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『ソウルキャリバーⅥ』レビュー 死にかけシリーズからまさかの大傑作誕生

2018年10月28日

こんにちはmotimaです。
『勇者だけど仲間がちゃんとついてきているか心配で3秒に1回振り返ってる』これラノベのタイトルに使えないだろうか。だめですか。ちょっとぐらい夢見させてよ俺も小説家になりたい。

 

ところで勇者と言えば伝説の武器、伝説の武器と言えばもちろんソウルキャリバーですよね。

 

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『ソウルキャリバー』。
バンダイナムコが擁する人気タイトルの一角で、屈強な勇者王や半裸の人妻が思い思いの武器で戦う対戦格闘ゲームシリーズである。

 

初代プレイステーションでリリースされた第一作『ソウルエッジ』から数えればその歴史はなんと20年にも及ぶ。
20年…20年も半裸で戦い続けている人妻のソフィーティアッ!ぼくは敬意を表するッ!

 

ちなみに自分がこのシリーズに初めて触れたのは『ソウルキャリバーⅡ』だった。
「シンプルな操作系ながら読み合いが熱い」というゲーム性は当時すでに完成しており、直観的に楽しめるという点では他の格闘ゲームと比べても群を抜いていた。
以降のシリーズにおいても、美麗なグラフィックや異常に充実している一人プレイモード、常に南半球丸出しのソン・ミナ、自由度高過ぎて毎回ネットで自作キャラ品評会が開催されるキャラクリエイションなど魅力あふれる要素がもう満載。
とにかく大好きなシリーズだった。

 

ところがどっこい、ここ数年のソウルキャリバーはすっかり寂れてしまっていた。
シリーズのマンネリ化を打破しようと登場人物を大きく入れ替えた『ソウルキャリバーⅤ』がファンに受け入れられず、売り上げ的に大敗を喫してしまったのだ。
個人的には悪くなかった一作だと思うのだが、この『V』の失敗がシリーズ存続の危機を招いてしまったのは事実だろう。

 

ソウルキャリバーV - PS3

キャリバーシリーズはその後、当時流行っていた基本無料タイプのゲームに移行した。『ソウルキャリバー ロストソーズ』である。
しかしそのゲーム内容は『Ⅳ』の内容を課金で切り売りしているだけという、擁護のしようがないほどオソマツな代物だった。
当然ファンには更にそっぽを向かれ、基本無料の強みである新規顧客獲得にも至れず、サービスは1年そこそこでひっそり終了してしまった…。

 

「俺たちのキャリバーは死んでしまった」
古参のファン達の間で悲痛な叫びが上がる。
作物は枯れ井戸は干上がり、牛は乳を出さなくなった…。

 

しかし!
そんな世界に一縷の光明が差した、それが今作『ソウルキャリバーⅥ』である!
誰もがもう新作は出ないだろうと予想していたのにまさかのリリース!!

 

しかもこれがすこぶる面白い
「今度は大丈夫なんだろうな…」という一抹の不安をクリティカルエッジで吹き飛ばすまさかの大傑作だったのだ。

 

 

ココが凄いよキャリバーⅥ

画期的すぎ!リバーサルエッジ

『Ⅵ』最大の特徴は、何と言っても新システム「リバーサルエッジ」にあるだろう。
対戦中にこのリバーサルエッジを使うと、一部の強力な技を除いて相手の攻撃をすべて受け流し自動的に反撃までしてしまうというシステムだ。

 

攻防一体の技という意味では『ストリートファイターⅣ』のセービングアタックに近いものがあるが、「リバーサルエッジ」が個性的なのは反撃が成立するとド派手な演出とともに三すくみのジャンケンに移行するという点だ。
なにしろジャンケンなので勝つか負けるか二つに一つ。完全に五分五分の状態になる。

 

これが何を意味するか。
どれだけ不利な状況でもリバーサルエッジを使えば強制的に五分五分の状況に持ち直せるということだ。
これによって一方的にボコボコにされていても反撃の糸口をつかむことが容易になった。なにしろリバーサルエッジの発動はボタン一つで済むのだ。

 

格闘ゲームはここ数年、ゲームジャンルとして競技化が進み過ぎ初心者が入り込む間口が極端に狭くなっていた。
いきおい格闘ゲームは近年「いかにして初心者にゲームの面白さを知ってもらうか」に腐心してきた訳だが、このリバーサルエッジはある意味その試行錯誤の到達点だろう。

 

もっとも、リバーサルエッジ発動後のジャンケンは三すくみといっても完全な運ゲーではない。
そこには各キャラの個性がしっかり反映されており、たとえば「グーで勝つとコンボに移行出来てリターンが大きい」や「パーで勝つと相手を大きく吹っ飛ばすのでリングアウトさせやすい」などの特徴がそれぞれ活きている。
なのである程度ゲームに慣れてきたプレイヤー同士ならジャンケンと言えど猛烈に熱い心理戦になる。
リバーサルエッジは初心者には初心者の、上級者には上級者の活用の仕方がある訳だ。システムとして非常に奥深い。

 

いずれにせよ格闘ゲームの在り方を根本から変えてしまうくらい絶大なインパクトのシステムだ。
それでいて従来の対戦格闘ゲームとしての面白さも成立させているのが本当に凄い。
「『ソウルキャリバー』とはそもそもどんなゲームか?」という原点回帰の問いに明確な答を見出した製作陣にただただ感服だ。

