本作だが、見逃すには惜しすぎる傑作中の傑作。
フリーガイ
制作：2021年
監督：ショーン・レヴィ
主演：ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、タイカ・ワイティティ
銃撃と爆破が日常茶飯事のオンラインゲーム「フリー・シティ」。
その中で”町の住人その12くらい”として生きるガイは、毎日銀行強盗に巻き込まれ、セリフも飲み物も決まりきったルーチンを繰り返すだけのモブキャラだ。
しかしある日プレイヤーの一人との出会いをきっかけに自我を獲得し、ゲームの世界で“善”を貫こうと決意する。
優しさの逆襲
ライアン・レイノルズのギャグセンスは、今回もいつも通りキレッキレ。
ゲームあるあるを散りばめ笑いを回収つつ、しっかりと善とは何かを問いかけてくるテーマの明確さが心地よい。
その一方でアクションも抜かりなし。監督のショーン・レヴィが『リアル・スティール』で培った”リアルとCGの融合芸”をここでも炸裂させ、派手さとストーリーのバランスを絶妙に調節している。
そして何より、今この時代に「人に優しく」がテーマであることが痛快だ。
なんとかファーストな空気が蔓延し、迷惑系だろうがヘイト系だろうが注目浴びた者勝ちみたいなこの現代で、何者でもないモブキャラが世界を変えるという逆張りの美学。
優しさの逆襲を描いた、今こそ必要な映画だ。
SPY/スパイ
制作：2015年
監督：ポール・フェイグ
主演：メリッサ・マッカーシー、ジェイソン・ステイサム、ローズ・バーン
CIAの分析官スーザン・クーパーは、現場に出ることなく優秀なエージェントを陰で支える日々を送っていた。
だがある日、核爆弾の取引をめぐる任務でエージェントが失踪。スーザンは自ら現場に出て、諜報活動の最前線に飛び込むことになる。
世にも珍しいヘタレステイサム
口だけ達者な元エージェント・フォード（ジェイソン・ステイサム）が、ことあるごとに「俺に任せろ」と言いながら何一つ役に立たないという、普段のステイサムの真逆のスパイコメディが展開される。
そのヘタレっぷりはとにかく本気。颯爽と登場してドアノブに裾を引っかけて転んで気絶するステイサムが観られるのは本作だけだ。
マッカーシー演じる”何のとりえもないと思い込んでるおばちゃん”が持ち前の機転で世界を救う展開も、笑いながらもじんわり沁みる。女の友情が熱いぜ。
ちなみにこの映画、日本では劇場公開されずビデオスルーという名の悲しみに突き落とされた。
だがアクションコメディ好きのみならず、ステイサムファンなら絶対に見逃すべきではない。これは完璧な顔と体を持つ男が徹底して笑いに尽くした記念碑的作品なのだ。
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