今回はAmazonプライムビデオで出会える、珠玉のホラー映画3本をご紹介します。
静かな夜に、背筋を這う冷気を感じてみませんか。
※記事内容は2025年11月の配信状況に準拠しています。

怖くて面白くて、かつ一風変わった奴をチョイスしたわ。
カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-

制作:2019
監督:リチャード・スタンリー
主演:ニコラス・ケイジ、ジョエリー・リチャードソン、マデリン・アーサー
ニューイングランドの片田舎。
ガードナー一家は、静かな農場暮らしを求めて古い屋敷に移り住む。
だがある夜、庭先に隕石が落下。そこから放たれる“色”は、目に見えるのに説明できない、形を持たないのに確実に存在する何かだった。
周囲の地形と家族の心身がじわじわと侵されていくなか、理由も目的もわからぬまま侵略は淡々と、しかし確実に進行していく——。
侵略してきたのは「色」でした
一応、宇宙からの侵略者モノではある。
しかし侵略の理由や動機は一切なし。火星人の宣戦布告もなければ、地球防衛軍の出番もない。ただ理解不能な現象が目の前で起き続けるだけだ。
「何が起きているのか」を知ることすらないまま、ガードナー家は絶望の坂道を転げ落ちていく。
そこに主演ニコラス・ケイジの存在感が加わると、恐怖と珍妙さが謎の合体を果たしてカオスが豪加速。
庭で採れた異形のトマトを豪快に丸かじりし「まずーーーい!!」と絶叫しながらゴミ箱にダンクシュートする場面は、観客の脳内に「何を見せられているんだ」という混乱のノイズを刻み込む。
「この世界ってのは、そもそも人間にとって都合よく理解できるモノじゃないんだよ」
そんなシニカルさを毒々しい色彩とグロ描写と、若干の笑いで包む…そんな異色作だ。
アビゲイル

制作:2024
監督:マット・ベティネッリ=オルピン/タイラー・ジレット
主演:メリッサ・バレラ/ダン・スティーヴンス/アリーシャ・ウィアー
郊外の古びた屋敷に、互いに面識のない6人の男女が集められる。
彼らの任務は裏社会の大物の娘アビゲイルを一晩監視すること。計画はシンプル──身代金を受け取るまで、この12歳の少女を安全に“保管”するだけだ。
だが夜が更けるにつれ、仲間が一人、また一人と不可解な死を遂げていく。やがて彼らは悟る。監禁しているはずの少女こそが、この屋敷で最も危険な存在だということを。
誘拐した少女が〇〇だった件
誘拐犯チームが一人ずつ謎の死を遂げていく…というサスペンスフルな前半の展開が面白いのだが、犯人が実は誘拐された少女だということが予告編でもジャケ写でもバレバレなのでもったいない限り。
だがそこをネタバレされても本作の魅力は健在だ。
クズ揃いの誘拐犯チームが、上位捕食者である「少女」にどう立ち向かうか見ごたえ抜群。
なお監督が過去作『レディオアノット』で披露した作風通り、ホラーではあるがかなりコメディ寄り。ぞっとしつつ笑える贅沢仕様だ。
そして『レディオアノット』と同じく、流血描写がすさまじい。痛そうとか残虐とかではなく、ただ一言。爆裂だ。
関心領域

制作:2023
監督:ジョナサン・グレイザー
主演:クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー
1944年、ポーランド。
アウシュビッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスと妻ヘートヴィヒは、収容所と塀一枚隔てた新居で五人の子どもと暮らしている。
庭には花が咲き、温室には果実が実り、客人を招いての食卓は笑い声で満ちる。
夫は職務に励み、妻は庭園を磨き上げる。
屋敷の外の現実は決して画面に映らないまま、日々は続いていく。
ぜひ音量全開で視聴を
殺人鬼なし。宇宙生物なし。幽霊なし。
これは「平和な一家」の日常をただ淡々と描いた日常系映画だ。
「え、何それホラー映画じゃないじゃん」そう思われるのも当然だろう。
だが怖い。
尋常じゃなく怖い。
この平和な家庭の隣、塀一枚隔てた向こうは地獄という表現すら生ぬるい光景が広がっている。
観客はそれを知っているが、画面はそれを映さない。
完璧に整えられた芝生と、鳥のさえずりと、壁の向こうから漂う死の気配。
銃声や叫び声が子どもの笑い声や犬の吠え声と同じ空気の中に混ざり、やがて区別がつかなくなっていく。
『関心領域』は“静かな日常”を装った、極限まで研ぎ澄まされた恐怖映画だ。
ショッキング描写を排し観客の想像力に訴えるホラー演出。その想像はスクリーンの外で、観客の意志を離れて勝手に膨張していく。
この鋭さは究極の域に達しており、同年のアカデミー賞を受賞したのも納得と言う他ない。

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