今回は『ストシン』ファイナルシーズン第6話感想です。

ヴェクナに対するマックスの容赦ない罵倒、最高。
あらすじ
精神世界「カマゾッソ」に囚われるのホリーとマックスは、ヴェクナの妨害を退けつつ脱出の糸口を探る。そこで彼の力の源泉たる「原点の記憶」をついに見つけるのだった…。
一方現実世界では、ナンシーの「とりあえず撃とう、撃ってから考えよう」キャンペーンでデリケートな発生装置をブッ叩き世界全体の物理法則が不安定化。
周囲の構造物が溶け出し、ナンシーとジョナサンはコンクリ詰めの危機に瀕する。
ナンシー争奪戦、決着!
大好きだからこそ別れよう

刻一刻と迫る泥状のコンクリート。水位(泥位?)が上がるにつれ逃げ場が失われていく密室内。
この絶望的状況下で二人はついに互いに対して心から素直になり、ファンが長年注視してきた「ナンシー争奪三角関係」にストレンジな終止符が打たれるのだった。
「君を愛してる。でもだからこそ分かるんだ。僕たちはもう一緒にはいられない」
ジョナサンとナンシー、二人の口から同時に吐露されたのは愛の告白であり、同時に決定的な決別宣言だった。
フツーなら「ジョナサンとスティーブ、どっちかがナンシーと交尾して終了」となる所だろう。しかし『ストシン』は違った。二人が到達したのは、恋愛という重荷を敢えて捨てた相互理解の果ての「解散」だった。
お互いを想い合っているからこそ、現在の歪な関係が互いの未来を削り取っている事実に目を逸らさない。
この愛情と友情が複雑に混ざり合って結晶化した「絆」の描き方はあまりに繊細。「尊い……尊すぎるやろ」と言わざるを得ない。
なおこの感動的な告白が終わるやいなや、あれほど絶望的だったコンクリ詰めピンチは「あ、それで行けるの?」というくらいの勢いであっさり切り抜けましたとさ。
真・マブダチ再誕
そして今回もう一つの尊さ炸裂ポイントが、ダスティンとスティーブの黄金コンビだ。
本気の取っ組み合いを演じるという醜態を晒した二人だが、ここに来て急速にデレ期へ突入。
ナンシーの危機を知り、後先考えずに死地へ飛び込もうとするスティーブ。
それを必死の形相で止めるダスティン。
「もう嫌なんだ、友達を失うのは! スティーブが死ぬなんて絶対に耐えられない!!」
まさにダスティン、魂の叫びである。
実際スティーブが登ろうとした梯子は直後に奈落へと崩落しており、ダスティンの引き止めがなければ彼は裏側世界の肥やしになっていた。
九死に一生を得た二人が無言で抱き合う姿は、まさに戦友としての「真・マブダチ」の再誕である。
「尊い……尊すぎるやろ」と言わざるを得ない。
なお数分前まで「二度とそのツラ見せんな!!」とマジギレしてたのに、ダスティンの「デレ」が早く到来し過ぎじゃない!?と思わんでもないがそこは野暮だろう。
絆の疾走、そして母は強し

いいとこ見逃すが、一応脱出!
精神世界「カマゾッソ」のクライマックスでは、ヴェクナの最も重要な秘密にあと一歩というところまで肉薄するも、マックスの「そういうのいいから、とりあえずここから出ようぜ」というせっかちさが発動。回収されず終いに。
おい!サバサバ系女子にも限度があるだろ!!
だが彼女たちが手を取り合い出口へと向かって疾走する姿には、不覚にも目頭が熱くなる。
ヴェクナが振りかざす冷徹な悪意に対抗できるのは、作戦でも超能力でもなく「人との繋がり」なのだ。
二人が出口に向かって走り出すシーンは、本作がずっと守り続けてきたこの王道テーマが炸裂した瞬間であり、まさに『ストレンジャー・シングス』の真髄である。
漢気、ついに炸裂!
そして現実世界での救出劇も熱い。
昏睡状態のマックスを抱え、デモゴルゴンの大群から逃げ回るという「これぞヒーロー」な役割を掴み取ったルーカス。
彼の漢気に期待が集まった瞬間、すべてをかっさらっていったのは酸素ボンベを爆破させてデモを一掃したウィラー家の入院母・カレンであった。まさか過ぎるチョイス。お前かよ!?
さて、ヴェクナ誕生の秘密は持ち越しとなったが残り二話。
すでに数々のドラマの決着や伏線回収が粛々と進んでおり、物語が「結末」に向かっている雰囲気を圧力として感じる。
あと一か所くらいルーカスに見せ場が回ってくることを切に願うばかりである。

Netflixで観る作品を探してるなら、この記事がおすすめよ。


こらちの記事もおすすめです。





コメント