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『日本沈没2020』第9話感想 ラップに乗せる飾らぬ本音 ところでその水陸両用車はどこでゲットしたん…?

2020年7月29日

今回も『日本沈没2020』の感想をお送りしたいと思います。
第9話です。最終話一歩手前!

 

 

日本沈没 第9話:ニッポンチンボツ

2020年 日本
監督:湯浅政明
出演:上田麗奈、村中知、佐々木優子

母親マリの犠牲で何とか漂流を脱した歩たち。そこへカイトと小野寺が合流する。
一行は小野寺の示す座標を目指し移動を開始する…。

 

 

中々ブッ飛んだご都合主義が拝める一篇でした…(;'∀')

前回、日本海で漂流する歩たちとマリが合流する下りも
「どんな偶然やねん(;'∀')」
と呆れる直前でしたが、
「待てよ…同じ場所で同時に転覆したら、潮流の具合で数日後にばったり海のド真ん中で再会することも奇跡的にはあり得るんじゃね!?」
こじつけ好意的に解釈することで何とか事なきを得ました。

 

しかし今回は、ふたたび海のド真ん中でカイトが合流。しれっと連続する奇跡的な偶然。頑張って好意的に受け取ろうとする視聴者の心を積極的にへし折っていくスタイル。
しかも全身不随の小野寺さんも体力満タンで平然と同行。
二人とも、あの状況でどうやって生存したの!?

 

さらにカイトは自衛隊仕様の水陸両用車を運転して登場というブッ飛びぶり。
それどこで手に入れたんだYO!
って言うかカイトはなんで軍用機を操縦できるんだYO!SAY HO!

そのあたりの疑問に一切お答えしないままストーリーはサクサクと進行…。一行は小野寺が指定する座標に辿り着きます。
そこにあったのは小野寺の秘密研究所。
研究所には日本沈没と、いずれ起きる日本隆起にまつわるデータが蓄積されているようです。

でもなんで研究所が洞窟の中に作られてるんだYO!
その必要あるのかYO!
警備は無駄にハイテクだし、そんなに厳重にしてまで一体何を秘密にしているのかと思えば中にあるのはフツーのパソコンだし…。
もうどこからツッコんでいいのか分からん!!

 

そんなブッ飛びご都合主義が猛威を振るった第9話でしたが…。
マイクリレーのくだりは素直に感動しました。

次々起きる悲劇的な状況に、投げ槍な気分になってくる一行。そんな一行を元気付けるべく、カイトがマイクリレーをスタートさせます。

ラップに乗せて語られる、それぞれの日本観…。

剛の海外アゲ。
古賀先輩の日本礼賛。
歩の国境不要論。

青臭くって頼りない、本来だったら一笑に付すようなライム。
しかし極限状態にある彼らの口から語られるそれぞれの日本観は「こんなこと言ったらバカだと思われるかも…」的な忖度のない、ウソ偽りなき本音。
日本が無くなろうとしている今だからこそ「そもそも日本って何だったの?」という問いへ遠慮なく未熟さをぶつけてくる若者らの姿に、素直に涙腺が緩みました。
短絡的と笑わば笑え、この青臭さこそ明日を創るパワー!って感じ。
文句なしの名シーンです。

このシーンを発端として、Netflix Japanが#キボウのマイクリレーという実イベントを立ち上げたのも印象深し。カイト役の小野賢章も参加。ヒプマイのくせにカイトはリレーに参加しなかったかんね…!

 

そして古賀先輩の最期の見せ場も良かったです。
引きこもりというゆっくり死んでいくだけの存在だった先輩は、死へ向かって走り出すことで真の生を掴むことが出来た…ということでしょう。
死を必ずしもネガティブに描かないスタンスって湯浅監督の過去作にもありましたよね。『夜明け告げるルーのうた』とか。
"走る"というアニメーションの文法的にも見せ場である行為を、"生きること"への投影として活かしていく作風は『Devilman cry baby』とも通じます。
なんにせよ湯浅監督らしいシークエンスでした。グッド。

 

物語は締めに入ろうとしています。
次回は第10話。ついに最終回です!

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