映画

『いのちの食べ方』究極の食育ドキュメンタリー

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■□ 9点


『オクジャ/Okja』を見てたらある映画のことを思い出したのでせっかくだから紹介したいと思います。
2005年ドイツ製作のドキュメンタリー映画『いのちの食べ方』です。

いのちの食べかた [レンタル落ち]
本作には、人々の食糧はいつどこでどんな風に作り出されているのか、その真の姿が綺麗事抜きで収められています。

控えめに言って衝撃の内容です。

地獄の食肉工場

中でも強烈なのは食肉工場の実態を映し出すシーンでしょう。
頭蓋骨を穿通して一発で牛を屠殺する特殊な機械。
「スッパアーン」と響く音とともに牛は糸が切れたようにその場に崩れ、あとはその死体をベルトコンベアが運んでいきます。

そんな牛を機械に吊るし自動で生皮を剥ぐ機械。

内臓を吸い取る巨大掃除機みたいな機械。

さらに細かく切り刻み「肉製品」にしていく機械。

動物の命を奪い「食糧」にしていく様がいっそ美しいまでに完全に効率化されています。
特に牛の頭蓋骨を貫通するときの容赦のない爆音は夢に出てきそうです。
この音も含め工場の様子は『オクジャ/okja』でも忠実に再現されており、演出として絶大なインパクトを放っていました。むしろほとんどホラー。


『いのちの食べ方』に出てくる牛は当然『オクジャ/okja』のスーパーピッグほど賢くはないはずですが、それでも自分の前の牛が頭蓋骨割られると次は自分の番ということが分かって大パニックに陥るんですよね。
でも工場のスタッフにしてみればそんなのは日常茶飯事であって、慌てず騒がず手順通りに取り押さえて頭蓋骨スッパアーンするだけ。はい次~ってな塩梅です。

食への意識を変革する真のドキュメンタリー

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『いのちのたべかた』が凄いのはこのような、言ってしまえば残酷な、家畜を人間に喩えれば言葉にできないくらいおぞましい食肉工場を映し出しておきながら一切何も主張していない点です。

本作、なんと劇中ただの一言もセリフがありません。字幕もナレーションも一切無し。BGMも無し。
「ね、ひどいでしょう?かわいそうだから今日から動物を食べるのはやめようね!」などとは絶対に言わない。


動物たちにとっては地獄であろう食肉工場で働く人々も登場しますが、別段悪魔のように冷酷な存在として強調されていることはありません。それどころか工場の機械を丹念に手入れするシーンもあり、職場に誇りを持つ勤勉な労働者としてそれ以上にも以下にも描いていません。


極限までドラマを排し、状況をそのまま切り取っています。ある意味極のドキュメンタリーと言えます。
本作のどこを切っても「どうぶつをたべるのはかわいそうだからやめよう!」という主張は出てこない。徹底的に公平です。


では『いのちのたべかた』の意図はいったいどこにあるのか?
それは動物を殺してその肉を食べるということはこういうことである、というあるがままの事実を観客に伝えることです。
他の生物を殺して食べるのは言ってしまえばあらゆる生き物の「業」です。どれだけ文明が発展しようとも、この真理から逃れることは出来ません。そこを否定も肯定もせず、ただ理解し受け容れるべきだ。
本作は無言でそう語っているのです。


このコンセプトには本当に感動しました。
別に本作を観たからと言ってベジタリアンになる気はまったくありませんし、そんなの製作者側も意図してないと思います。『オクジャ/okja』もそうです。
ですが両作とも食に対する意識を改革するには十分すぎる傑作です。
『いのちの食べ方』を観れば、なぜごはんを残してはいけないのか心底理解することが出来ます。


という訳で本作、ある程度大きくなったら息子にも見せようと思っています。
泣くと思うけど

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