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『日本沈没2020』第6話感想 崩壊する理想郷とあてどなき脱出…ここで死ぬわけにはいかない!

2020年7月23日

今回も『日本沈没2020』の感想です。
第6話。折り返しを過ぎました。

 

以下の記事 ネタバレ注意!!

 

日本沈没 第6話:コノセカイノオワリ

2020年 日本
監督:湯浅政明
出演:上田麗奈、村中知、佐々木優子

カルト教団のコミュニティ「シャンシティ」に身を寄せ、つかの間の安寧を得る一行。

ある日、歩が世話をする療養棟の寝たきり患者が震災を予見していた田所博士であることが判明する。博士はまばたきでモールス信号を送り、更なる大地震が来ることを警告し続けていたのだ!

「シャンシティ」からの脱出を訴える歩だったが…。

 

 

神回でした。
一言で言って素晴らしい。

ここまで突飛な展開がひたすら続き、悲惨な話なのにギャグアニメになりかけていた『にほちん2020』ですが、前回と今回にかけての重厚さでその印象は良い方向へ覆りました。
よ、よかった(;^ω^)
このまま第3話くらいまでのノリが続いてたら世紀の怪作になるところだった…。

 

一つの理想郷として成立していたシャンシティが、突如の大地震到来で崩壊。
楽園の最期に際し、逃げ惑う者、私利私欲に走る者、死にゆく運命をまっとうする者。それぞれの思惑が交錯します。

極限状態のなかで問われる人間性の本質…。
『デビルマンcry baby』にも通じる、濃厚な極限状態ドラマが展開しました。

 

突然のホークアイぶりを示す邦夫じいさんの漢気も最高だったけど、さらに素晴らしかったのはラストシーンでした。
崩れゆくシャンシティを後に、どこへともなくボロ車で駆け去っていく一行。
剛が母親に尋ねる。
「これからどこへ行くの?」
母親は答える。
どこへ行こうとも、そこはあの世じゃないわ

さ、最高すぎる!
セリフのクールさがハンパじゃないぜ!!

 

『にほちん2020』は『東京マグニチュード8.0』のようなディザスターアニメではなく『ウォーキングデッド』的な終末世界を描いたドラマだとは前から思ってました。言わば「ゾンビが出てこないゾンビ映画」みたいなもんだと。

でも今回の第6話でその印象は確信に変わりました。
だってこのラストシーン、ロメロ版『ゾンビ』のラストとまったく同じじゃん
崩壊しゆく "かつての楽園" ショッピングモールからヘリコプターで脱出するピーターとフランシン。
「燃料は?」
「わずかよ」
「…まあいいさ」

どこへ行こうとも、そこはあの世じゃない。
『ゾンビ』という終末映画の聖典から、連綿と描かれ続ける生への希求。それを現代日本を舞台にしっかり蘇らせている点に『にほちん2020』のテーマ性が浮かびあがってきます。

とにかく最高ですよこのラスト!!

 

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文明崩壊を描く古典的傑作。傑作の中の傑作。

 

シャンシティの描き方もステキだったと思います。
「宗教はキモイからダメ」みたいな幼稚な一元論に陥っていないのがグッド。

障害児、犯罪者、身内の死から立ち直れない者…。
従来の社会から零れ落ちた人間たちだけで構成される、閉じた楽園。

コミュニティの意に沿わない者をこっそり処刑していたという暗部もほのめかされますが、同じカルトでも『ミッドサマー』みたいに従来の人間性を完全に否定しきったような異常さはありません。

シャンシティは、そこでしか生きられない人たちの最後の居場所だったのです。それ以上でも以下でもない。

それはある意味で理想郷と言えたのでしょう。現代日本の弱者たちへの、一歩引いた視点からの分析が冴えるエピソードでした。

まあ、非常事態時にスーパーマーケットの廃墟で物資を調達するのにさえ抵抗を示していた良い子ちゃんの歩が、シャンシティ内の大麻パラダイス状態に何もリアクションを示さないのには若干の違和感を拭えませんが(;^ω^)

 

何にしても最高でした。神回でした。
物語はついに折り返しを過ぎる…さっそく次回の第7話にいってみたいと思います。

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