Netflixオリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』が怖すぎました。
従来の『呪怨』シリーズが持つアトラクション的なドッキリを敢えて全廃し、じっとりねっとり厭な気分にさせる演出に全振りした『呪いの家』。
その怖さは想像以上に後を引き、観終わった後も言いようのない不安がずっとついて回ります。
私はその影響をモロに受け、
・夜ひとりでトイレに行けない
・風呂場でシャンプーができない
・鮭フレークのふたが開かない
などなど実生活に多大な実害を被る羽目になりました。ある意味ほんとうに呪いがかかった状態。
恐らく同じ目に遭っている方は多いと思われます。多いですよね?
今回はそんな呪われネトフリユーザーに解決策の提案です。
『貞子vs伽椰子』を観ましょう!
貞子vs加耶子
2016年 日本
監督:白石晃士
出演:山本美月、玉城ティナ
キングコングとゴジラ。
エイリアンとプレデター。
キャップとアイアンマン。
アイコニックなキャラ同士が対決すると面白さが生まれるのは映画の鉄則です。
そんな鉄則に忠実な『貞子vs伽椰子』は、タイトル通り『リング』の貞子と『呪怨』の伽椰子が激突するという対決モノ。
エイプリルフールのネタから実現したという出自からして冗談みたいなコンセプトの映画です。
Jホラーを代表する二大悪霊アイドルが一つの映画で会するのだから、こんな豪勢な企画は他にありません。イクラ丼にカレーをぶっかけたような全部盛り感。
そこには『リング』シリーズが言及してきたSF的要素や、『呪怨』シリーズが描いてきた猟奇的な要素は存在しません。
あるのは
「貞子と伽椰子ってどっちが強いのかなぁ」
という純朴な疑問のみ。
「シュワちゃんとスタローンってどっちが強いのかなぁ」
ともちろん同次元です。
呪いのビデオを握りつぶす伽椰子。
いいぞやっちまえヒューヒュー!
物語は、偶然呪いのビデオを見てしまった女子大生(山本美月)と、呪いの家に「呼ばれて」しまう女子高生(玉城ティナ)の二つのエピソードが同時進行する形で進みます。
女子大生の方は、ビデオを見たことで自分が呪い殺されるであろう運命を早々に自覚。事態の解決に奔走しますが、強力すぎる呪いを前に打つ手がありません…。
そこで登場するのが白石監督作ではお馴染みのヒーロー系霊能力者。
いわゆる寺生まれのTさんみたいなキャラです。
今回その霊能力者を演じるのは安藤政信。
およそ霊験あらたかな能力者とは思えないぶっきらぼうな物言いですが、呪いとの対決に臨む覚悟は本物。
空中で印を切ると、不思議なチカラで貞子の髪の毛をも弾き飛ばせるという、頼りがいあるナイスガイです。言わば頼りガイ。
そして呪われガールズと霊能力者の運命が交差するとき、ついに最終決戦の幕が上がります。
霊能力者が提案する危険な賭け。その内容は…
「呪いの家で呪いのビデオ見たら呪いがぶつかり合って相殺するんじゃね?」
いいですよねこの、二つの全く別の映画の設定をうまいこと嚙合わせるアイデアが!
『リング』→呪いのビデオを見たら死ぬ
『呪怨』→呪いの家に入ったら死ぬ
これらをぶつかり合わせるなんて、貞子と伽椰子を争わせる動機付けにこれ以上ない説得力です!
このアイデア、流行って欲しいと強く願います。
「セノバイトのパズルボックスを完成させるマイケル・マイヤーズ」
とか
「SAWの拷問部屋に閉じ込められるレザーフェイス」
とか
「アナベルに憑依するチャッキー」
とか
「プレデターに寄生するエイリアン」
とか。
最後のだけはもう実現済みか。
とにかく決戦の火蓋が切って落とされ、いよいよJホラー界の二大アイドルが激突します。
空前絶後のクライマックスは必見!
真心こもった怯えヒロインっぷりを発揮する玉城ティナ。
かわいい。
と、まあ『貞子vs伽椰子』の紹介記事でした。
なにがいちばん言いたいかって言うと、本作『貞子vs伽椰子』がホラー映画としての体裁を保ちつつ非常に "楽しい" 映画に仕上がっているということです。
本作は間違いなく『リング』であり『呪怨』でもあり、そこには妥協もおふざけもありません。
しかしまったく恐ろしさや厭さはなく、むしろ何とかして観客に楽しんでもらおうという作り手の誠意が伝わってきます。
観終わった後に閣下の熱唱(エンドロールBGM担当は聖飢魔Ⅱ)を聴きながら「あ~おもしろかった!」的な気分を味わえるってワケです。
このウェルメイドな国産ホラーを観終わった後には、『呪怨:呪いの家』で食らった後を引く怖さなど消し飛んでいることでしょう。
ビバ白石監督です。
今日も隣の部屋から誰かが走っているような音が聞こえてくると思いますが、これでもう気になりませんね!
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