あまたの名作を世に放ちゲームセンターの黄金期を築き、そして時代の変遷とともに姿を消していった伝説のゲーム筐体「MVS」。
そんなMVSを手のひらサイズで再現した『NEO-GEO mini』が、2018年7月についに発売されました。
小っちゃいゲーム筐体という遊び心溢れる見た目のくせに、往年の名作が40タイトルも収録されているというパワフルさが魅力。
「小っちゃ過ぎて画面が見難いんじゃね?」
「こんなオモチャみたいなアケコンでちゃんと操作できるのかよ?」
買う前まではそんな不安もよぎりましたがまあ最悪インテリアにはなるだろうという二段の心構えで発売日から遅れること1ヶ月半、ついに買ってみました。
結論から申し上げれば想像以上にナイスな逸品だったので、今回はその紹介をしようと思います。
外観
外箱のデザインからしてセンスあふれる色遣い。容赦なくワクワク感を煽ってきます(俺ちゃんが座ってますが気にしないで下さい)。
「LEGACY LINES ON -楽しさは色褪せない-」
SNKの自画自賛か、もしくは過去の栄光に縋らざるを得ない悲哀か…( ̄▽ ̄;)
でも「楽しさは色褪せない」のも真理。いずれにせよグッと来るキャッチフレーズです!
本体はこんな具合。
まさしく手のひらサイズのMVS筐体、って感じでかわいいです。
なおコントロールパネルのシールを貼るのがめちゃくちゃ難しい(;^ω^)
シールはコントロールパネル天板にサイズがピッタリで「あそび」がほとんど無いので、一辺を綺麗にそろえてから面を貼り始めることで何とか綺麗に仕上がりました。
音質
音質は大変クリアで申し分なし。
と言うかMVSの音質そのものなので、セリフの聴き取りにくさも完全再現。グリフォンマスクの「お歳暮うめーーww」や、レオナの「アップルジュース!!」などの技名空耳も健在です。
本体のスピーカーだけで結構なボリュームが出る点もイイですね。
後面にはイヤホンジャックがついているので、家族が寝静まった後にこっそりプレイする際も安心!
画面
画面は4:3比率で3.5インチ。
横幅が無い分、一般的なスマホよりも面積は小さいです。
さすがにちょっとミニマム…ですが、プレイする分には全く問題ありません。小さすぎてキャラが見難いなども無し。自分の手で画面が隠れることもありません。
『ブレイジングスター』の敵弾はかなり目視しにくいですが、これはまあ多分元々。
発色も良好で『KOF2001』の異様にビビッドな色遣いもバッチリです。かつて物議をかもした2001ユリもこの通り↓。
なおどうしても小さい画面でプレイしたくなければHDMI出力でテレビに映し出すことも出来ます。
が、NEOGEO miniの魅力はあくまで「小っちゃいゲーム筐体で遊べる」というコンセプトだと思うので個人的には使わない機能ですね。
大きい画面でプレイしたいなら最初からPS4でアケアカNEOGEO買うって。
操作性
多くのプレイヤーにとってNEOGEO miniに抱く最大の懸案はコレでしょう。操作性。
私も買う前までは正直プレイ感に期待していませんでした。
が…実際触ってみてびっくり普通にプレイできます。なんの問題もなく技出せます。むしろ操作し易い印象さえあります。
なぜむしろ操作し易いのかー?
個人的な話になってしまいますが、格闘ゲームはゲームセンターよりも家でやることが多いんですよね自分。しかもパッド派。その際はプレステ系でもXbox系でもアナログスティックを方向キーとして使ってます。
しかしそこに問題が。
アナログスティックの可動域は「円形」。
対して一般的なアーケード筐体のレバーの可動域は「四角形」。
パッドと同じ感覚でゲーセンでプレイすると、レバーが右下や左下で引っかかるんですよ!分かります!?波動拳が出せないんです!!
『しゃがみ小K→波動拳』さえ出せず、一方的にヤられた屈辱が蘇る…。これ俺の実力じゃないから!パッドだったら今のぜったい勝ってたから!!
その点、NEOGEOミニのレバーは可動域が円形。レバーでありながらパッドのアナログスティックと同じ感覚でプレイできるって訳です。
この操作のしやすさは小ささを補って余りある!やったぜ!
ただし『メタルスラッグ』、テメーはダメだ。
レバーが滑らか過ぎて、その場でしゃがんだつもりでしゃがみ前進しちゃうんだよ!で弾当たって死ぬんだよ!