 

 

充実の1人プレイ

ソウルキャリバーシリーズは毎回1人プレイモードが充実している。今回もバッチリだ。

 

ストーリーモードは各キャラにそれぞれ固有の物語が用意されている。
しかも全編フルボイスなのでドラマがめちゃくちゃ盛り上がる!
特にキリクを主人公に据えたメインストーリー編は演出も相まってかなりアツかった。一見の価値ありだ。

 

さらにストーリーモードに加え、プレイヤーのオリジナルキャラを主役にした「ロストクロニクル」モードもある。
こちらはボイスは付かないものの、戦闘経験を積んでキャラをレベルアップさせたり依頼をこなしてお金やアイテムを集めたりとRPGライクなゲーム性になっている。
やや単調と言えなくもないがかなりのボリュームがあり、大きなやり応えがある。

 

もちろんストイックにCPUのキャラを倒していくアーケードモードもある。
事実上のタイムアタックモードになっているが目標タイムはかなり辛口で、全然金メダル取れる気がしねえ(´;ω;`)
なおアーケードモードはオンライン対戦待ち受け可能だが、現状ほぼ一瞬でマッチングするので全然進まないぞ。良いことだ。

 

 

恒例!キャラクリエイション

『ソウルキャリバー』シリーズのある意味最大の魅力と言えば、やはりキャラクリエイションだろう。今回ももちろん搭載だ。
ただまあ…パーツも含めてあまり目新しさはない。過去作『Ⅳ』や『Ⅴ』の時点ですでに凄い完成度だったのでこれ以上良くする点があまり無いためだろう。

 

逆に言えば、今までの自由度はそのままに4K高画質で自由自在にキャラを創り出すことが出来る。
シャンファやソン・ミナら既存の女性キャラにふんどしを着せようがビキニアーマーを着せようが思うがままだ。
すでにツイッター上では異様な再現度のコイキングや仮面ライダー勢が話題になっている。
一目見てブフッと吹き出すような個性あふれる自キャラでオンライン対戦に繰り出そう!

 

 

ココがアカンよソウルキャリバーⅥ

カジュアルマッチ何これ…

格闘ゲームの華、オンライン対戦。
今作はラグも少なく、(発売直後なのである意味当然だが)プレイ人口も十分なのでどんな時間帯でも一瞬でマッチングする。
概ね「対戦そのもの」に関しては不満はない。

 

が、カジュアルマッチの仕様には不満…というか疑問が残る。これ何のために付いているの?
前作『Ⅴ』には「グローバルコロッセオ」という、みんなでワイワイ集まって自由に対戦したり交流したりする画期的な仕様があった。いわゆるロビーマッチに相当するもので、プレイヤー同士の交流が良い感じに促されていた。
ゲーム自体は評価が高いとは言えなかった『V』だが、グローバルコロッセオは大好評だったと記憶している。

 

が、今回のロビーマッチはゲーム側が適当に選んだ部屋に自動的に放り込まれるという謎仕様。
部屋の人数や盛り上がり具合を比較して「よしこの部屋に入ってみよう!」的な選択の楽しみが無い。

 

現状では正直何の意義も感じないモードだ。今後アップデートで改善したりしないかなあ…?
グローバルコロッセオ戻ってきてもええんやで…?

 

 

ランクマッチはなんでキャラ固定にしたの?

という訳でランクマッチしかしていません自分。
しかしランクマッチの仕様にも大きな問題がある。
前述通り「対戦自体」は問題なく楽しめる本作だが、キャラをあらかじめ決めてからマッチングするという仕様にどうしても馴染めないのだ。

 

確かにキャラを先に決めておかないと、キャラ選択画面を経るぶん試合開始までのテンポは悪くなってしまうだろう。
ただし、何戦かすれば使用キャラを変えてみたり、或いは同じキャラでも別のコスチュームを使ってみたくなったりするものだ。「メイド風ソン・ミナに飽きてきたから次はミニスカポリス風タリムにしてみるか」という具合に。

 

が、現状の仕様ではそれをしょうとするとわざわざメニュー画面まで戻って待ち受け設定を変更する必要がある。
こっちの方がテンポ悪いよ!
と言うか仕様がせっかくのキャラクリエイションと噛み合ってないよ!

 

 

間違いなくシリーズ屈指の傑作

と、オンライン周りに言いたいことはいくつかあるが、全体としては非常に素晴らしいゲームだ。
何なら一人用モードだけでも十二分のボリュームがあるし、むしろキャラクリエイションだけでも超楽しい
いろんな楽しみ方があると言えるだろう。

 

いや本当マジでこんなに面白いとは思ってなかったよ。
スゲー期待はしてたんだけど心のどこかで今回もダメだろうなあ感があったもん。

オンラインで出会ったらお手柔らかに!

 

 

なおXbox Oneだとパッケージ版が無いのでDL購入に限られる…。
(本当に末期的だなXbox(´・ω・`))

マイクロソフトストアから直接買ってもいいけど、Amazonを経由してプリペイドカードでチャージすれば(まあ微々たるものだが)ポイントが付いてお得だ。自分はいつもそうしている。

 

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