映画

『タイタン』感想 バカバカしさの重ね塗り珍作SF 何が言いたいんだよ結局!

■■□□□□□□□□ 2点

【あらすじ】
人口爆発と環境破壊で人類滅亡寸前の近未来。
土星の衛星「タイタン」への移住を計画する人類は、タイタンの過酷な環境に適応するべく自らの遺伝子を改造し始めた。
その人体実験に自ら志願したリックだったが、やがてその心身に重大な変化が起こり始める…。

期待のNetflixオリジナルSF映画『タイタン』を観てみました。
最悪でした。びっくりするほど褒める所が無い悲しい映画です。
Netflixオリジナル映画としては『リディキュラス6』の次くらいにガックリ来ました。
映画に当たり外れがあるのは当たり前なのですが、こと最近のNetflixオリジナル映画に関して言えばその振れ幅がメチャクチャ大きい気がします。
あとどうでもいい話ですが本作の主役を演じるのはサム・ワーシントン。代表作は『タイタンの戦い』『タイタンの逆襲』…タイタン好き過ぎるだろ

タイタンの戦い(2010) (吹替版)

広告




SFなのに設定がでたらめ

SFは人間の本質や未知へのロマンを空想と科学に求めるジャンルです。現実と地続きのファンタジーと言える面もあるかも知れません。なので設定にバカバカしさがあると作品自体のアイデンティティーがすぐに揺らいでしまいます
科学考証はSFにとって非常に重要な要素である
訳です。
ところが本作はその設定がガバガバで本当に脱力もの。
人類が住めるようにタイタンの環境を変えるには時間がかかり過ぎる…それだと人類滅亡に間に合わない。よーしだったら人間の方を変えてしまおうという発想がまず謎です。
だって人類が地球の環境に最適化するのに何十億年もかかったのに、それをたかだが改造手術で覆せる訳無いだろ
100万歩譲って何とかなったとしても、タイタンでの衣食住はどうするんだよ!
人体改造は一代限りだし、移住した連中が寿命で死んだらそれっきりだろ!
そもそも一体何人に手術を施すつもりだよ
予防接種ですら全然普及しなくて困ってるのに、何万人レベルの手術をどうやったら実施できるんだよ!
だいたいどうやってタイタンまで行くんだよ
チラッと劇中でも言及はされてたけど、実際そっちの方が大問題だろ!なんで超遠い星まで問題もなく移動できる前提で全ての話が進んでるんだよ!
挙げ始めるとキリがありませんが、よくぞまあここまで適当な設定を思い付けたものだと感心するほどガタガタです。こんな感じで物語の目標がぼんやりし過ぎているので、全てにおいてまったく感情移入出来ません。
この脚本にゴーサイン出す人の意識がすでに人類を超越している。

エンジニアさんじゃないですかーやだー!

異星でも通用する肉体を実現するべく人体改造を繰り返し受けるサム・ワーシントンでしたが、その結果大方の予想通りバケモノに変貌し暴走してしまいます。

でもその姿がまんま『プロメテウス』のエンジニア。白塗りの大男。有名作から謎の露骨なパクりだよ!
しかも腕からは触手が生えるオマケつき…ってわざわざそんな機能つけて一体何の役に立たせるつもりだったんだよ!
もう訳分かんないよ!

プロメテウス/ エンジニア スタチュー
そんなこんなで大変バカバカしく見所の無い映画でした。
「一目で隠しカメラだと分かる隠しカメラ」に気付くシーンなどは普通に笑う所かと思いましたし、
使うと記憶を失う劇薬と無害な生理食塩水をわざわざ同じ見た目のアンプルに入れて同じ場所に保管しておくヌケサクぶりにはもう失笑さえ湧きません。
ラストシーンだけ無駄に勇壮なのも滑稽です。

つまらない上にネタ映画としてのイジり甲斐も乏しく、製作陣には申し訳ありませんが完全に無価値な映画と断言できます。面白かった映画ランキングを下方向に拡張したい人以外に誰にも勧められません(-_-;)



-映画

© 2024 おふとんでシネマ