プレイ
各ゲームの内容は割愛しますが、とりあえず『餓狼』シリーズ、『KOF』シリーズ、『サムライスピリッツ』シリーズ、『月華の剣士』シリーズはいずれもまったく問題なく遊べます。
処理落ちなども無し。
ロード時間も非常に短く「例の猿」などは出番ナッシングです。
クレジットは4(100円玉4枚入れた状態)で始まるのがデフォルト。
大抵のゲームで難易度調節できるので、イージー設定にしてのエンディングめぐりも容易です(ただし初代『龍虎の拳』は最低難易度でもクソ難しい)。
こうしてKOFシリーズを改めて通しでプレイしてみると、格ゲーの歴史をひしひしと感じることが出来ますね。
『ハイスコアガール』見るとノスタルジーもひとしお。
古い作品から順番にプレイしてグラフィックの進化を堪能するのも良し。
京と庵の固有掛け合いの変遷を追うのも良し。
「覇王翔吼拳を使わざるをえない」の元ネタを体験してみるも良し。
非常に幅広く、かつ長く遊べるマシンと言えるでしょう。ほんと全盛期のSNKの功績は偉大の一言です。
一緒に買いたい品々
NEOGEO mini 対戦格闘ゲーム攻略ガイド
タイトル通りの攻略本です。
内容は各格闘ゲームのCPU戦攻略がメイン。「昇り大キックをスカすと必ずガードするのでそこを投げる」など、非常に具体的かつ実践的な内容が記載されています。
おかげで初めて'94ルガールに勝てたよ!でも2001イグニスには勝てる気がしないよ!
もちろんキャラ個別の必殺技コマンドも網羅されています。
このご時世なのでスマホでちょっと調べれば何でもすぐ出てきますが、紙媒体で技表を一覧出来るのは想像以上に便利。
「あれっ?このテリーのライジングタックルって昇竜拳だっけタメだっけ?」などの疑問も一発KOです。
個人的にはNEOGEO miniに必携の一冊だと思います。
反面、各キャラ固有の攻略記事は薄味…というか一切ありません。
『リアルバウト餓狼伝説』のコンビネーションすら載ってない。
まあそこに触れ始めたら電話帳みたいな厚さになっちゃうし仕方ないか…と思わなくもないですが、せめて基本的な連続技などは載せて欲しかった所ですね。
なお「このゲームが出たころ世間ではこんなことがあった」などの小ネタが合わせて記載されているのがグッドです。
たとえば『餓狼伝説スペシャル』のリリースされた1993年の出来事には「皇太子さま・雅子さまご成婚」と書いてあったり。和む。
NEOGEO mini専用パッド
前述通りNEOGEO mini本体の操作性が意外なほど良好なので、自分としては特に買う必要を感じない一品です。
しかし対戦プレイをするにはコレが無いとそもそも始まらないので、一緒に遊ぶ家族や友人が居るという恵まれたプレーヤーにとっては必須のアイテムと言えるでしょう。
むしろ最大の問題は転売屋どもの暗躍によって品薄・入手困難になっていること。
ほんとアイツらええ加減にせーよ!!
モバイルバッテリー
NEOGEO miniはそのコンパクトな本体サイズが魅力ですが、残念ながら電源を内蔵していないのでコンセントの近くでしか遊べません。
しかし携帯充電器ことモバイルバッテリーがあれば解決!
家のどこでも、なんなら外出先でも遊べます!
モバイルバッテリー自体は、性能で選ぶなら定番のAnker社製品で決まりでしょう。小さい・大容量・ハイコストパフォーマンスで圧倒的な人気があります。
ただ個人的によく使ってるのはPISENの電気カイロの方。
モバイルバッテリーとしてはAnker製品よりスペックが劣るうえにしかも高価ですが、スイッチを切り替えることで電気カイロとして手をぬくめることも出来るという一粒で二度おいしい逸品なのです。
寒い日はお手てぬくぬく。それ以外では充電器として活躍。重宝してます。
上で紹介したどちらの製品でもNEOGEO miniは動きました。動作確認OKです(と言うか大抵のモバイルバッテリーで普通に動くと思います)。
mini HDMIケーブル
前述通りNEOGEO miniはHDMI接続でテレビに画面出力することが出来ます。
ただしNEOGEO mini側の端子がmini HDMIなので、いわゆる一般的なHDMIケーブルは使えません。
mini HDMIケーブルはビデオカメラ等の付属品として同梱されていることが多いので、捜してみると案外おうちにあるかも知れませんよ。無ければ観念して買おう!