海外ドラマ

抜群のハマり役で人気爆発『SHERLOCK/シャーロック』

おすすめ度
■■■■■■■■■■  10点
史上最も有名な私立探偵、シャーロック・ホームズ。そしてその助手ワトソン。
コナン・ドイルによる原作の舞台は19世紀イギリスでしたが、本作はそれを2010年代によっこらせと持ってきた。スマホを駆使する現代版シャーロックの誕生です。
全然関係無い話を先にすると、私は妻と趣味が合いません
妻は文芸小説や園芸を好みますが、私はドッギャーン!バリーーン!ぐわああーっ!のバイオレンスな映画やゲームがマイフェイバリット。

大・大・大好きな映画『007/カジノロワイヤル(ダニエル・クレイグの方)』を一緒に観ようとしても妻は最初のトイレ格闘シーンでギブアップして別室に逃げます。で例の超最高なアヴァンタイトルも一人で観ることになるのでした。
そんな妻でも本作『SHERLOCK/シャーロック』は大好き!
毎回殺人事件が起きるけど暴力描写はマイルドというかほとんど直接的な表現はナシ。妻でも安心してご覧いただけます。
という訳で本作は我々夫婦にとって一緒に楽しめる貴重な作品なんだ!
はいクソどうでも良い話終了!
ここからは更にどうでも良い『シャーロック』語りが始まるよ!わーいたっのしー!今更感あふれるー!

カンババ最高過ぎる

史上76人目のホームズを演じるのはベネディクト・カンバーバッチ。略してカンババ。『裏切りのサーカス』で見たときはこのあんちゃん滅茶苦茶顔が縦に長いなと変な感心をしてしまいましたが今では押しも押されぬ大スターです。

イギリス真・上流階級の出身の彼、いわゆる典型的なイケメンではないです。少なくともブラッドリー・クーパーみたいな誰がどう見ても美形!みたいなお顔ではない。
しかしこの個性的なお顔立ちこそカンババの真骨頂。立ってるだけで一筋縄ではいかない雰囲気が漲る逸材なのです。
本作で天才だけど性格に難があるキャラを確立してブレイクした彼は、続く『イミテーション・ゲーム』でも天才だけど性格に難があるキャラを熱演し評価を高めます。そしてマーベルヒーロー映画『ドクター・ストレンジ』に抜擢されたら今度は天才だけど性格に難があるキャラを好演し更なる喝采を集めるのでした。
もはや天才だけど性格に難があるキャラをやらせたらカンババの右に出る者はいない雰囲気です。このまま突っ走って頂きたい。
主人公シャーロックは自分でも言うように高次機能障害の持ち主で、あまりに天才過ぎて周囲にアジャストできないピーキーな人間性です。
そんな彼を現実の社会につなぎ留めるのがワトソン君。物語は縦軸に殺人事件を、横軸にシャーロックとホームズの絆を設定しテンポよく展開していきます。
もうね、こういう男同士の友情みたいなの。そう言うのめっちゃ好きなんです。本作ツボ過ぎます。
微妙におホモだち感を漂わせるところも女性受けがいい要素でしょうか!
第1話の
シャーロック「戦争では死体を見たか?」
ワトソン  「ああ・・・嫌と言うほど見てきたよ」
シャーロック「もっと見たいか?」
ワトソン  「もちろんだ
このやり取りも最高過ぎます
そしてシャーロックがいちいち早口なのが本作に独特のスピード感を付与しておりグッドです。相手を罵倒しても、皮肉っぽい言い回しかつ超早口なのでリアクションを取らせる前に次の話題に行ってしまうという演出が彼のキャラクターを饒舌に語ります。
情報量が圧倒的なので字幕より吹き替えがおすすめ!吹き替えを担当した三上哲は本作以前は声の仕事はほとんど無かったそうですが、カンババには頗るマッチしています。とても良い。
推理を始めると思考の内容が文字となって空中に出現する演出もクールです。精神の宮殿と言うらしい。別段斬新な手法ではないと思いますが、浮かぶ文字のプレゼンテーションがいちいち洒落ており作品の格を上げるのに一役も二役も買っています。

マーティン・フリーマン最高過ぎる

↑ワトソン君だけが上手に映ってるジャケ写は無かったよ…(´・ω・`)

ワトソン役はマーティン・フリーマン。

「天才だけど性格に難があるキャラ」で右に出る者は居ないのがカンババなら、マーティン・フリーマンは困り顔をさせたら右に出る者は居ない御仁です。

思えば『ホビット』三部作でも常に困っていました。自宅で勝手に酒盛りされては困り、一人だけダークエルフのアジトに残されては困り、お前ひとりでドラゴンの巣に行ってこいと無茶ぶりされては困っていました(そう言えばドラゴン「スマウグ」の声を当てたのもカンババでした)。

ドラマ版『ファーゴ』ではビリー・ボブ・ソーントンに追い掛け回されて困り、『キャプテンアメリカ/シビルウォー』では急に元気になったウィンターソルジャーに困らされます。
立ってるだけで困ることができる逸材なのです。
という訳で本作でもひたすら困る男、ワトソン。
しかし縦横無尽に行動するシャーロックに振り回されている、と見せかけて実はワトソンがいるからこそシャーロックが縦横無尽に行動出来るのだという表裏一体の関係なのが憎い。
もうね、こういう切っても切れない男同士の絆みたいなの。最高ですね。

どうなる第4シーズン!

という訳で魅力あふれる二人の主役が受けて人気爆発の本作。
あの女王大好きイギリス国民をしてエリザベス女王のクリスマスメッセージ中継よりも高視聴率を記録せしめたというのだからその支持ぶりは推して知るべし。

ただ今のところ第4シーズンまでは製作されているものの、カンババたちが売れっ子になりすぎたせいで第5シーズン以降は企画が白紙だそうな。このまま未完に終わる可能性も高そうです。念。
って言うかいつになったら第4シーズン見られるんだよ!頼むよNetflix!
第3シーズンまでならNetflixで見放題配信中!Huluでもいいよ!

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