『トゥルー・ディテクティブ シーズン1』レビュー 深淵を覗く刑事ドラマ【ONLY ON U-NEXT】

実はU-NEXTではDCユニバースやHBO製作の超ハイクオリティなドラマが、他では観られない“独占配信”として展開されています。しかも意外と知られていない。

当ブログはそんな【ONLY ON U-NEXT】作品の中から、語りたくなる一本を紹介しています。

今回は『トゥルー・ディテクティブ シーズン1』。
哲学系ドラマと『セブン』を彷彿とさせる激グロ儀式殺人が合体した名作です。

刑事ドラマの先入観をぶち壊す、すごい一作よ。

 

あらすじ

出典:https://www.themoviedb.org/

制作:2014
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
主演:マシュー・マコノヒー、ウディ・ハレルソン、ミシェル・モナハン

舞台はアメリカ南部の1995年のルイジアナ州。
猟奇的な儀式殺人事件が発生し、刑事のラスト・コフリンとマーティ・ハートがコンビを組んで捜査に当たる。

二人は対照的な性格で、ラストは哲学的で内省的な男、マーティは現実的で家族思いのタイプだ。
事件は一見解決するものの17年後の2012年、似たような殺人が再び起き二人は過去の捜査を振り返る羽目になる。

物語は過去と現在を行き来し、事件の真相が徐々に明らかになっていく。

 

 

異様すぎる刑事バディ

バディもの。それは「最初仲悪かった二人が」「一緒に苦難を乗り越え」「だんだん仲良くなり」「最後は協力プレイでラスボス撃破」という四段階を経る胸熱ジャンルだ(諸説あり)。

『リーサルウェポン』や『バッドボーイズ』など世にバディものは多々あれど、どれが最強のバディなのかと聞かれたら私は即答しよう。この『トゥルーディテクティブ シーズン1』の二人、ラストとマーティだと。

とは言ってもこの二人の関係は、単なる「仲悪い」→「仲良し」のコンボでは説明がつかない。
バディものの定石を期待して観ると見事に裏切られる。ラストとマーティ、とにかく仲が悪すぎるのだ。

というかラストが人間関係を築く気がない。哲学的な独白を繰り返し、煙草を吸いながら虚空を睨む。
マーティはというと家庭崩壊寸前の中年男で、ラストの言動にいちいちキレる。
だが、なぜかこの二人は捜査になると異常に噛み合う。まるで、互いの欠落を補い合うように。

友情でも敵対でもない。信頼とも違う。だが、確かにこの二人は“結びついている”。それは運命か、業か、あるいはもっと得体の知れない何か。バディものの枠を超えた、奇妙な共依存関係がここにはある。
この「一筋縄ではいかない」二人の異様なバディ感こそが本作の真骨頂なのだ。

 

 

キャラ造形が深すぎてまるで深淵

ラストの言葉は極端に虚無的で厭世的。人生は無意味だと、それしか言わない。何かを隠しているような態度も相まり、まるで「この世に生きていない」幽霊のような不確かな存在感だ。だが時折見せる微かな怒りや哀しみが、逆に彼の“人間性”を際立たせる。

マーティはその対極。感情的で家庭に問題を抱えており、浮気もする
だが彼の言動には一貫した“生きる意志”がある。ラストが冷たく虚無を語るなら、マーティは意地でも現実を掴もうとする熱さがある。

この二人が17年にわたって交差し続ける物語は、単なる刑事ドラマではない。
怒涛の最終回ではこの二人の関係が予想もしない方向へ展開し、二人の「バディ」感は極めて印象的な昇華を迎える。単なる刑事ドラマに留まらない異次元の芸術性を持つ傑作
U-NEXT限定配信作の中でも特別おすすめした逸品だ。

 

なお「シーズン1」と銘打ってはいるが『トゥルーディテクティブ』はシーズン毎にまったく違う話でキャストも世界観も総入れ替え。骨太ハードボイルド警察モノという共通点があるだけだ。なので二人の物語はしっかり完結するのでご安心。

なお2025年現在シーズン4まで出ているが、どう考えてもこのシーズン1が頭一つ抜けている。本当に最高なのだ。

 

他にもU-NEXT限定配信の名作を紹介中よ。

よかったらのぞいていって。

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