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『ハッピーボイスキラー』感想 俺ちゃんが連続殺人犯!?生首も喋りだす異色のグロ系コメディ






■□


□ 6点
【あらすじ】
ペットと暮らす気弱な青年ジェリー。実は彼は精神疾患のせいで常に幻聴が聞こえていた。しかし本人は幻聴で特に悩む様子はなく、むしろ喋るペットたちとの生活を楽しんでさえいた
(もちろん全部幻聴)
そんなある日、彼は職場の美女を弾みで殺してしまう。すると今度は彼女の死体まで喋り始め、ジェリーはどんどん正気を失っていく。
俺ちゃんことライアン・レイノルズ主演の悪ノリホラーコメディです。
連続殺人犯が主人公の映画なのですが、その殺人犯が殺人に対して積極的ではなく「善い人間になりたいだけなのに何故だか人を殺しちゃう…。こんなつもりじゃなかったのに~」と自分の行動に困惑していくというスタンスが斬新でした。

決して平和には生きていくことが出来ない重大な障害を持った主人公が、混迷の果てに救いを掴むラストは極彩色の陽気さ。その悪趣味な皮肉っぷりが観る者に突き刺さります。
大傑作!ではないけど尖った個性を持った映画です。好き。
と言うか偶然なのか何なのか、つい先日観た全然関係ない映画『ザ・コンサルタント』との共通点が多くて驚きなのでちょっとその点について語りたいと思います!

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※ ネタバレ警告※ 
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!あと『ザ・コンサルタント』の内容についても言及しているのですいません。

ここに共通点があるじゃろう?

ザ・コンサルタント(字幕版)
本作『ハッピーボイスキラー』と『ザ・コンサルタント』は全然関係ない映画同士ながら、前述通りどういう訳だが共通点が多いです。
ざっと挙げてみるとこんな感じ。

■主人公が幼い頃から重大な障害に苦しんでいる。
■軍人の父親がいるが、主人公の障害に対して無理解。
■あげくその父親が虐待してくる。

■母親の死に際して大惨事が起き、それが主人公の心の傷になっている。

■アナ・ケンドリックが出ている。
■アナ・ケンドリックが会計士である。
■アナ・ケンドリックが積極的女子である。
■アナ・ケンドリックが酷い目に遭う。

■主演俳優のベンアフとレイノルズがどちらもアメコミヒーロー歴多数。片やデアデビル、バットマン。片やグリーンランタン、デッドプール…。

どうです!?見過ごすにはちょっと多くありませんか?
と言うかアナ・ケンドリックの存在感は異常。あのげっ歯類系美女感は唯一無二ですよね。

これは裏『ザ・コンサルタント』なのか?

ベン・アフレック主演の『ザ・コンサルタント』は正統派「ナメてた相手が殺人マシンでした映画」として痛快な出来栄えでした。しかしただ一点、主人公の持つ高機能自閉症の描き方がが「何となくそういう設定にしてみました」感溢れる中途半端さでそこだけノリ切れなかったんですよね。
ハッピーボイス・キラー(字幕版)
そこで本作『ハッピーボイスキラー』。これが個人的に『ザ・コンサルタント』への言わば裏の回答にも見えたので、ちょっと同作に納得できた感じです。
と言うのは両作にあまりに共通点が多いため、『ザ・コンサルタント』の無敵会計士クリスチャンがもし悪い方向に転落していたら『ハッピーボイスキラー』の殺人鬼ジェリーになっていたという気がするのです。
いや、ジェリーとクリスチャンはそもそも障害の種類が違うし一概には比較出来ないのは重々承知の上ですが。
それでもクリスチャンにあってジェリーに無いものを敢えて挙げるとすれば、それは弟…つまり理解者だったと思います。
もしクリスチャンにパニッシャーみたいなコワモテの弟が居なかったら、きっと父親からの虐待を自分の能力に昇華出来ず暴走アスペ殺人マシンと化していたでしょう。
逆にジェリーにもペット以外の友人や、もうちょっと頼りがいのある精神科医がついていれば障害を自らの個性の一部にして社会貢献出来ていたかも知れません。
そう考えると『ハッピーボイスキラー』の敵キャラは「孤独」だったのかなあ、と思う次第です。
なんつって我ながらこじつけが過ぎるとは思いますが、自分のブログなんだし好き勝手言ってみましたとさ!終わり!

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