■■■■■■■□□□ 7点
【あらすじ】
平凡な会計士のクリスチャンはある日、大企業の財務調査の依頼を受ける。その類まれな演算能力で不正を暴く彼だったが、逆に知り過ぎてしまったために企業から命を狙われる羽目に。
しかしクリスチャン、送り込まれた暗殺者を難なく撃退。実は彼は世界中の闇組織に通じる凄腕ヒットマンだったのだ!
ずっと気になってた映画『ザ・コンサルタント』観ました。
観たいな~でもNetflixのマイリストを先に消化したいしな~、『ザ・コンサルタント』自体もそのうちNetflixで配信されそうな気がするしな~、う~ん。とか言ってたら本当に配信開始で嬉しいし楽しいしベンアフ大好き。
観たいな~でもNetflixのマイリストを先に消化したいしな~、『ザ・コンサルタント』自体もそのうちNetflixで配信されそうな気がするしな~、う~ん。とか言ってたら本当に配信開始で嬉しいし楽しいしベンアフ大好き。
で内容はと言えばまさしく正統派「なめてた相手が実は殺人マシン」映画でした。面白かったよ!
特に、おばあちゃんに銃を突き付けて脅す悪党が次の瞬間には長距離射撃を食らって頭ごと弾けるシーンが珠玉!余裕こいて勝ち誇る悪者があっけなくブッコロされるのはこの手の映画の花ですよね。超痛快!
ベン・アフレックによる格闘技+銃撃の合わせワザは『ジョン・ウィック』からの影響を強く受けている感じ。狙撃メインなので白兵戦は少なめだけど、それでもカッコいいぜ!
本作は当代バットマンのベン・アフレックと当代パニッシャーのジョン・バーンサルによるイカレたダークヒーロー同士の代理対決が楽しめるのも見物です!
会計士を追うFBI高官役のJ・K・シモンズは『ジャスティスリーグ』でのゴードン警部補だし、作中でキーアイテムとして扱われるソロモン・グランディの民謡もまたバットマンの敵キャラにゆかりがあります。
アメコミ映画ファンにはグッとくる要素が多い点も頗る嬉しいですね!
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※ ネタバレ警告※
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!
主人公の背負うハンデ、それは…
どんでん返しではないのですが、本作は主人公のクリスチャンが実は高機能自閉症という点がストーリー上の最大の特徴でした。まさに「なめてた相手が殺人マシンでした映画」の「なめてた」部分ですね。
普通に過ごしていたら自分を護ることさえ難しい身上でも、意志さえあれば良い人を護って悪者をブッコロすことが出来るんだ!という熱い人間肯定を感じます。
でもこの高次機能障害の描き方は…正直どうなん?
脳筋教育で最強会計士誕生(困惑)
認知行動療法を鼻で笑う脳みそが筋肉でできている軍人の父親に、無理やりハードな戦闘術を仕込まれる幼少期のクリスチャン。
「この世界は敵だらけなんだ!自分で敵を倒せるようにならないとダメだ!障害なんか関係ねえ!!」という旧日本陸軍も真っ青なド根性論を押し付けられ120%間違いなく虐待と断言出来るような訓練を来る日も来る日も強要されます。
そして時は過ぎ大人になったクリスチャンは最強自閉症会計士スナイパーへと成長を遂げていたのでした。
なんと言うか…親父さんの脳筋教育論がブッ飛び過ぎてもはや自閉症であるかどうかはどうでもよくなってしまっているし、その教育方針が会計士という職業に結びつかないから「表の顔は会計士、裏の顔はスナイパー」という設定に必然性無くなって意味不明です。
まあ、そのクリスチャンを高度な情報戦で援護する『声』の主が実は同じく高次機能障害を持つ女性でしたというオチからも、本作のスタンスが「障害児はもっともっとビシバシ厳しくしつけるべきなんだ!!」という脳筋パラダイスな主張でないことは辛うじて伺えますが…「障害」という設定の軽さに腑に落ちない印象が残ります。
腑に落ちないと言えばジョン・バーンサル!期待させといて「おおクリスチャンよ生き別れの弟だったのか~仲良し仲良し」みたいなオチなのは何事なのかバットマンとパニッシャーの対決はどうしたんだよ!!
とまあ言いたいことは山ほどあるのですが、概ね楽しめたのでアナ・ケンドリックの前歯に免じて良しとします。
あとクリスチャンが大好きな画家ジャクソン・ポロックは、意志と結果のはざまを表現した現代美術における代表的アーティストなので(多分…)、自閉症と暗殺稼業のはざまにあるクリスチャンが自分を投影していた→言わば自分の分身とも言える大事な絵画だけど、だからこそ惚れた女に持っていて欲しいたとえ二度と会うことはないとしても…という意味で捉えたいんですが、かまいませんね!?
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