今回は『ストレンジャー・シングス』ファイナルシーズン第5話感想です。
マックス、何かって言うとヴェクナにシメられてない？
あらすじ
衝撃的な能力覚醒を果たしたウィル。
その能力は予想通り(?)ヴェクナの能力の一部乗っ取りだった。まあこれまで散々首筋をさすって「奴が…来る！」とアラートを出し続けてきた彼なのだから、ハイヴマインドのパスワードをハッキングするくらい朝飯前だったのかもしれない。
当然、ウィルたちはアグレッシブ＆クリエイティブな発想にたどり着く。
「この能力を活かせばヴェクナを直接攻撃できるんじゃね!?」
かくして一行はデモゴルゴンの死体を用いたハイヴマインドへの強制接続という、ずいぶん荒っぽいカウンタープランを実行へ移すのだった。
一方、ダスティンら若者チームは手がかりを追って「裏側のホーキンス研究所」へ潜入。そこで彼らを待ち受けていたのは、シリーズ史上最もおぞましい禁忌の真実だった。
そんな極限状態でもナンシー、ジョナサン、スティーブの三人は「今それどころじゃないだろ」と言いたくなるバチバチの三角関係祭りを開催。
このおたんちんぶり、若者の鑑だ。
カリ、可哀そうすぎない…！？
生き血抜かれまくり
さて今回のエピソードで最も衝撃的だったのは、シーズン2以来の放置プレイだったカリ…その凄惨な空白期間の答え合わせだろう。
かつてはイレブンの姉貴分としてパンクな逃避行を堪能していた彼女だが、再会した彼女の境遇は予想以上にヘビー。
「これまでどこで何やってたの問題」に対する公式の回答は、「対能力者兵器（クリプトナイト）の素体にされていた」という当ブログの予想アンサーを遥かに超える邪悪さだった。
彼女は何年もかけて、文字通り生き血を抜かれ続けるという物理的拷問を強いられていた。これだけでも十分食欲が失せるが、事態はさらに悪趣味へ。
その抜かれた生き血の用途が、政府が誘拐してきたおびただしい数の臨月妊婦と胎児への注入…つまり「能力者の工業的量産」だったのである。
凄惨すぎて画面には直接出てこないが、実験対象の赤ちゃんがかなりの数で犠牲になった事実に背筋が凍る。
倫理観ブッ壊れケイ博士
かつての黒幕「パパ」ことブレンナー博士は、少なくともイレブンたちに対して「家族の幻想」と愛情を持っていた。それは受ける側にとっては猛毒でしかない毒親ムーブだったが、そこにはまだ人間らしい執着があった。
しかしリンダ・ハミルトン演じるケイ博士には、それすら存在しない。
彼女にあるのは倫理観の底をぶち抜いた冷徹な効率主義だけだ。ターミネーター狩りで鳴らした彼女が、今や最もドス黒い「狩る側」の怪物とは…なんと皮肉なキャスティングだろう。
裏側探検隊-チーム若者-のマイペースぶり
ダスティンVSスティーブ
そして今回もう一つのハイライトは、みんな大好きあのベスト・ブロマンス組の決裂である。
大喧嘩しつつも何とかコンビぶりを取り戻しつつあったダスティンとスティーブだが、ここにきて感情が爆発。
エディが目の前で散った際、自分はただ見ていることしかできなかった——その無力感に苛まれるダスティンと、そんな彼の弱さを容赦なく突いてしまったスティーブ。
二人の取っ組み合いは、もはや理屈ではないフラストレーションの殴り合いだ。
だが考えてもみてほしい。触手だらけ、粘液まみれの異次元空間でポカスカと喧嘩を繰り広げるその姿。
絵面的には「いまそんなことしてる場合じゃないだろ」感極まりないが、この絶望的状況で本気でぶつかり合える相手がいるというのは、それだけで救われる話なのかも知れない。
今は超・険悪な二人だが、この青臭い殴り合いを乗り越えた先に、彼らは「真・マブダチ」として再出発するはずだ。
雨降って地固まる。ただし、降っているのは裏側研究所の「謎の超高熱(?)でドロドロに液状化した建物の一部」だが。
狂犬化が止まらないナンシー
一方で、ダスティンが「ホーキンス研究所こそが裏側世界の発生装置である（かも知れない）」という核心的な事実に辿り着いたというのに、我らが姉御ナンシー・ウィーラーは絶好調に狂犬化していた。
通信機の調子が悪いという理由で忠告を無視し、デリケートそうな装置をショットガンで粉砕しようとするその姿には悪い意味で迷いがない。
ジョナサンに望遠レンズで下着姿を盗撮されていた頃の清楚な女子高生はどこへ行ったのか…。
今やナンシーにとって相手がヴェクナだろうが干し草の山だろうが謎装置だろうが、選択肢が「ショットガンをぶっ放す」に集約されている。一人だけ『死霊のはらわた』の世界から迷い込んできたような頼もしさだ。
ジョナサンも防弾チョッキとかそろそろ着込んだ方がいいのでは…。
Netflixで観る作品を探してるなら、この記事がおすすめよ。
当ブログの『ストレンジャー・シングス』まとめページはこちらです。
コメント