おすすめ度
■■■■■□□□□□ 5点
【あらすじ】
紛争地域に正体不明の超常現象。
敵の新兵器なのか!?それとも未知の侵略者!?
紛争地域に正体不明の超常現象。
敵の新兵器なのか!?それとも未知の侵略者!?
正体不明の敵現る!
→登場人物がひどい目に合わされる(何人か死ぬ)
→敵の正体を暴く
→反撃開始!
→登場人物がひどい目に合わされる(何人か死ぬ)
→敵の正体を暴く
→反撃開始!
『トレマーズ』等々から連綿と受け継がれるB級モンスターアクション映画の王道。その遺伝子を最新のVFXが受け継いだのが本作『スペクトル』です。
Netflixオリジナルフィルムなので「ここでしか観れない」お得感があります。
で、肝心の面白さはどうかというと、うーん・・・いい面と悪い面が打ち消しあって「ふつう」になった感じです。
くどいですが本作はNetflixオリジナル。動画配信サービスの言わば「自主製作映画」です。自主製作と言えばステレオタイプな印象は「低予算+アイデア重視」・・・まあ悪く解釈すればセットや特殊効果などのハード面は貧相というのが相場です。ところがどっこい配信サービスの雄、Netflixは一味違う。本作の映像の迫力は折り紙付きです。潤沢な制作資金が伺えます。
敵キャラかっこいい!
特に正体不明の敵キャラの描写が秀逸!独特の残像を描きながら高速で移動する様は『ゴーストバスターズ』などの類似作とも趣が異なり斬新です。幽霊なのか宇宙からの侵略者なのか・・・得体の知れなさがよく強調されています。
味方もかっこいい!
そして終盤登場する味方サイドの新兵器が超いけてます。レールガンありゾイド風の四足歩行型マシンありフルフェイスヘルメットあり。男心をのツボを突きまくり。
全く歯が立たなかった相手に、新兵器を手に反撃に転じる…これぞB級アクションの醍醐味!
だが作りが甘い・・・
モンスター系アクション映画の主役は敵キャラの凶悪さとハッタリの効いたアクションシーンです。前述の通り、本作ではこれらはかなり秀逸です。
しかしさらに重要なのがそれらを有機的に結び付ける映画の心臓、シナリオです。
たとえば『エイリアン2』 はB級アクションのノリとそれを活かすシナリオが超ハイレベルで融合した奇跡の傑作だと思っています。
本作はそのシナリオが・・・まあ薄い。映像面の良さを打ち消すほどお粗末です。
薄いというより整合性に欠けています。
・危険地帯で子供が生きていた!?この子の父親は何か知っているぞ!
→特に何も知らなかったぜ。
→特に何も知らなかったぜ。
・元々敵同士だったアメリカ軍とレジスタンスが一緒に逃げる羽目に!
→特に協力とかしないぜ。一緒にいるだけだぜ。
→特に協力とかしないぜ。一緒にいるだけだぜ。
・敵の正体が分からない、武器も効かない!一体どうすればいいんだ!
→突然ひらめいて対抗策から何まで全部分かったぜ。
→突然ひらめいて対抗策から何まで全部分かったぜ。
SFアクションにいちいち難癖つけるのは不毛ですがここまでずさんだとそりゃ興覚めもぞする。
特に主人公が敵の正体分かっちゃったもんねと一席ぶつシーンはあまりに強引過ぎて…なんでそこまで分かるんだよ本当はお前が黒幕なんじゃねーの!?
そしてもやもやした気持ちのままクライマックスが始まりそのまま映画は終わっていくのでした。登場シーンでおおっ!!と思わせた例の四足自律歩行マシンも大した活躍はせず、むしろ吹っ飛ばされた際にモブ兵士が下敷きになっていました。無念。
ふつうに楽しめるがふつう以上は無い
ツッコミどころ満載だけどそれを楽しみに観れるほど突き抜けていない。
バトルシーンは見ごたえあるけどシナリオの裏付けがないので今一つ盛り上がらない。
ダメな映画では決してないけど、あまり高くも評価できない感じです。
しかし!この映像のリッチさは今後のNetflixオリジナルフィルムのクオリティに期待を持たせます!もっとこう、同じコンセプトで脚本のしっかりした奴を所望!!