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『エクスティンクション -地球奪還-』感想 ヒネリと王道の融合!侵略系SFをメタ的に描いた良作

2018年11月26日

評価:

今回はNetflixオリジナル映画『エクスティンクション -地球奪還-』の感想をお送りするぜ。ネタバレ無しで!

直球のB級侵略モノSFと見せかけて、実は驚愕のどんでん返しを伏兵に持つ粋な逸品。
名作とは言えないけれど、観る価値のある一作だぞ!

出展:IMDb

【あらすじ】
近未来のアメリカ。
平凡な技術者ピーターは美人の奥さんと二人の娘と共に、慎ましくも幸せな家庭を築いていた。

しかしピーターには悩みがあった。
「空からやってくる侵略者が人類を攻撃し、自分と自分の家族が危機に陥る」という内容の夢を頻繁に見るのだ。

余りにもリアルな実感を伴ったその夢は、これから起きることを予知したものなのか。
それともどこかで既に起こったことの記憶なのか…。

困惑しつつも日々を過ごすピーターの前に、ついに空からの侵略者が姿を現す…!!

本作の主演はマイケル・ペーニャ。
『アントマン』や『バッドガイズ!!』、『おバカンス家族』で発揮した笑いのインパクトが強いのでついついお笑い担当俳優と思ってしまうが、よくよく考えると『フューリー』や『エンドオブウォッチ』でシリアスかつ壮絶に死んだりしてて別にひょうきん者専門って訳じゃないのだった。

本作『エクスティンクション -地球奪還-』のペーニャは後者。
マジメな方のペーニャ。略してマジーニャだ。いけねえ、魔女っ娘モノの中ボスみたいな響きになっちまった。こんな筈じゃなかった…こんな筈じゃ…。

 

で、そんなマジーニャが見る「空からの侵略者が人類を攻撃する」というビジョンが一体何を意味しているのかが本作最大のポイントになるワケさ。

本作がいわゆる侵略モノSFであることは分かり切っているので、観客としては主人公が見る夢は
①(ループものを含め)何らかの理由でこれから起きることを予知している
②既に異星人による侵略・支配は完了しており、ビジョンは記憶改ざん前の残滓
のどちらかだと思うじゃん?

ブーーーッ
残念でした~どちらでもありませ~ん!!

この「どうせこんな感じのオチだろう」という観客の先入観を見越した見事なミスリーディングにはシビレたね。実にグッドな脚本だ!

逆に言えばそのワンアイデアだけが本作のアイデンティティなので、ネタバレ食らうと途端に面白くなくなっちゃう。
観るならぜひともそうなる前をおススメするぜ!

 

あとほら侵略系SFってさ、人類と宇宙人の技術力の差があやふやなことが多いじゃん?
たとえば遠い宇宙から巨大な宇宙船で地球に来た時点で人類を遥かに凌駕する科学技術を持っているはずなのに、銃撃戦になると割といい勝負になってしまう…みたいな。
最近では超絶科学力の宇宙人をシラットで黙らせる『スカイライン -奪還-』なんて映画もあったじゃん。え、シラット効いちゃうの?という当惑をさすがに隠せない。

 

バトルシップ(吹替版)

↑なお「エイリアンがバカ」という一点でこれを超える映画は未来永劫出ないだろう。まさに不朽の名作。

 

本作『エクスティンクション -地球奪還-』でも「なんでエイリアンの技術がそんなにローテクなんだよ!!」と言いたくなるバトルシッパー垂涎のあやふや描写が山ほど出てくる。
まったくB級SFはこれだから┐(´д`)┌ヤレヤレ
…しかし本作は、そんな野暮な茶々さえも伏線として逆手に取ってしまう。そしてしっかり回答を見せてくれるのだから実に憎い。
繰り返しちゃうけどとにかく脚本に工夫が満ちているのだ。

 

という訳で『エクスティンクション -地球奪還-』は侵略系SFというジャンル映画をメタ的に斬った良作と言えるだろう。
たしかに演出のテンポは悪いし、何にも解決してないのにエエ感じ風に終わるエンディングにはズッコケさせられるし、はっきり言って到底名作の器じゃあない。
でもこのヒネった脚本は一見の価値があると思うんだ!

…なおルーク・ケイジことマイク・コルターが出演しているが、本当にルーク・ケイジにしか見えなくて何やっても死ななそうな安心感があった。

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