今回はU-NEXTで観られる、厳選のコメディ映画3本をご紹介します。
ぜひ味わってみてください。
※当記事は2025年現在の配信状況に準拠しています。

『テッド』と『TAG』は、ちょっとシモネタ注意ね。
テッド・ザ・シリーズ(ドラマシリーズ)
制作:2024
監督:セス・マクファーレン
主演:セス・マクファーレン、マックス・バークホルダー、アラナ・ユーバック
仁義なき下ネタ、再び!
1993年かつて一瞬だけ全米のアイドルだった喋るテディベア・テッドは、すっかり時の人から“ただの居候”へと転落。
学校にも行かず家で悪さを重ねるテッドは、ついに16歳のジョンと一緒に高校へ通う羽目になる。
(一部界隈の人たちに)大ヒットを飛ばした『テッド』がドラマシリーズになって帰ってきた!
今度の舞台は90年代。
彼らが「こんなはずじゃなかった」大人になってしまう前の段階が描かれる。そして大人になる前から大概だったと証明しまくる。
ご存じない方にぜひとも注意喚起したいが、本作は下ネタ・麻薬ネタ・差別ネタをバッチバチにぶち込んでくる超オゲレツ作品だ。
カワイイくまちゃんが少年と友情を深め合うほっこりストーリーではない。
ましてやファミリー向けコンテンツではない。
だが延々下ネタを擦るだけの作品ではなく、その毒のある笑いが「現代の前段階」である90年代を辛辣にえぐる。ブラックジョークを笑って済ます事実が、観る側の価値観や無自覚な偏見を鏡のように映す。
知的にオゲレツ。
それが本作の仕掛け人でもありテッドの「中の人」でもある、セス・マクファーレンの流儀だ。
パームスプリングス(映画)
制作:2020
監督:マックス・バーバコウ
主演:アンディ・サムバーグ/クリステン・ミリオティ
明日も今日!永遠に今日!
カリフォルニアの砂漠地帯、パームスプリングス。
新婦の友人として結婚式に参列したサラは、そこでナイルズという好青年と出会う。
だが翌日、彼女はなぜか同じ結婚式の日の朝に戻ってしまう。
ナイルズも同じ運命を背負っていた。二人は「永遠に終わらない一日」という、祝福と悪夢が同居する時間の檻に閉じ込められるのだった。
この手のタイムループ物はたいてい主人公が「どうやって抜け出すか」に血眼になるが、本作のナイルズはすでに悟りの境地。朝からビール片手に浮き輪でプカプカ、もはやループに“定住”している。
そこに巻き込まれたサラの反応がまた痛快で、最初は混乱しつつもやがてループを逆手に取ってやりたい放題。
二人の悪ふざけは結婚式会場を無法地帯に変えていく。
だが笑いの裏で、同じ日を繰り返すことの虚無や逃げられない自分自身との対峙がじわじわと滲み出す。
砂漠の乾いた空気に、哲学的な湿度が差し込む瞬間だ。
『ブルックリン・ナインナイン』で知られるアンディ・サムバーグは、相変わらず画面に出るだけで空気を軽くしてくれる。
サラ役のクリステン・ミリオティは後半、鋭い眼差しと反骨精神で物語を一段深くえぐり込む。
二人の掛け合いはコメディの軽やかさとSFを絶妙にブレンドし、観客を笑わせながらも考え込ませる。
タイムループものにハズレは無いが、本作はそこに新たな1ページを刻んだ秀作だ。
TAG(映画)
制作:2018
監督:ジェフ・トムシック
主演:エド・ヘルムズ/ジェレミー・レナー/ジョン・ハム
これは遊びじゃない、鬼ごっこだ!
幼なじみ5人組は、子供のころから続けてきた「鬼ごっこ」を大人になっても一度も途切れさせずにきた。
葬式でも職場でも病院でも、彼らは鬼ごっこにすべてを懸ける。
ある日、仲間たちは鬼ごっこ無敗の男・ジェリーが結婚を機に引退すると聞きつける。
最後の決着をつけるため、男たちの本気バトルが始まった。
大人になると社会の一員としての責任が重くのしかかる。
家族がいるならそれを守る義務も生じる。
そんな大人のしがらみのなか、かつての友人たちと少しずつ疎遠になっていく。誰もがいずれは通る道だ。
…とでも言うと思ったか!!
本作はそんな大人ぶった「ただつまんない奴になっただけの言い訳」に思い切り中指を立てる。
カメラはスローモーションでジェリーの超人的回避術を描き、結婚式場の廊下で繰り広げられる攻防戦は熾烈を極める。もはやアクション映画としても十分通用する(してしまう)迫力。
しかも彼らは、鬼ごっこのルールは遵守しても社会のルールはぶっちぎる。
潜入、変装、心理戦、果ては病院のベッドまで戦場に早変わりだぜ!大迷惑。
大人げなくなっていいじゃない、それが大人の生きざまよ!
今回の3選が、あなたの一日に小さな光を灯せたなら嬉しいです。
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